2021年9月30日木曜日

コレプスの細胞分裂

 先日も出したばかりのコレプス(Coleps sp.)ですが、分裂途上の細胞を見つけました。


発見時、分裂はすでにかなり進んでいました。外殻が二つに分かれ、内部のむき出しの部分が膨らんできています。もっと初期の段階から観察したいものですが、見つかるのはこんな状態のものばかりです。

約3分後。

さらに1分後、完全に分離しました。

上の続きではありませんが、分裂後間もない細胞です。新たに成長してきた部分はまだ外殻に覆われていません。

次の動画はまた別の細胞です。


(2021.9.28・明石公園 藤見池にて採集)




2021年9月29日水曜日

カメノコウワムシ属の外来種?(Keratella ?americana)

 いつもの池ではごく普通に見つかる小型のワムシで、カメノコウワムシ Keratella cochlearis だと思っていたのですが、あらためて手持ちの図鑑類などで確認すると別種のようです。この種には多くの変種があって、和名の由来である背甲の亀甲模様もそれぞれ異なるのですが、それが図鑑に掲載されているくつかの型のどれにも当てはまりません。そこでネット情報を探してみると、四日市大学生物学研究所のサイトで紹介されている Keratella americana f. hispida という種によく一致することが分かりました。「Keratella cochlearisに似ているが,背面の亀甲模様が全く異なる.Keratella valga等のように,中央に六角の亀甲が4個並ぶことで区別できる。外来種。東海地方の池沼では普通に見られる。」と説明されています。そこに掲載されている画像は小さくて分かりづらいのですが、いくつかの海外サイトの図でよく確認できます。今回は数個体を撮影しましたが、亀甲模様の型はすべて同じでした。

この画像では背甲を上に向けていますが、ピントは腹甲近くに合っています。頭部を出していて、赤い眼が見えます。

ピントを少し上に移動。

背板表面に合わせると、うっすらと亀甲模様が見えてきます。

別個体ですが、ほぼ真横から見ています。背甲にはかなり凹凸があるようです。

これも別個体。腹側から斜めに見ています。腹甲は扁平です。

上の画像では亀甲模様が見えにくいのでもう1枚。これも別個体です。

動画です。


(2021.07.28・明石公園 剛の池にて採集)

2021年9月27日月曜日

オビコシボソガガンボ?

 クサギの葉の上で交尾していたコシボソガガンボの一種です。多くのサイトで画像が掲載されているオビコシボソガガンボ Ptychoptera japonica と同種のように見えますが、近似種の有無もはっきりしないので、種名には疑問符をつけておきます。

体長は左の♀が7.5mm、♂が5mmくらい。♂は脚を2本失っています。

♂の触角が非常に長い。


(2021.09.24・学が丘北公園)

2021年9月26日日曜日

ヨツメヒメハマキ

 これはヨツメヒメハマキ Cydia danilevskyi だと思います。幼虫はコナラやミズナラの実を食べるそうですが、確かにコナラの多い場所でした。翅端まで9mmくらいです。




(2021.9.24・学が丘北公園)


2021年9月25日土曜日

タイワンヒゲナガアブラムシとマミー

 アキノノゲシの葉裏についていたタイワンヒゲナガアブラムシ Uroleucon formosanum です。


体長約2.5mmの有翅成虫です。

中央の有翅幼虫は体長約2.4mm。

これは無翅胎生雌だと思います。体長約2.8mm。

ちょっと気になったのは隣の葉についていたこのマミーです。

すでに寄生者が出た後のようですが、よく見かけるものと違ってアブラムシの外殻の下に繭のようなものが見えます。調べてみるとそらさんのところでよく似たものが紹介されていました。その記事へのezo-aphidさんのコメントによると、「アブラバチ科のPraon属は、蛹化になる際にアブラムシから脱出して、腹下にテント型のマユを作ります。」ということです。そらさんの記事では寄主はタイワンヒゲナガアブラムシと同属のアワダチソウアブラムシ(セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ)なので、おそらくこのマミーも Praon属によるものと思われます。

(2021.09.21・明石公園)

2021年9月24日金曜日

オキシトリカの一種?(?Oxytricha sp.)

