イノコヅチの葉の上を歩いていく微小なアリに見えたのが、ルーペで確認すると Lagynodes 属の無翅の♀でした。この仲間のハチを見るのはまだフィルムカメラを使っていた1997年以来です。当時はどうやら無翅のハチらしいというくらいしか分からなかったのですが、以前のブログを始めて間もない頃にその写真を掲載したところ複数の方からオオモンクロバチ科 Lagynodes 属だと教えていただきました。約30年ぶりの再会ですが、前回のような斑紋が全くないので同属別種のようです。葉の上を逃げ回ってじっくり撮影できないので、深度合成撮影のために持ち帰ろうと容器を出しかけた途端に葉から落ちて見失ってしまいました。体長約1.4mmです。
前回の記事の時点では種名を推測できるような資料が見つかりませんでしたが、今回改めて調べてみると、昨年発表されたばかりの次の論文が出てきました。日本産 Lagynodes 属の再検討ということで、既に知られていた1種に加えて5種が新種として記載されています。
Taxonomic Notes on the Genus Lagynodes Förster, 1840 (Hymenoptera: Ceraphronoidea: Megaspilidae) from Japan, with Descriptions of Five New Species
Mamoru TERAYAMA, Hiromi FUKAGAWA, Satoshi KUBOTA
(こちらからダウンロードできます。)
細かな点は省きますが、今回撮影した画像をこの論文の検索表や標本画像に照らして検討すると、形態や色彩、体長などの特徴が Lagynodes kushinada によく一致します。ただ、存在するはずの単眼が写真からは確認できないのですが、論文掲載の標本写真でもほぼ見えないので仕方がないでしょう。新種記載された5種のうちの一つで、ホロタイプは東京の公園の草むらで採集されたものだそうです。♂は知られていないようですが、この論文に記載された6種のうち本種を含めて5種の♂は未確認、残りの1種は♀が未確認とのこと。Lagynodes 属はほとんどが地下性と考えられているそうなので、研究も簡単には進まないのでしょう。次の機会があれば是非採集しておこうと思いますが、私のように目視だけに頼って虫探しをしていたのでは30年に一度というのがいいところかも知れません。
ここまで書いた後で、こんな記事を見つけました。新種5種を含め日本産 Lagynodes 属の6種すべてに和名がつけられているようで、L. kushinada はフシグロラギノバチとなっています。他にも学名の由来など、論文著者へのインタビューも交えて面白い話題が紹介されているので興味のある方は是非ご一読下さい。
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2026年6月16日火曜日
オオモンクロバチ科 Lagynodes kushinada(フシグロラギノバチ)
(2026.06.11・明石公園)





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