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2025年3月23日日曜日

羽化するカシトガリキジラミ

 カシトガリキジラミ Trioza remota は幼虫で越冬し、早春まだ寒いころに羽化してくるキジラミです。個体数が多く期間も短いのでわりあい羽化を観察しやすい虫ですが、なにしろ小さいので見つけたときにはすでにかなり羽化が進行していることがほとんどで、最初の段階から羽化の一部始終を見る機会がなかなかありません。そこで今回は、間もなく羽化の始まりそうな幼虫に狙いをつけてしばらく粘ってみることにしました。


羽化間近の終齢幼虫です。普段は葉の裏で自分で作った浅いくぼみにぴったり収まって脚も見えないのですが、それが窪みから這い出してきてじっとしています。間もなく背中の皮がぱっくり割れて、と期待しながら見ていましたが・・・。

ずいぶん待たされてしびれを切らし、カメラの角度を変えて覗いてみたら、その間に背中が割れていました。

以下、あまり説明は要らないと思います。







尾端を見ると、出てきたのは♂でした。

しばらくあたりを歩き回った後、静止して翅を伸ばしはじめました。





背中が割れてから約50分、ほぼ翅が伸び切りました。

これは別個体ですが、羽化後しばらく時間が経過してやや体色が出てきて、翅脈も黒くなっています。これも♂です。

これらの終齢幼虫も羽化間近のようです。左下のはずいぶん小さいですが、やはり終齢でしょうか。

このカシトガリキジラミについてはこれまでにたびたび投稿しているので、いくつか記事のリンクを貼っておきます。


(2025.03.13/21・明石公園)


2025年3月18日火曜日

ヤナギグンバイ(深度合成)

 前回の記事で紹介した、ケヤキ樹皮下で越冬していたヤナギグンバイを数匹持ち帰り、スタック撮影しました。同じグンバイムシでもこちらこちら、あるいはこちらに比べるといささか地味な印象は拭えません。そういえば上にあげた3種は全て最近の外来種なので、それらに対してこちらは日本的な美しさとでも言うべきでしょうか。
採集した数匹のうち、♂は1匹だけでした。

まず♀から。

♀の腹面。

♀の側面。

これが♂ですが、背面からでは♀とほぼ見分けがつきません。触角の長さや複眼の大きさにも差がないようです。

裏がえしてみてはじめて♂だとわかります。

以下、各部のアップはすべて♀です。





(2025.03.09・三木山森林公園にて採集)

2025年3月16日日曜日

ケヤキ樹皮下のヤナギグンバイ

 先日のエルモンドクガ?と同じケヤキの樹皮下からヤナギグンバイ Metasalis populi も出てきました。すぐそばの小川に沿って数本のヤナギが植えられているので、そこから移動してきたんでしょう。ヤナギの木のあるところでは普通種のようですが、これまであまりご縁がなくて、このように集団で越冬しているのを見たのも初めてです。調べてみると、以前のブログに一度だけ出していました。数匹採集してスタック撮影しましたが、それはまた次の記事で。






(2025.03.09・三木山森林公園)


2025年2月24日月曜日

ホソコバネナガカメムシ

 ヤツデの枯葉の中にいたホソコバネナガカメムシ Macropes obnubilus です。メダケやササ類に寄生するそうですが、その類の植物には日頃から注意を払っていないせいか、ほとんど見かけることがありません。以前にも撮った記憶はありますが、ブログでは初登場だと思います。体長は約4.9mmです。





最後にひっくり返してお腹を撮らせてもらいました。

(2025.02.14・学が丘北公園)



2025年2月10日月曜日

クロハナカメムシとツヤヒメハナカメムシ

 冬場のケヤキの樹皮下では常連のカメムシ、クロハナカメムシ Anthocoris japonicus とツヤヒメハナカメムシ Orius nagaii です。後者は以前ヒメハナカメムシ属の一種として出していたものと同じだと思いますが、日本産ヒメハナカメムシ類の分類と同定の検索表により、この種としました。判別点は、前胸の四隅に剛毛がないこと、前胸背・小楯板の毛が明らかなこと、頭部前葉は淡色、前胸背は毛が少なく,点刻も疎で光沢が強いこと、などです。両種とも捕食性で、後者では真冬の樹皮下でアブラムシを捕えているのを見たこともあります(こちら)。

体長(翅端まで)は右のクロハナカメムシが3.6mm、左のツヤヒメハナカメムシが2.2mmくらいです。





(2025.01.31・神戸市西区伊川)



2025年2月1日土曜日

タイワンツヤカスミカメ

 ケヤキの樹皮下から出てきた、タイワンツヤカスミカメ Deraeocoris apicatus です。このカスミカメは旧ブログで2011年にはじめて掲載していて、その時は斑紋に違いがあるもののカワヤナギツヤカスミカメ D. claspericapilatus かな、としていたのですが、その後、acleris さんの記事で10年ぶりに正体が判明しました。近年侵入してきた台湾原産の外来種だそうです。3年前の冬にも記事を出していますが、このあたりではすでに普通種で、この冬も樹皮下などで何度も見かけました。
寝床を追い出されてしばらくケヤキの幹を歩いていましたが、やがて立ち止まり前脚で触角の手入れを始めました。






(2025.01.17・明石公園)

2025年1月31日金曜日

チマダラヒメヨコバイ

 美しい外見にもかかわらず少々どぎつい和名をつけられたチマダラヒメヨコバイ Tautoneura mori です。ムクノキの樹皮のくぼみにいました。翅端まで2.5mmほどの小さなヨコバイです。普通種で、3年前の冬にもヤツデの枯葉の中で集団で越冬しているのを見つけました。暖かい季節にはクワの葉に集まっているのがよく見られて、こちらの記事には羽化の様子を出しています。



(2025.01.17・明石公園)




2025年1月9日木曜日

カモドキサシガメの幼虫

 昨年末にアケビコノハを見つけたヤツデの株でその数日後、まだ何か潜んでいないかと再び枯葉をひっくり返していると、こんなものが見つかりました。林の中の薄暗い場所なので最初何者か分かりませんでしたが、ルーペで覗いてみるとなかなかお目にかかれないカモドキサシガメの一種の幼虫です。幼虫の外見は図鑑にも載っていないので種名は分かりませんが、ほぼ1年前の冬にやはりヤツデの枯葉の中でヒメマダラカモドキサシガメ Empicoris minutus を撮っているので、この幼虫も同種の可能性が高いと思います。体長は約3.8mmです。









(2024.12.24・明石公園)