2025年8月22日金曜日

ムシクソハムシの幼虫巣

 サクラの葉裏にくっついていたこのイモムシの糞のような物体は、ムシクソハムシの幼虫巣です。産卵時に母虫が卵に塗り付けた糞の覆いを、孵化した幼虫がそのまま被って歩き、成長につれて自分の糞を付け加えながら大きくしていったものです。
ムシクソハムシ Chlamisus spilotus には同属にツツジコブハムシ C. laticollisという酷似種があって、成虫では腹面を見なければ確かな判別は難しいのですが、幼虫巣は表面が黒っぽくてもっと滑らかなようです。またツツジコブはもっぱらツツジ類につくのに対して、ムシクソの食草はコナラ・クヌギ類以外にもある程度の幅があるようなので、この巣はムシクソハムシのものとして良いでしょう。
巣の長さは4.5mmくらい。今回は顔を見せてくれませんでしたが、中にはこんな幼虫が入っているはずです。あるいは、巣がかなり大きいのですでに蛹になっているのかも知れません。ちなみにこの公園では同じ属のヒメコブハムシ C. diminutus という小型の種も確認していますが、こちらの幼虫巣はずっと細身ですっきりした形をしています。

巣の表面には糞を付け足して大きくしていった後が畝状に残っていますが、途中からその角度が変化しているようです。卵から飼育して観察すれば、その理由が分かるかも知れません。




(2022.07.30・明石公園)

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