切り株の上をチビクワガタが歩いていました。左の上翅に大きな穴が開いています。どうすればこんな深い傷ができるのか想像しかねますが、羽化の際にでも何らかの外敵に襲われたんでしょうか。よく見るものより赤みが強い体色ですが、羽化後の日数が浅いのかも知れません。体長は大顎も含めて約14mmです。
2022年7月31日日曜日
2022年7月30日土曜日
コガネコバチ科 Acroclisoides sp.とカメムシ卵
モチノキの幹に並んだ14個のカメムシ卵の上に、1匹のコバチがとまっていました。カメムシ卵はすでに寄生されているようです。コバチはコガネコバチ科の Acroclisoides 属の一種で、腹部の細さを見るとおそらく♀の羽化を待っている♂でしょう。体長は約2.3mm。Acroclisoides は以前のブログで何度か出していて、その中で今回の種のように翅に斑紋のある種はこちらとこちらですが、斑紋の形は後者に似ています。同種かどうかは分かりません。12年前の記事にいただいたコメントではこの属は日本に2、3種いるが未記録、ということでした。現在はどうなっているのか知りません。別種の Acroclisoides がカメムシ卵から羽化してくる様子はこちらに出しています。
2022年7月28日木曜日
オフリディウム(Ophrydium sp.)の球状群体
オフリディウム(Ophrydium sp.)の群体はこのブログでも一度出していますが、今回なかなか見事な群体を見つけたので再登場です。水に落ちた何かの花の蕊の上に成長していて、細胞が伸びている時は直径1mm以上の大きさになります。こういう厚みのある対象を観察する際はスライドとカバーガラスの間の隙間をどれくらいとるかが悩みどころですが、今回は約0.7mm厚のプラスチック板を挟んで撮影しました。群体を圧し潰さず、しかしある程度は圧縮して高倍率の対物も使えるくらいの厚みです。
2022年7月25日月曜日
アファニゾメノン(Aphanizomenon flos-aquae)
アファニゾメノン(Aphanizomenon )はアオコの原因となる藍藻の一つで、いつもの公園の池でも度々大量に発生します。以前のブログにも一度 Aphanizomenon sp. として出していますが、おそらく世界中に分布すると言う Aphanizomenon flos-aquae だと思います。糸状藻の切れ端を束にしたような群体ですが、束の中でそれぞれの切れ端が長軸に沿って常にゆっくりと前後に動いているので、全体の形も徐々に変わっていきます。
こんな形の群体が浮遊しています。2022年7月22日金曜日
玉津南公民館で昆虫写真展
長年虫撮りに通っている明石公園の近く、神戸市西区の玉津南公民館の方から夏休みの“サマースクール”の一環として虫の写真展をやらないかというお誘いがあり、本日から開催しています。虫撮り仲間と二人の展示ですが、私は“葉っぱの裏の虫さがし”というテーマで構成しました。サマースクールに参加する子供(とその親)が対象なのでそれなりに工夫したつもりですが、どんなふうにすれば子供が興味を持って見てくれるのか、正直なところまったく見当がつきません。私はほとんど会場にいませんが、お近くにお住いの方、よろしければ覗いてみて下さい。
会期は7月22日(金)から8月5日(金)、9:00から17:00、日曜は休館です。駐車場はありません。会場への交通手段などは上のリンクから公民館HPをご覧ください。
2022年7月21日木曜日
産卵中のイヌビワオナガコバチ
たくさん実ったイヌビワの実(花嚢)にちらほらとイヌビワオナガコバチ Goniogaster inubiae がとまっているのが見えたので、1匹産卵中のものを撮ってみました。
こういう被写体は頭から産卵管(鞘)の先まできっちりとピントを合わせたいところなのですが、微妙に角度を変えながら何枚も撮ったカットは全滅でした。それでも、産卵管鞘の根元に近いあたりから細い産卵管が実の中に入っているのがなんとか見えます。今回は暑くて根気が続かず付き合いきれませんでしたが、このハチが後ずさりしながら長い産卵管を差し込む様子はこちらに出しています。
2022年7月20日水曜日
ヒサゴクチカクシゾウムシ
以前のブログでも何度か出している普通種ですが、ヒサゴクチカクシゾウムシ Simulatacalles simulator のペアです。雨上がりで湿った切り株の上にいました。ごつごつした枯れ枝の上などにいるとはなかなか見つけにくい外見ですが、こういう場所にいると目につきます。体長約4mmです。
2022年7月19日火曜日
シロオビトリノフンダマシ
前回のトゲグモに続き、いつもの公園では初めてのシロオビトリノフンダマシ Cyrtarachne nagasakiensis です。エノコログサの葉の上でじっとしていました。これまでに見たトリノフンダマシ類はどれもこんな状態で、この仲間は夜間に活動するようです。以前に別の場所で撮ったものはこちらに出していますが、今回も同じく♀個体で、体長、体幅ともに約6mmです。はるかに小さいと言う♂はまだ見たことがありません。どんな姿をしているのかと思って画像を探すと、お馴染みのそらさんのところにありました。一度見つけたいものです。
2022年7月18日月曜日
トゲグモ(♀幼体?)
