2025年7月15日火曜日

モグリチビガ科の一種?

 翅端まで2.6mmほどの微小な蛾です。樹液の染み出たアベマキの幹を調べている時に、ちょうど目の前に飛んできて樹皮の窪みの中にとまりました。こちらと同じモグリチビガ科(Nepticulidae)の一種ではないかと思っているのですが、確信はありません。触角の根元が広がっていて複眼が全く見えませんが、これは眼帽と呼ばれるものです。“みんなで作る日本産蛾類図鑑V2”によるとこの特徴を持っているのはモグリチビガ科の他にはヒラタモグリガ科とハモグリガ科にほぼ絞られるそうなので、他の二つの科のどちらかかも知れません。触角を拡げればばこちらのハモグリガのようにその下から複眼が現れるはずです。





(2025.07.01・明石公園)


2025年7月12日土曜日

ミツヒダアリモドキ(深度合成)

 ミツヒダアリモドキ Nitorus trigibber は以前のブログで2度出していますが、あらためて確認するとどちらも明石公園で撮ったものでした。これまでに数えるほどしか撮っていない種ですが、何しろ小さいので目に留まらないだけで、ビーティングでもすれば結構落ちてくるのかもしれません。サクラの葉裏で見つけたのですが、逃げ回って撮らせてくれないので今回は持ち帰ってスタック撮影してみました。相変わらず展脚がちゃんと出来ませんが、脚の数が減る前にあきらめました。
姿がアリに似ているからアリモドキですが、写真を見るとそれほど似ているようには見えません。アリとは違って立派な翅を持っているので、その分腹部が大きく見えるせいでしょうか。ただ、木の葉の裏についているのをシルエットで見ると確かにアリと見間違えそうです。






(2025.06.23・明石公園にて採集)


2025年7月10日木曜日

キュウシュウクチブトカメムシの幼虫

 イヌビワの葉に乗っていた美しいカメムシ幼虫。この色や光沢から未だ実物を見たことのないアオクチブトカメムシか、と思ったのですが、虫仲間に見せるとキュウシュウクチブトカメムシ Eocanthecona kyushuensis ということでした。成虫は見たことがありますが、幼虫は初めてです。はじめの3枚はいつものストロボ一発、後の2枚は少し明るい場所に移動して自然光で撮ったものですが、カメラを近づけると逃げ回ってなかなか止まらないので満足な写真は撮れずに終わりました。体長は約10mmで、終齢だと思います。
クチブトカメムシの幼虫と言えば、10年以上も前にこの公園でこの仲間の若齢と思われる幼虫を撮っています(こちら)。図鑑やネット画像などいろいろあたってみたのですが、今のところ不明のままです。






(2025.06.27・明石公園)

2025年7月8日火曜日

ヒメハナゾウムシ(アカメガシワの花外蜜腺)

 アカメガシワの葉の付け根で何やらごそごそ動いていると思ったら、花外蜜腺に集まったヒメハナゾウムシ Anthonomus (Anthonomus) minor でした。


吻の先まで2mmばかりの微小なゾウムシです。名前通り花の上で見かけることの多い種で、花外蜜腺に来ているのは初めて見ました。

周囲の葉にも数匹づつ集まって蜜を吸っています。





花外蜜腺で見かける昆虫と言えばほとんどがアリで、連中が集まっていると他の虫が寄り付かない感じですが、たまたまこの木にはほとんど来ていなかったようで、こんな小さなゾウムシがのんびりと蜜を吸っていたのもそのおかげかも知れません。

(2025.06.27・明石公園)


2025年7月6日日曜日

不明ヨコバイ幼虫

 この幼虫は以前のブログにも一度掲載しているのですが、いまだに正体が分かりません。9年前の個体はコナラについていて、今回はアベマキなのでブナ科を好む種のようです。前回の個体は体長が約3mmで翅芽も発達しているのでおそらく終齢と思われ、今回は約2.6mmで3齢か4齢くらいでしょうか。かなり特徴のある外見ですが、このあたりで見かけるヨコバイの中では、候補になりそうな成虫の姿が思い浮かびません。そのうち身元が判明することを期待して、今回も不明のままで出しておきます。





(2025.06.27・明石公園)


2025年7月4日金曜日

ヒメグンバイの羽化

 グンバイムシが続きますが、今回はアベマキの葉裏で羽化していたヒメグンバイ Uhlerites debilis です。特に説明することもありませんが、羽化後はやがてこちらのような体色になります。








(2025.06.27・明石公園)





2025年7月3日木曜日

アワダチソウグンバイの孵化・その他

 この時期、表面の一部が白っぽく変色したセイタカアワダチソウの葉を裏がえすと、たいていこのアワダチソウグンバイ Corythucha marmorata に寄生されています。夏の間はこの葉の裏だけで世代を繰り返すので、成虫や各齢の幼虫から卵まで、全ての成長段階を同時に観察することもできるのですが、それにはルーペが欠かせません。この日もそうやって眺めていると、ちょうど卵から孵化してくる幼虫が見つかりました。

残念ながらすでにほぼ全身が出てきていましたが、グンバイムシの孵化は以前にトサカグンバイで見ただけなので、見つけられただけでも幸せです。


小さくてもカメムシなので、孵化幼虫は卵殻の“蓋”を開けて出てきます。


無事に抜け出しました。

この幼虫たちもまだ1齢と思われます。体長は0.5から0.6mmくらいですが、すでに食事を始めていてお腹が緑色になっています。

これは産卵中の♀と思われましたが・・・。

撮影しようとするとお尻を上がて立ち去ってしまいました。

脱皮してきた幼虫。3齢くらいでしょうか、体長は1mm足らずになっています。

(2025.06.21/25・明石公園)