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2026年6月6日土曜日

アベマキ葉裏の繭から羽化したゾウムシ

 昨日の記事の、アラカシの葉裏についていた繭を持ち帰ってから6日目、羽化が始まりました。
繭を作った虫の正体さえ分かればよいと思って容器に入れたまま放置していたのですが、この日の朝ふとルーペで覗いてみると、ちょうど繭の一端がきれいな円形の蓋状に噛み切られていて、隙間から中の虫が見えています。やがて蓋を押し開けて出てきたのは体長2mm半ほどのゾウムシでした。
このゾウムシ、以前にも見たことがあると思って調べると、同種と思われるものを6年前に出していました。その記事では種名を「マダラケシツブゾウムシ?」としていたのですが、これはマメダオシやアメリカネナシカズラに寄生して虫こぶを作る種です。今回同じものがアベマキについた繭から出てきたことで、別種であることがはっきりしました。
そこであらためて甲虫図鑑やネット情報にあたってみたのですが、うまく当てはまる種が見つかりません。体形や上翅の斑紋はアカタマゾウムシ Stereonychus thoracicus に似ていると思ったのですが、これはヤチダモに寄生する種で、体長も5~5.5mmと倍以上あって全くの別種です。ただこの種の属する Stereonychus はすべて脚の爪が1本ということですが、下の写真から分かるように今回繭から出てきたゾウムシも爪が1本です。多くの甲虫と同様ゾウムシでも通常爪は1対なので、それが1本ということは候補がかなり絞れそうな気がしますが、 Stereonychus 属以外の1本爪ゾウムシがどれくらいいるのかもよく分かりません。ただ外見も似ていることから、Stereonychus の可能性もあるのではないかと想像しています。







「一本爪」であることが見てとれます。

深度合成でも撮っておきました。



口吻が腹面に引き込まれ、触角もそれに隠れて見えませんが、うまく引き出すことが出来ませんでした。


(2026.05.30・自宅)



2026年2月9日月曜日

アカメガシワの葉

 虫撮りの成果も上がらないので、ちょっと季節が合いませんがたまには植物でも。
数年前の4月に撮影したアカメガシワ Mallotus japonicus の葉の星状毛です。




それぞれ少しづつピントをずらしながら撮影した数十枚の写真を、専用ソフトで重ね合わせた深度合成画像です。

間もなく春になればこんな若葉がいたるところで見られます。これまでしげしげとご覧なったことのない方は、ぜひ一度虫眼鏡、できれば10倍以上のものでじっくり眺めてみて下さい。


2026年2月1日日曜日

ヒゲブトホソアリモドキ

 先日のモモブトトビイロサシガメの記事の1枚目に、ピンボケで小さく写っていたアリモドキの一種です。
この日、木切れや石ころを裏返すと何度も出てきたのですが、肉眼ではアリにしか見えません。ルーペで見てやっと甲虫であることは分かったのですが、アリと同じようにひたすら歩き続けてほとんど立ち止まらず、カメラの視野に捉えるのも一苦労です。ほとんどピントを合わせることも出来ないので、スタック撮影用に2匹ばかり採集して帰りました。
保育社の甲虫図鑑で調べると、大きさや体形、斑紋がヒゲブトホソアリモドキ Anthicus monstrosicornis によく似ています。また“頭部後縁が中央で湾入する”という特徴も写真で確認できるのですが、“♂の触角第5~6節が強く内方にひろがる”というのは採集した2個体ともに認められません。ただ“砂浜で発見されるが少ない”ともあるので、同種の♀である可能性がありそうですが、決めるには図鑑よりもう少し解像度の良い画像を見たいところです。
ネット検索では各地の採集記録は出てくるのですが、生体も標本も写真がほとんどありません。ようやく探し出したのは iNaturalist に投稿されたこちらだけでした。中国大陸での記録ですが、かなり鮮明な画像で触角第5~6節の特徴がはっきり確認でき、同定に間違いはなさそうです。そしてその画像を今回撮影したものと比較すると、上記の触角第5~6節以外にはほとんど違いがないので、こちらの方は同じ Anthicus monstrosicornis の♀と考えて良いと思います。

これが現場で撮った一番ましな写真です。

以下、深度合成画像です。




次は同時に採集したやや小型の個体です。


触角は普通で、こちらも♀のようです。

(20256.01.21・明石市藤江)


