雑草のように生えたクワの幼木の葉を裏返すと、白いコナジラミの成虫がたくさん群れていました。頭から翅端まで1mm前後の小さな虫です。種類は分かりませんが、幼虫や蛹は、例えばこんな姿をしています。
2024年10月13日日曜日
2024年9月25日水曜日
キリの葉のタバコカスミカメ
キリの幼木の大きな葉を裏返すと、このタバコカスミカメ Nesidiocoris tenuis がたくさんついていました。
このカメムシを初めて見たのは約5年前で、やはりキリの葉の裏でした。この公園には大きく成長したキリの木は少ないのですが、幼木はいたるところに生えてきます。その葉では必ずと言って良いほどヒメイトカメムシが群れているのですが、タバコカスミカメが見つかる場所は限られていて、この日見つけたのも5年前に初めて見た場所の近くでした。
今回は交尾中のペアも多く、またヒメイトカメムシの死骸を吸汁しているものもいました。タバコカスミカメはアザミウマやコナジラミなどの農業害虫を捕食するため生物農薬としての利用が進められているようです。キリの葉に集まっているのは、粘つく腺毛に捕まった微小昆虫が目当てなのかも知れません。関係があるのかどうかわかりませんが、農林省のサイトを見ると、このカメムシが好むゴマとクレオメを増殖に利用する方法が紹介されていて、調べてみるとどちらの植物にも葉に粘着性の腺毛が存在するようです。
2024年9月4日水曜日
キマダラカメムシの産卵と孵化幼虫
3年前にもほぼ同じものを出していますが、サクラの葉裏で産卵していたキマダラカメムシ Erthesina fullo です。1か月近く前に撮った写真です。
2024年8月21日水曜日
ヒラタグンバイウンカ
今日はいつもの公園で内輪の“観察会”。ビーティング用の小道具を用意していた虫仲間がススキの葉を叩くとこのヒラタグンバイウンカ Ossoides lineatus が落ちてきました。ずいぶん以前にもっと標高の高い場所で撮影したことはありますが、平地の公園で見るのは初めてです。もっといるかも知れないと皆で当のススキの株をかき分けてみれば、葉裏にとまっているのが何匹も見つかりました。この公園でもよく見られるミドリグンバイウンカに似ていて、その頭部を薄く長く引き伸ばしたような格好の美しい虫です。これまでこの公園で見たことが無かったのが不思議ですが、少し離れた場所のススキでは1匹も見つかりませんでした。同じ公園の中でも発生はごく局部的なのかも知れません。
2024年7月26日金曜日
グンバイカスミカメ 成・幼虫
ヒメグンバイに寄生されたアベマキの葉裏で、久しぶりにグンバイカスミカメ Stethoconus japonicus を見つけました。グンバイムシ類を専門とする捕食性のカメムシです。各種グンバイムシのコロニーの中によくいるのですが、小さい上に姿かたちが獲物によく似ていて、ルーペでも使ってじっくり探さないとなかなか目にとまりません。この日は同じ枝の数枚の葉の裏で成虫や大小の幼虫を数匹見つけましたが、残念ながら捕食の場面は見られませんでした。
2024年7月4日木曜日
ウズラカメムシ
普通種ですが当ブログでは初登場のウズラカメムシ Aelia fieberi です。イネ科の草の細い茎や穂にとまっていることが多いのですが、これはイタドリの葉の上に載っていました。ちょっと変わった風貌のカメムシです。
2024年6月29日土曜日
交尾中のイトカメムシ
アカメガシワの葉の上で交尾していたイトカメムシ Yemma exilis です。今年は全国的にカメムシの大量発生が話題になり、大概の日本人ならカメムシがどんなものかは知っていると思いますが、この虫を見てカメムシと分かる人は多くないでしょう。弟分のヒメイトカメムシはこのあたりではキリの葉以外でほとんど見たことがありませんが、こちらはそれほど好き嫌いが無いようで、様々な植物の上で見かけます。近づくと雌雄繋がったままゆっくりと歩きはじめ、浅い被写界深度に2匹を収めるのにちょっと苦労しました。
2024年6月15日土曜日
羽化直後のダルマカメムシ
エノキの幹を眺めていて、小さな白いものが動くのが見えたのでルーペで確認するとダルマカメムシ Isometopus japonicus でした。羽化直後と思われます。近くに脱皮殻か幼虫でも見つからないかと探すと、1匹だけ成虫がいました。口吻で樹皮を探りながら歩き回っていて、餌を探しているんでしょう。この種はカイガラムシ類を捕食すると言われていて、このような行動はよく見かけますが、実際に捕食している場面はまだ見たことがありません。
特に探していたわけでもありませんが、今年はこれが初めて見るダルマカメムシでした。幼虫を見るには時機を逸してしまいましたが、以前のブログには何度か出しています(2010,2011,2019)。
2024年6月9日日曜日
ツマキヘリカメムシ
イタドリに絡んだヤブガラシの蔓に、多数のツマキヘリカメムシ Hygia opaca が集まっていました。と、書きましたがツマキヘリカメムシは同属のオオツマキヘリカメムシH. lativentris と酷似していて、外見ではほとんど区別がつかないとされています。一番分かりやすい違いは♂の交尾器端の突起ですが、今回見つけた集団はほとんどの個体が交尾中で、肝心の部分が見えません。とうことでどちらの種かはっきりしないことになりますが、撮影した個体の中では体長が10mmを超えるものはいないようなので、とりあえず表題はツマキヘリカメムシとしました。
2024年5月25日土曜日
チュウゴクアミガサハゴロモの幼虫たち
ここ2年ほどの間にいつもの公園でも急速に数を増やしてきたアミガサハゴロモに似た外来種 Pochazia shantungensis は、チュウゴクアミガサハゴロモという和名が付けられたようです。今年はさらに増えそうな気配で、公園内いたるところ、さまざまな植物で白い綿毛のような蠟物質を纏った幼虫を見かけるようになりました。写真はクワの枝に群がっていた若齢幼虫です。
2024年5月19日日曜日
ヒメグンバイの産卵
ようやくヒメグンバイ Uhlerites debilis の産卵を撮影することができました。クヌギやコナラ、アベマキなどに極めて普通なグンバイムシで、春から夏にかけてはこちらのような、葉裏の主脈に並んだ産卵痕もいくらでも見つかるのですが、産卵の場面はこれまでどうしても撮影することができなかったのです。それがこの日は幸運にも、それぞれ別の木で2匹の産卵行動を見ることができました。
最初の♀です。頭上のアベマキの葉裏で、主脈の上に陣取っているグンバイが見えたので引き下ろして覗いてみると、ちょうど産卵管を差し込んでいました。