2024年6月29日土曜日

交尾中のイトカメムシ

 アカメガシワの葉の上で交尾していたイトカメムシ Yemma exilis です。今年は全国的にカメムシの大量発生が話題になり、大概の日本人ならカメムシがどんなものかは知っていると思いますが、この虫を見てカメムシと分かる人は多くないでしょう。弟分のヒメイトカメムシはこのあたりではキリの葉以外でほとんど見たことがありませんが、こちらはそれほど好き嫌いが無いようで、様々な植物の上で見かけます。近づくと雌雄繋がったままゆっくりと歩きはじめ、浅い被写界深度に2匹を収めるのにちょっと苦労しました。


ちょうど♀が、何かの虫の死骸を見つけたようです。

(2024.06.20・明石公園)


2024年6月28日金曜日

ヒメコブハムシの幼虫

 先日ヒメコブハムシの産卵を撮影したイタドリの群落を約3週間後に見に行くと、期待通り糞ケースを背負った幼虫がいました。最初、多くの食植性の幼虫のようにイタドリの葉っぱについているだろうと漠然と考えてしばらく無駄な努力を続けた後、ふと気が付いて産卵場所と同じ葉柄の付け根のあたりに目を向けるてようやく、細長い塔の形をした糞ケースが見つかりました。同じ枝の3カ所についていた10個足らずの糞ケースはどれもほぼ同じ大きさ(高さ2.3mm前後)で、同じ卵塊から生まれた兄弟かも知れません。撮影を始めると葉柄を茎をひょこひょこと歩きはじめるものもいました。



同じコブハムシ属の糞ケースでも、こちらこちらに比べるとかなり細身です。色が濃くて縦に畝が走っているケースの上部5分の3ほどが、もともと卵を蔽っていた部分だと思います。

意外に速く歩きます。


試しに1個、葉の上で倒してみると、中から幼虫が身を乗り出してきてすぐに起き直りました。

周りを探すと、まだ孵化していない卵塊も見つかりました。周囲の齧り跡は、母虫によるものと思われます。

(2024.06.20・明石公園)

2024年6月27日木曜日

イダテンチャタテの羽化

 芝生の広場の真ん中に立ったヤマモモの、ほぼ水平に伸びた太い枝の下面でイダテンチャタテ Idatenopsocus orientaris が羽化していました。このチャタテとはずいぶん長いお付き合いですが、羽化の様子を見せてくれるのはこれが初めてです。胸くらいの高さの枝なので撮影はかなり苦しい姿勢になり、おまけに雨の降りそうな空模様で枝の下面は非常に暗くピンボケを量産しましたが、一応翅が伸びきるまで撮影を続けました。最初のカットから最後まで所要時間は約25分です。




古い殻から出るとお腹が縮んでいきます。

撮影している影響か、何度も体の向きを変えていました。




翅の伸びた姿を見ると♂のようです。まだ体色が整いませんが、このあたりで切り上げました。

(2024.06.20・明石公園)






2024年6月26日水曜日

キイロハバチの産卵

 センニンソウの蔓に産卵しているハバチがいました。近づくとあっさり飛び去ってしまいましたが、あたりで30分ばかり時間を潰してから戻ってくると、また同じ場所で産卵しています。撮影のために蔓に触れても、今度は逃げずに産卵を続けてくれました。キイロハバチ Monophadnus nigritarsis のようです。よく似たルイスアカマルハバチという種があって、外見の違いは小さいようですが、いつも参考にしている兵庫県のハバチ(兵庫県立 人と自然の博物館)に載っているルイスアカマルの標本写真は跗節がほぼ真っ黒だし、食草はルイスがボタンヅル、キイロハバチがセンニンソウとされているので、多分これで合っていると思います。







(2024.06.13・明石公園)

2024年6月24日月曜日

コイチャコガネ

 イタドリの葉を見上げていると、コイチャコガネ Adoretus tenuimaculatus がいました。夜行性らしく、見かけるのはいつもこんなふうに葉の裏でじっとしている姿ばかりです。わりと臆病で、枝に触れたりすれば簡単に落ちてしまうことが多いのですが、このひとは少し鈍感なのか、枝を引き寄せても落っこちずに大人しく顔を撮らせてくれました。





(2024.06.13・明石公園)


2024年6月22日土曜日

交尾中のカノコガ

 カノコガ Amata fortunei がクズの葉の上で交尾していました。もともと珍しい種ではありませんが、今年は特に多いように感じます。

左のお腹の大きい方が♀でしょう。

手前が♂です。


2024.06.13・明石公園)

2024年6月21日金曜日

イノコヅチカメノコハムシの幼虫と成虫

 いつもの公園で虫仲間が、イノコヅチカメノコハムシ Cassida japana の幼虫がいる場所を教えてくれました。成虫は時々見ていましたが、幼虫は初めてです。二人で草むらにしゃがみ込んでその辺のイノコヅチの葉を裏返していくと何匹も見つかりましたが、葉の表に乗っているのもかなりいました。この幼虫は脱皮殻をお尻の先に順にくっつけていくので齢が分かりやすいのですが、写真を調べてみるとすべて2齢か3齢でした。体長は2齢で2.5mm前後、3齢で3.5mm前後です。

これは2齢。脱皮殻を二つ連ねていますが、一番先の黒いのは糞でしょうか。

その顔。

これも2齢です。


食事中だったようですが・・・。


邪魔をされて去っていきました。

3齢幼虫です。

別の3齢幼虫。

上と同じ個体。

また別の3齢幼虫の顔。

これも3齢です。

同じ個体を真上から。


葉裏で1匹だけ見つかった成虫。

顔は見せてくれませんでした。

(2024.06.11・明石公園)


2024年6月20日木曜日

ヒメテントウ類?の幼虫

 ケヤキの幹を歩いていた幼虫です。よく似たものは以前にも何度か見たことがあって、背中からワックスを生やした姿がコクロヒメテントウの幼虫に似ているので、旧ブログでは疑問符付きでヒメテントウ類幼虫として出していますが、参考資料が見つからず実のところよくわかりません。甲虫の幼虫には違いないと思います。撮影倍率の記録を忘れていたので大きさは不明ですが、体長3mmくらいだったと思います。





(2024.06.04・明石公園)

2024年6月19日水曜日

シベリアカタアリ、巣の拡張工事中

 このシベリアカタアリ Dolichoderus sibiricus も先日のヨツボシオオアリと同じく樹上性のアリで、枯木や枯れ枝などに巣を作ります。明石公園では普通種で北半部の林の中では特に繁栄していますが、この日はアラカシの枯れ枝に開いた巣口から多数のワーカーが忙しく出入りしているのを見つけました。巣の拡張工事をしているらしく、次々と巣口から出てきては大顎にくわえた木屑を前脚で払い落とすようにして捨て、すぐまた中に戻っていきます。大顎を開いて捨てる瞬間を撮りたくてしばらくの間ねばってみたのですが、アリの出入りは目まぐるしく、一度に2匹も3匹も飛び出してきたりもするのでピンボケの量産になりました。以前にはハリブトシリアゲアリの同じような場面を撮影したことがあります。
余談ですが、以前にこのアリのワーカーが巣の外で女王アリを運んでいる(?)ところを二度ばかり見ています(2019,2023)。何のための行動なのか、勉強不足で未だに見当がつきません。










(2024.06.07・明石公園)