 以前のブログでも同じタイトルで出していますが、こちらの方が大型で刺毛の様子にも違いがあって別種ではないかと思います。またどちらもアンフィシエラ Amphisiella その他のよく似た属かも知れません。


横向きになったところ。

腹側の3本の刺毛列が斜めに走っています。


大核が2個、前後に並んでいます。

動画です。


(2021.08.06・明石公園の池にて採集)

2021年9月23日木曜日

ジュズダニ科の一種・幼体?

濡れ落ち葉の上を 歩いていた足の長いダニ。ジュズダニ科(Damaeidae)の一種だと思います。体長約0.3mmで、幼体でしょうか。小さすぎて、どこにピントが合っているのかわからないような写真ばかりです。






(2021.09.21・明石公園)

2021年9月22日水曜日

ツマグロスケバ

 クサギの枝先にツマグロスケバ Orthopagus lunulifer がいました。以前はこの公園でもよく見かけたのですが、他の虫たちと同様かなり数を減らしているようで、撮影したのは数年ぶりです。11年前の記事には幼虫も出しています。

枝に口吻を突き刺して吸汁していたのですが、警戒して中止してしまいました。体長約10mm、翅端まで約13mmです。

ウンカの仲間はどれも面白い顔をしています。

(2021.09.21・明石公園)

2021年9月21日火曜日

スキバツリアブ?

これはスキバツリアブ Villa limbata だと思って撮影したのですが、以前掲載したもの(こちらこちら)と比べると、胸部や腹部に生えている毛の色がずいぶん異なります。北隆館の大図鑑によれば胸部の前・側縁、腹部側縁(第5、6節以外)などの毛の色はほとんど黄色ということですが(以前の記事の個体には一致しますが)、今回の個体ではそれがほぼ白色で、一致しません。写真で確認できる限りでは翅脈やその他の特徴に違いは見つかりませんが、とりあえずタイトルには疑問符をつけておきます。




(2021.09.21・明石公園)

2021年9月19日日曜日

泳ぐパラディレプタス(Paradileptus sp.)

これはパラディレプタスの一種(Paradileptus sp.)で、以前にこのブログでも出していますが、細胞前端が象の鼻のように長く伸びた大型の繊毛虫です。動きも活発で、広い水中では回転しながら自在に泳ぎ回るのを実体顕微鏡で見ることができますが、それをスライドガラスにとってカバーガラスの下に閉じ込めると速やかに弱ってしまうことが多く、あまり長く撮影を続けられません。細胞を圧迫しないように2枚のガラスの間隔を充分とっていてもやがて動きが遅くなり、なぜか長い鼻も水に溶けるように消失してしまうのです。そこで今回はカバーガラスの下に厚さ1mmほど(細胞全長の2倍以上)の空間を作り、低倍率でその遊泳を撮影してみました。5、6個体を一緒に封入しましたが、動きが速いので画面に入るのもピントが合うのも運次第です。


(2021.08.31・明石公園 桜堀にて採集)

2021年9月18日土曜日

カタビロアメンボ科の一種・幼虫

 プランクトン採集が目的で掬ってきた池の水をシャーレに入れて実体顕微鏡で覗いていると、時々水面を滑るように動く小さな虫が目にとまりました。池などで水を採集すると水面にいる微小なトビムシ類が入ってくることは多いのですが、よく見るとこれはカメムシ類です。体長約0.7mmと0.6mm足らずの大小2匹がいました。調べてみるとカタビロアメンボ科 Veliidae のようで、この仲間は成虫でも体長が2mm以下のものが多いそうです。種名は分かりません。

まず大きい方から。

水面にお尻を着けて脚の手入れをしています。

背景で虹のように見えるのはシャーレの縁です。

今度は爪先立ち(?)になって後脚で体をしごいています。



口吻のお手入れも。

これは小さい方の個体です。

やはりしきりに各部のお手入れに励んでいました。

(2021.09.15・明石公園の池にて採集)

2021年9月17日金曜日

ミミズクの抜け殻

 コナラの葉の裏にミミズク Ledra auditura の抜け殻がくっついていました。このあたりでは滅多に見つからない虫で、ここ2、3年は生きたものを見た記憶がありません。せめて脱け殻でもと思って撮っておきました。長さ16mmくらいです。







(2021.09.10・舞子墓園)