2020年1月31日金曜日

ハナノミダマシ科の幼虫

ケヤキの幹の、五百円玉くらいの大きさの樹皮を剥がしてみると、こんな幼虫が出てきました。

体長は4mmくらいですが、お尻の先に妙なものをくっつけているように見えます。
頭部を見ると甲虫らしいので保育社の原色日本甲虫図鑑の第1巻で探してみると、よく似たものが出ていました。ハナノミダマシの一種 Scraptia sp.とあります。属はともかくとして、同じハナノミダマシ科 Scraptiidae の一種であることは間違いなさそうです。

その線でネットを検索してみると、害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)で取り上げられているのが見つかりました。その記事へコメントが寄せた方がポーランドの研究者による論文を紹介されていて、そこにはこの幼虫が外的な刺激に応じてその「尾」を自切し、またその後再生もするということが書かれているそうです。



(2020.01.21・明石公園)


2020年1月30日木曜日

カシトガリキジラミに寄生するヒメコバチ科の一種(深度合成)

先日の、カシトガリキジラミ幼虫に産卵していたヒメコバチを採集して深度合成撮影をしてみました。撮影には1匹あれば良かったのですが、いつもつまらないミスをして標本を駄目にするので可哀そうですが2匹とも捕まえました。最初の2枚は体長約1.5mmの大きい方の個体、次の5枚は1.2mmの小さい方です。








ついでに、産卵されていた個体ではありませんが、寄主であるカシトガリキジラミの幼虫も。これは動かないので生体です。




(2020.01.21・明石公園にて採集)

2020年1月28日火曜日

カサボネケイソ ウ Corethron criophilum

何かのカプセルのような面白い形をした珪藻 Corethron criophilum です。「日本の海産プランクトン図鑑」では「新称」としてカサボネケイソウという和名が与えられています。



(2019.12.24・西舞子海岸にて採集)


2020年1月27日月曜日

カシトガリキジラミに産卵するヒメコバチ科の一種

アラカシの葉裏にカシトガリキジラミの幼虫が沢山ついていたので、脱皮中のものでも見つからないかと探していると、この幼虫に産卵しているヒメコバチがいました。
同様の光景は7年前の3月にも撮影していて、寄生者のヒメコバチも同じ種だろうと思っていたのですが、帰宅して確認すると腹部や脚の色が異なり、別種のようです。それにしても、暖冬とはいいながら年中で最も寒いはずの季節に産卵行動が見られるとは意外でした。

1枚の葉に数匹のキジラミ幼虫が寄生していて、その中の1匹に産卵していました。体長は約1.2mm。

産卵管を抜いてもまだ同じ寄主を探っています。

先ほどとは反対側に産卵管を差し込みます。

その後しばしの探索を経て次の犠牲者を見つけました。

同じように寄主の体の下面に産卵管を差し込みます。

キジラミ幼虫はどれも終齢のようでした。

別の葉でもう一匹、産卵中のヒメコバチを見つけました。最初のよりやや大きく体長1.5mmほどですが、同種のようです。

これは別の木のカシトガリキジラミ幼虫で、体長約2.4mm。さて無事に羽化できるでしょうか。

(2020.01.21・明石公園)


2020年1月26日日曜日

アカシオオビムシ Akashiwo sanguinea

先日のギムノディニウムと同様、鎧板を持たない渦鞭毛藻です。その名の通り赤潮を形成するということですが、瀬戸内沿岸のいつもの採集場所ではこの種が大量に発生したのをまだ見たことがありません。
やはり縦・横の鞭毛を動かして活発に泳いでいました。写真ではその鞭毛がよく写りませんでしたが、最後の動画のところどころでどうにかその動きが見られます。




(2019.12.24・西舞子海岸にて採集)



2020年1月25日土曜日

キイロカタビロコバチ Sycophila variegata (Curtis)

このあたりでは最も普通に見られるカタビロコバチです。越冬中の生体写真は何度も撮影しているので、今回は採集して深度合成撮影をしてみました。

冷凍殺虫でこんな格好になってしまいました。も少し自然な姿勢で撮影できればいいんですが、難しいです。


触角の先端に短い毛が放射状に生えていることが、今回のちょっとした発見でした。


このキイロカタビロコバチは多種のタマバチ幼虫に外部寄生することが知られているそうですが、以前に一度、10月にクロガネモチの実に産卵するのを見たことがあります。同じ木では毎年ニッポンオナガコバチ Macrodasyceras japonicum が羽化してくるのですが、両者に直接の関係があるのかどうか分かりません。

(2020.01.11・明石公園にて採集)


2020年1月24日金曜日

ギムノディニウム属の一種(Gymnodinium sp.)

これはギムノデイニウム属 Gymnodinium の一種だと思います。以前のブログに掲載したプロトペリディニウムゴニオラックスと同じ渦鞭毛藻の仲間ですが、両者のような硬い鎧板を持ちません。

泳いでいる同一個体を4枚並べてみましたが、おおよその形が分かると思います。

波打つような横鞭毛の動きが分かります。


(2019.12.24・西舞子海岸にて採集)




2020年1月22日水曜日

ザラタマゴダニ属の一種(Xenillus sp.)

落ち葉めくりで出てきたやや大きめのササラダニ。
以前BABAさんのブログにザラタマゴダニ科の一種 Xenillus sp. として掲載されたものによく似ていますが、こちらの方が大型で、形も異なる部分があるので同種ではないでしょう。「日本ダニ類図鑑(全国農村教育協会)」にはザラタマゴダニ属の2種、ザラタマゴダニ X. tegeocranus とヤハズザラタマゴダニ X. heterosetiger が図示されていて、それを見ると前体部の桁の先端の2対の突起や体長から後者のヤハズザラタマゴダニに当たるのではないかと思います。

体長約1.2mm、ダニもこのくらいの大きさがあると撮りやすい気がします。

真冬と言っても気温が高いのですぐに動き始めます。

ここからは同じ場所にいた別個体ですが、大きさはほぼ同じです。


裏返してみました。縦の裂け目のある二つの膨らみは生殖板(上)と肛門(下)です。

顎体部と第1脚の爪。

桁の先端部には外側が長く、内側が短い2対の突起が見えます。

胴感杯と胴感毛(ピンボケですが)がどうにか見えます。

(2020.01.11・明石公園)


2020年1月20日月曜日

マルトビムシの一種

落葉めくりで出てきたマルトビムシです。体長は0.6mm足らず。こちらと同じ種かも知れません。








(2020.01.11・明石公園)


2020年1月19日日曜日

ヒメコバチ科 Deutereulophus sp.♀

ヤツデの葉の裏にいたのを採集してきました。ヒメコバチ科 Eulophinae 亜科の Deutereulophus 属の一種で、以前のブログで8年前に一度掲載しています。これは♀で、♂はこちらのように樹枝状の見事な触角を持っているのですが、残念ながらまだ一度しか見たことがありません。







(2020.01.11・明石公園にて採集)