昨年6月はじめに種名不詳のハナカメムシ幼虫として掲載したものが実は最近記載された新種、コバネシロモンハナカメムシ(Temnostethus mirificus・和名は仮称)だったということは記事に追記した通りですが、同じ場所のアラカシの幹で今年は幼虫・成虫ともに見ることができました。
これは今年初めて見た幼虫。この日、このハナカメムシを探しに他県から来訪された方のお供をすることになったのですが、その方が発見されたものです。体長約2.1mm。この日見付かったのはこの1個体だけでした。(5月7日)
約2週間後に見に行くと、すでに成虫が出てきていました。口吻で苔や地衣類の間を探りながら足早に歩き回ります。体長は約2.4mm。
ときどき、餌を見つけたのか口吻を差し込んだまま長い間じっとしていることがあります。何を食べているのか分かりませんが、先に触れた他県からのお客様との話の中で昆虫の卵のようなものではないかという推測が出ました。そうであればこの行動の説明もつくし、また今回このハナカメムシを探している間に同じ場所を卵寄生のナガコバチ(Anastatus sp. )が徘徊しているのを何度か見かけているので、可能性はありそうです。
この幼虫はおそらく終齢でしょう。成虫と変わらない大きさです。
動きも成虫と同じで、ときおり動きを止めて口吻を差し込んだままじっとしています。
体長1.6mmほどの若齢幼虫もいました。(以上2-6枚目:5月20日)
その2日後、成虫や終齢幼虫の他に羽化直後の成虫を見つけました。この状態では体長が2.8mmほどもあります。外骨格が固まるまで腹節間の膜が伸びているんでしょう。美しい色彩なので羽化途上のものがいないか探しましたが、見つかりませんでした。(5月22日)
(2022.05.07,20,22・明石公園)
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