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2025年3月13日木曜日

ケヤキ樹皮から出てきたエルモンドクガ(?)幼虫

* 2025.03.14・追記とタイトル変更 *

当日もご一緒した方より、ケヤキを食樹とし幼虫越冬という条件からエルモンドクガ Arctornis l-nigrum ussuricum ではないかというご指摘がありました。恥ずかしながら初めて聞く種名です。早速検索してみましたが、幼虫の画像はネット上にも数えるほどしかない上にどれも活動中の、もっと体の伸びた状態なので似ているようではありますが今一つはっきりしません。その中で「南四国の蛾」というサイトの「蛾の生態図鑑」に掲載されている画像を見ると、幼虫の地肌や頭部の模様が写っていて、それが下の画像とよく一致しました。やはりご指摘の通り、この種の可能性が高そうです。当初「不明幼虫」としていたタイトルには、ひとまず疑問符付きで種名を掲げておきます。

 いつもの虫仲間のお誘いで車に同乗させていただき、三木市の三木山森林公園での観察会に参加してきました。これはその時、同行の誰かがケヤキの樹皮下で見つけた幼虫です。見事に全身毛だらけ、と言うより棘だらけの毛虫で、調べればすぐに身元は割れるだろうと写真だけ撮らせてもらったのですが、帰宅してからいつもの幼虫図鑑はじめネット上の画像を探してみても意外に似たものが見つかりません。越冬状態のためか体が前後にだいぶ圧縮されているようにも見え、そのせいで余計に分かりにくいのかもしれません。科の見当もつきませんが、そのうちどなたかに教えていただけることを期待して出しておきます。

ちょっと前ピンになってしまいました。左が頭です。

長い毛の下から辛うじてお顔が見えますが、これも前ピンですね。

こっちがお尻。

このような重装備は主に寄生者対策だと思いますが、曲者ぞろいの昆虫界にはこんな槍ぶすまをかき分けて寄生卵を産み付けていく奴もいるんでしょうね、おそらく。


(2025.03.09・三木山森林公園)


2025年2月3日月曜日

ヘーネアオハガタヨトウ

 ムクノキの幹にとまっていた、かなり地味なガです。目に留まったのが不思議なくらい薄暗い場所で、ファインダーもよく見えず1枚撮るごとにモニタを確認しながらの撮影でした。名前調べは難航しましたが、ヘーネアオハガタヨトウ Nyctycia hoenei で間違いないと思います。晩秋に出現する種だそうです。和名が変わっていますが、“ヘーネ”は種小名から来ているようで、命名者か採集者のお名前でしょうか。寡聞にして知りませんが、他にもこの名を和名に持つ種があるのかもしれません。ついでに頭に何もつかない“アオハガタヨトウ”はどんなガだろうかと調べてみると、“アオハガタヨトウ”は出てきますが“アオハガタヨトウ”は存在しないようです。例によって鱗粉のアップを撮ってみましたが、ほとんど平らな場所がないのでごく部分的にしかピントが合いません。頭から翅端まで約16mmです。








(2025.01.17・明石公園)


2025年2月2日日曜日

モンギンホソキバガ

 大きなシュロの葉を裏がえしてみると、おなじみのニッポンオナガコバチやキモグリバエ、トガリキジラミ類に交じってこの白い小さな蛾がいました。モンギンホソキバガ Thyrsostoma pylartis です。後脚を上げて止まる姿勢が独特で、翅端まで6mmちょっと。珍しい種でもないのでしょうが、過去に数回しか撮っていないと思います。過去に出した記事も、調べてみると2011年12月の一度きりでした。






(2025.01.17・明石公園)



2025年1月17日金曜日

蛾の若齢幼虫2種

 一か月も前の写真ですが、まだ葉の上で頑張っていた小さなイモムシたちです。

最初はイヌビワの葉裏で主脈に乗っていたきれいな緑色の幼虫です。体長10mmほど。いろいろ探してみるとイチジクキンウワバ Chrysodeixis eriosoma に似ているようですが、若齢幼虫の画像は少ないので、他にも候補があるかもしれません。この種であれば食草はかなり多食性のようなので、和名のイチジクに近縁のイヌビワについていても矛盾はないと思います。

なかなかかわいらしい顔をしています。

大あごに食事の名残がついています。

もう一種は黄色くなったヘクソカズラの葉裏にいた小さな奴。以前にも見たような気がしますが、種名は見当がつきません。この姿勢なので正確な体長は分かりませんが、画面の長辺は3.4mmなので、それと同じくらいだと思います。