トゲグモ Gasteracantha kuhlii にお目にかかるのはこれでやっと3度目で(1度目、2度目)、この明石公園では初めてです。イヌビワの枝の間、ちょうど目の高さくらいに網を張っていました。この公園にはいないものと思っていたのですが、今回も含めてこれまで見たものはどれも樹木の間のかなり薄暗い場所に巣網を張っていて、そういう性向のせいで見落としていた可能性が高そうです。今回もやはり♀でしたが、やや小型で、腹部の突起の発達も弱いようなので幼体かも知れません。体長5.5mm、体幅7mmくらいです。
2022年7月17日日曜日
イソヤムシの一種(Spadella sp.)
いつもの海岸で採れたヤムシです。以前のブログに掲載したものと同じイソヤムシ属 Spadella の一種で、おそらくSpadella cephaloptera だろうと思っています。前回も7月に採集しているので、今頃が出現期なのでしょう。図鑑によればこの仲間は本来底生性ですが、時に浮遊するということです。ヤムシの仲間は細長い上にこちらのように無色透明なものが多く、実体顕微鏡で眺めていても動かなければつい見逃してしまうくらいですが、この種は体が太くて不透明なのでよく目立ちます。カバーガラスで封じても元気に動き回りますが、静止したところを狙って18カットほどスタック撮影しました。
2022年7月16日土曜日
ヒラタトガリカメムシ
ヒラタトガリカメムシ Brachymna tenuis はもともと南方系のカメムシで、近年になって九州や四国、本州にも分布を拡げてきたもののようです。ここ明石公園でもこの5月にある方が採集されていて、その個体も見せていただいたのですが、その後別の虫撮り仲間に居場所を教えて貰ってようやくお目にかかることができました。最初に見た時はササの群落にたくさんの幼虫がいたのですが、その2週間後同じ場所を訪れた時には成虫が1匹しか見つかりませんでした。羽化後分散していったのかも知れません。この公園内にはあちこちにタケやササの群落があるので、また他の場所で見つかることを期待しています。
2022年7月13日水曜日
2022年7月12日火曜日
エノキのナメクジハバチ幼虫
先月のハススジハマダラミバエのところでもちょっと顔を出しましたが、今年はエノキの葉につくナメクジハバチの一種の幼虫をよく見かけます。
2022年7月10日日曜日
ヒロクチバエ科 Rivellia cestoventirs
見かけも動きもミバエにそっくりの美しいヒロクチバエです。アラカシの幹から流れる樹液を舐めていました。以前のブログに Rivellia sp.として掲載したものと同じですが、その後のネット上の情報をいろいろ参照すると、 R. cestoventirs という種で間違いなさそうです。大小2匹来ていて、小さい方が体長約2.8mm、大きい方が約4.5mmで、雌雄の区別は分かりません。腹部の黒帯や前胸背板の黒紋に少し違いがありますが、個体変異だと思います。
以下1-4枚目が小さい方、5-8枚目が大きい方の個体です。