2025年7月12日土曜日

ミツヒダアリモドキ(深度合成)

 ミツヒダアリモドキ Nitorus trigibber は以前のブログで2度出していますが、あらためて確認するとどちらも明石公園で撮ったものでした。これまでに数えるほどしか撮っていない種ですが、何しろ小さいので目に留まらないだけで、ビーティングでもすれば結構落ちてくるのかもしれません。サクラの葉裏で見つけたのですが、逃げ回って撮らせてくれないので今回は持ち帰ってスタック撮影してみました。相変わらず展脚がちゃんと出来ませんが、脚の数が減る前にあきらめました。
姿がアリに似ているからアリモドキですが、写真を見るとそれほど似ているようには見えません。アリとは違って立派な翅を持っているので、その分腹部が大きく見えるせいでしょうか。ただ、木の葉の裏についているのをシルエットで見ると確かにアリと見間違えそうです。






(2025.06.23・明石公園にて採集)


2025年3月30日日曜日

アカアシノミゾウムシとヤドリノミゾウムシ(深度合成)

 冬場のケヤキの樹皮めくりではアカアシノミゾウムシ Orchestes sanguinipes とヤドリノミゾウムシ O. hustacheiという、大変良く似た小さなゾウムシが一緒に見つかることがあります。実際、自分でも最初の頃はすべて同じ種だと思っていました。体色と大きさに違いで見分けられるようなのですが、保育社の甲虫図鑑を見ても、ネット上の記事を拾い読みしてみてもそれ以外の外見上の違いについては言及がありません。そこで先日、散歩がてらに心当たりのあるケヤキで両種を採集してきて、何か明確な違いが見つからないか、深度合成画像で見比べてみることにしました。
しかし例によってこのサイズの甲虫は扱いが難しく、折りたたまれた脚を拡げることがどうしてもできません。図鑑の画像などではどれもきれいに展脚されていて、しかるべき方法でやればできることなんでしょうが、私の技術では標本を傷つけずに展脚することはほぼ不可能なようです。あきらめてそのまま撮影しました。よく似た両種の違いを見つけてやろうと意気込んではじめた割には、重要な部分の多くが写真では見えないというまったく不満足な結果に終わってしまいましたが、とりあえず出来上がった画像を並べておきます。

まず、アカアシノミゾウムシ。体色変異の多い種ですが、これは触角と脚および上翅が赤褐色で他が黒色のタイプです。






次がヤドリノミゾウムシ。こちらの種は体色が安定しているようです。時間の都合で顔面の拡大は省略しましたが、本種の深度合成画像は以前の記事にも出しています。




以上の画像を見る限りでは、体色と大きさのほかにアカアシの方が若干細身のように見えますが、それ以外にははっきりした違いは確認できないようです。

(2025.03.20 神戸市西区伊川にて採集)

2024年2月27日火曜日

クサカゲロウ類の幼虫(+深度合成)

 アラカシの葉の裏でじっとしていたクサカゲロウ類の幼虫です。背中にカムフラージュのゴミを背負っていない裸の姿ですが、スズキクサカゲロウの幼虫のようにそれが常態なのかどうかは分かりません。体長は大あごをのぞいて約6mmです。




体側に並ぶ突起とそこに生えた多数の長い毛は、やはり本来はゴミを背負うタイプなのではないかと思わせます。背負う習性のないスズキクサカゲロウの幼虫ではこれらがあまり発達していません。


捕えて帰って深度合成撮影をしました。

冷凍殺虫のせいで体が前後に縮んでしまいました。

これは腹面。

頭部の背面。千葉大学の日本産クサカゲロウ図鑑に掲載されている多数の頭部画像の中から斑紋が似ているものを探してみましたが、よく一致するものは見つかりませんでした。おそらくこういう特徴には個体変異が多いのだろうと思います。

頭部腹面。

頭部背面やや前方から。

前の画像の一部拡大です。
アミメカゲロウ目の幼虫では、大顎と小顎が合体して管を作り、これを獲物に突き刺して体液を吸う吸うという仕組みになっているそうです。


体側の突起。

(2024.02.13・明石公園)



2023年12月19日火曜日

コオニアシブトコバチ

 昨日の記事のコオニアシブトコバチ Dirhinus bakeri の深度合成画像です。











(2023.12.09・明石公園にて採集)