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2025年2月26日水曜日

チャタテムシの卵塊

 サザンカの葉裏に産み付けられたチャタテムシの卵塊です。持ち帰って深度合成撮影をしてみました。木の葉で暮らしているチャタテ類の多くがこのような形で産卵するようで、これまでにもケチャチャテ科のトビモンケチャタテ、ケブカチャタテ科のウスベニチャタテ、ホソチャタテ科のホソチャタテなどがこのような卵塊を作るのを見ています。
母虫は産卵後、卵塊を跨ぐように頭部を左右に往復させながら口から吐いた糸を掛けていくのですが、この写真に見られるような密度で卵を覆うには完成までに何往復くらい必要なんでしょうか。
1枚目は葉面に対してほぼ垂直方向から撮ったものですが、照明の加減で独特の真珠光沢が出ないので2、3枚目は葉をやや傾けて撮りました。卵1個の大きさは長径が約0.5mmです。




(2025.02.11・明石公園にて採集)

2025年1月8日水曜日

樹幹のチャタテ

 おなじみの顔ぶれですが、年末に木の幹で見られたチャタテムシです。

まず、イダテンチャタテ Idatenopsocus orientalis 。その名の通り逃げ足の速いチャタテで、真冬の寒さの中でもなかなかじっとしていてくれません。下向きに静止するのもこの種の特徴です。

ウロコチャタテの一種。比較的大柄なチャタテで、翅が鱗粉に覆われているので初めて見たときは小型のガかと思いました。上のイダテンチャタテ以上に敏捷です。

クロフチャタテ科、Aaroniella 属の一種。上の2種とは対照的に、テント状に張った糸の下でほとんど動きません。先日も出したばかりですが、この日は幼虫の姿もありました。

ムツテンチャタテ属(Trichadenotecnum)の一種。こちらと同じ種かも知れません。以前はちょっと木の幹を見て回るとすぐに見つかったものですが、最近は少なくなりました。

(2024.12.24・明石公園)


2025年1月7日火曜日

ヨツモンホソチャタテ ♂・♀・幼虫

 トベラの葉を捲っていると、ヨツモンホソチャタテ Graphopsocus cruciatus が何匹も見つかりました。

葉裏に縦横に糸を張ってその下に潜んでいます。腹部が小さいので♂でしょう。翅端まで4.1mmほどですが、体長はその半分の約2.1mmです。

正面から。

大きな複眼。

こちらは♀。ぼってりした大きなお腹です。体長約3mm、翅端まで約3.7mm。

♂と比べると複眼が小さく、顔の印象がだいぶ違います。

幼虫もいました。やはり糸を張っています。体長は1.8と2.1mmくらいです。

(2024.12.24・明石公園)



2024年12月20日金曜日

チャタテ科の一種

 モッコクの幹を、ムツテンチャタテかイダテンチャタテでもいないか探していると、個人的には初見と思われるチャタテが見つかりました。前胸背板から前翅の基部にかけての黒っぽい部分が特徴的で、これまでに撮影した記憶がありません。翅脈を見るとチャタテ科だと思われますが、複眼が大きいので♂でしょう。体長2.8mm、翅端まで4.3mmくらいです。





(2024.12.10・明石公園)



2024年11月15日金曜日

クロフチャタテ科 Aaroniella sp.

 久しぶりに見つけたクロフチャタテ科 Aaroniella 属の一種です。エノキの幹に1匹づつ、お互いにかなり離れて静止していました。同じように木の幹に住むチャタテでもイダテンチャタテなどは近づくと逃げ回るのですぐ目につきますが、このクロフチャタテの仲間はほとんど動かず、樹皮に溶け込む体色ともあいまってなかなか見つけにくいチャタテです。季節のせいか、この日見たのはすべて成虫でした。写真はそれぞれ別個体です。

頭上には縦横に粗く糸を張っています。イダテンチャタテでも若齢幼虫は同じように糸を張りますが、成虫でそれが見られるのは、このあたりの樹幹で見つかるチャタテではこの種だけだと思います。特に多数が群れているところではそれが天幕のようになって、光の加減でうっすらと光って所在が知れることがあります。


頭の先から翅の先まで約3mmです。

(2024.11.07・明石公園)

2024年6月27日木曜日

イダテンチャタテの羽化

 芝生の広場の真ん中に立ったヤマモモの、ほぼ水平に伸びた太い枝の下面でイダテンチャタテ Idatenopsocus orientaris が羽化していました。このチャタテとはずいぶん長いお付き合いですが、羽化の様子を見せてくれるのはこれが初めてです。胸くらいの高さの枝なので撮影はかなり苦しい姿勢になり、おまけに雨の降りそうな空模様で枝の下面は非常に暗くピンボケを量産しましたが、一応翅が伸びきるまで撮影を続けました。最初のカットから最後まで所要時間は約25分です。




古い殻から出るとお腹が縮んでいきます。

撮影している影響か、何度も体の向きを変えていました。




翅の伸びた姿を見ると♂のようです。まだ体色が整いませんが、このあたりで切り上げました。

(2024.06.20・明石公園)






2024年3月17日日曜日

ムツテンチャタテ属の一種?の幼虫

体じゅうに地衣のかけらや砂粒をくっつけたチャタテ幼虫です。多分ムツテンチャタテ属 Trichadenotecnum の一種だと思いますが、このように体にゴミを纏うのは他の属にも多いらしいので、別属かもしれません。モチノキの幹にいました。
ゴミをくっつけるのは外敵から身を隠すためだと思いますが、以前に一度、よく似た幼虫の脱皮を見たことがあります。古い皮と一緒にゴミも全部脱ぎ捨ててまた一から集めてくるのかと思えば、脱皮前にくっついていたゴミのうちかなりの割合が新しい体表にうまい具合に引き継がれるのを見て感心してしまいました。
ムツテンチャタテ属の成虫は、こちらこちらこちらに出しています。




持ち帰ってスタック撮影しました。倍率を変えながらたくさん撮ったので、あまり意味もありませんが全部出しておきます。


たくさんのゴミを身にまとった様子を撮りたかったのですが、持ち帰る間にかなり落ちてしまいました。


背面には先端が球(粘球?)になった毛が多数生えています。












口部のアップです。

こちらは腹端。

(2024.03.11・明石公園)


2024年3月1日金曜日

ウスイロチャタテ科 Ectopsocus sp.

 枝についたまま枯れたヤブニッケイの枯葉を1枚づつ捲っていると、このチャタテが何匹も出てきました。こちらと同じ、ウスイロチャタテ科の Ectopsocus 属の一種だと思います。ただし、翅脈の末端の斑紋がこちらの方はかなり薄いので別種かもしれません。


翅端まで約2.9mm、体長約1.6mmです。


腹部が貧弱なので♂だと思います。

顔つきは雌雄であまり変わりがないようです。

別の葉にいた個体ですが、これも♂のようです。

(2023.12.28・明石公園)


2023年7月22日土曜日

マダラニセケチャタテ♂?

 これはマダラニセケチャタテ Pseudocaecilius maculosus だと思います。サクラの葉の裏で、粗く縦横に糸をかけてその下でじっとしていました。以前のブログでも2度(2011.10.13,2012.01.05)出していますが、今回は複眼が大きいので♂でしょう。体長約2.1mm、翅端まで3mmです。


よく見ると右前翅の翅脈がちょっと変です。

反対の左前翅にも、別の部分に異常があります。
このような翅脈異常は以前にもヨツモンホソチャタテで見たことがあって、チャタテムシ類では珍しくないことなのかも知れません。


(2023.07.21・明石公園)