寒さのせいか動きは鈍いですが、のろのろと歩き出しました。

これは別の葉にいた個体です。この葉も間もなく枯れ落ちるはずですが、この人たちはどうするんでしょうか。

(2024.12.18・明石公園)

2024年12月25日水曜日

アケビコノハとオオハナアブ

 枯れてしわくちゃになったヤツデの枯葉をひろげてみると、こんなものが隠れていました。

枯葉そっくりのアケビコノハ Eudocima tyrannus とオオハナアブ Phytomia zonata です。

市街地の公園でも普通に見かけるオオハナアブですが、越冬中の姿はあまり見かけません。12月としても寒い日でしたが、2、3枚撮るうちに元気に飛んでいきました。

一方のアケビコノハは、幼虫は時々見かけますが成虫は久しぶりです。死んだようにじっとしていましたが、そのままでは撮りにくいので葉の裏側にとまらせました。その際翅をはばたかせたので一瞬だけ派手なオレンジ色の後翅が見えましたが、写真は撮れません。頭端から翅端まで50mmくらいです。

せっかくの機会なので、各部のアップも撮らせてもらいました。

暖かそうな毛並みです。


顔の前に突き出しているのは下唇鬚で、左右から伸びたものが上下にずれています。

前から見るとこんな感じです。


上翅の斑紋。

(2024.12.18・明石公園)


2024年11月28日木曜日

シンジュキノカワガ・繭づくり

 クスノキの幹でシンジュキノカワガの幼虫が繭を作りはじめていました。
虫仲間に教えられて最初にこの幼虫を見たのは9月の初めで、すでにその時にもいくつかの繭が見つかっていたのですが、11月半ばも過ぎてまだ活動していることに驚きました。前回幼虫を見た数本の細いシンジュには幼虫もまだ数匹残っていて、繭を作っていたクスノキはそこから園路をはさんで10mばかり離れた場所です。

朝の9時過ぎ、地上1mちょっとの高さです。場所を決めたばかりのようで、周囲の樹皮をせっせと齧っていましたが、まだ繭らしい構造はまだほとんど見えません。幼虫の体長は約38mmです。

昼過ぎに見に来ても仕事はほとんど進んでいませんでした。

翌日、やはり9時過ぎに現場を訪れると、繭はほとんど完成していて(左下)、すぐ隣で別の幼虫が新たに工事を始めていました。

木屑を綴り合せた繭の、中心線上の細い隙間から幼虫の体が覗いています。

最後の仕上げをする幼虫の顔が見えます。

最後は隙間の左右を引き寄せて閉じるようです。

新たに来た方の繭はすでに左右の壁がだいぶ出来上がっていて、その間から身を乗り出して繭の材料を集めています。


材料の節約のためかかなり隙間の多い造りです。


樹皮から小さなかけらを齧りとっては繭の壁に付け加えていくという作業の繰り返しですが、かなり動きが素早くてここぞという瞬間がなかなか撮れません。

最初は1、2時間で仕事を終えそうな勢いだったのですが、たびたび長い休止が入るので思ったほどには捗らず、完成を見届けるのはあきらめました。

これは最初の繭、午後2時前の状態です。

元のシンジュの木には緑の葉も残り少なくなっていましたが、まだ数匹の幼虫が頑張っていました。
この季節に蛹化したものがいつごろ羽化するのか気になるところですが、ネット上では今年も各地でこの蛾の大発生が報告されていて、従来日本では越冬できないと言われていたのも怪しくなってきているようです。

(2024.11.19~20・明石公園)

2024年11月9日土曜日

キタキチョウの卵

* 2024.11.12 訂正 *

卵が載っている植物名について、ツクシハギとしたのは聞き間違いで、正しくはイタチハギだということです。観賞用に導入された外来種ですが、このあたりでも広く野生化しているそうです。

産み付けられたばかりのキタキチョウ Eurema mandarina の卵です。
河川敷で、いつもの虫仲間二人と見ている目の前に成虫が飛んできて産卵を始めました。産み付けた植物はツクシハギだそうです。すぐ手の届きそうな場所で何度も産卵を繰り返していましたが、動きが早くて産卵場面を撮るのはあきらめました。卵は高さ1.3~1.4mmくらいで表面には細かな網目模様が見えますが、産みたてのせいかなんとなく柔らかそうな印象です。




(2024.10.01・神戸市西区伊川)