一昨年の夏にヒラアシキバチの産卵、そして昨年にはそれに寄生すると思われる2種のオナガバチ(大型の未記載種 Megarhyssa sp.とオオホシオナガバチ M. praecellens)の産卵が見られたたエノキの枯れ木は、その後伐採されてしまいました。しかし切り分けられた幹はそのまま元の場所に置かれていたので、数週間前からMegarhyssa sp.の♂がちらほらと姿を見せはじめ、やがて♀が産卵しているのも確認できました。
そしてこの日の朝様子を見に行くと、その伐採木の一か所に数匹の♂が集まっていました。
頭を中心に向けてじっとしています。やがて♀が出てくる兆候だと思われましたが、しばらく見ていても変化がなく、まだまだ時間がかかりそうなのでいったんその場を離れて他の虫を探しに出かけました。
1時間少々ぶらついてから戻ってくると、かなり賑やかな状態になっていました。♂の数は10匹ほどに増えていて触角を盛んに動かし、数匹は腹部を群れの中心に向けて突き出しています。以前何度も見た光景ですが、公園内のエノキの立ち枯れがほとんど消えてしまったせいもあってここ数年は見る機会がありませんでした。
ライバル同士これだけひしめき合っていても喧嘩するでもなく、お互い相手を排除しようという様子が全く見られないのがちょっと不思議です。
過去に何度か見た場面では、♂たちが腹端を押し付けているあたりにやがて小さな穴が開き、それと同時に数匹の♂が一斉にその穴に腹部を差し込み、という運びになるはずなのですが、今回はなかなか事態が進展しません。
やがて腹部を突き出していた♂たちも元の姿勢に戻ってしまい、それでも全員がしきりに触角を動かしています。
何度かその場を離れて時間を潰しながら見守っていましたが、一向に♀は現れず、反対に♂たちも段々と興奮が冷めていくようです。まだ♀の準備が出来ていなかったんでしょうか。3時間後には最初に見た時と変わらない状態になってしまいました。いずれこの場所から♀が羽化して出てくることは確実と思われましたが、それが何時間後になるのか見当もつきません。久しぶりにその瞬間を見たかったのですが、未練を残しながら退散しました。
4日後。あれから何時間後に出てきたのか、♂たちが集まっていた場所の真ん中に脱出口が開いています。近くで産卵している♀も見られましたが、残っている♂はごく少数でした。
スマホで動画も撮りました。
画質は良くありませんが、雰囲気を分かっていただけると思います。
今回は見ることができませんでしたが、10年以上前に撮った♀の脱出シーンはこちらとこちらに出しています。
(2025.06.13/17・明石公園)
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