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2026年9月11日金曜日

ミカドトックリバチ

 どこからか飛んできたトックリバチが目の前のエノキの葉にとまりました。見ればイモムシを捕えています。蛾の幼虫でしょう。
この場所ではムモントックリバチやその巣をときどき見かけますが、黄色い斑紋の位置からこれはミカドトックリバチ Eumenes micado だと思います。ハチは大顎で獲物の頭部のすぐ後ろをくわえていましたが、その腹部に針を刺すような動作もしていました。イモムシが暴れないよう、ダメ押しの麻酔だったのかもしれません。間もなく獲物とともに飛んで行ってしまいました。
風で葉が揺れてフラッシュの欲しい状況でしたが、咄嗟のことで準備が出来ず、撮った写真はどれも少々ブレてしまいました。




この数日前に、クサギの葉裏に作られたトックリバチの巣を見ています。

形を見ると同種の可能性もあると思います。まだ口が閉じられていないので、獲物を捕らえたハチが帰ってこないかと期待してしばらく見張っていましたが、駄目でした。

(2026.09.05/巣は09.01・明石公園)


2026年9月1日火曜日

キイロハバチの幼虫

 センニンソウの蔓に、薄緑色の体に白い粉を吹いたようなきれいなイモムシがたくさんついていました。体長2センチほどで、顔を見るとハバチの幼虫です。センニンソウを食べるハバチで検索するとすぐに分かりました。キイロハバチ Monophadnus nigritarsis です。幼虫はあまり見た記憶がありませんでしたが、調べてみると2年前の6月に産卵中の成虫を撮影していました。



(2026.08.29・明石公園)

2026年8月28日金曜日

コモンツチバチ

 花壇のオミナエシの花に見慣れないツチバチが来ていました。3、4匹くらいですが、せわしなく移動しながらせっせと蜜を吸っているハチと、そのハチのまわりを飛び回りながら何度もとびつこうとするのがいます。おそらく♀と交尾をしようとする♂だと思いますが、しばらく見ている間には交尾は成立しませんでした。斑紋の特徴からコモンツチバチ Scolia decorata のようです。ヒメコガネなどの幼虫に寄生するそうですが、そのヒメコガネや近縁種がこのあたりにいるのかどうかは勉強不足でわかません。





(2026.08.23・明石公園)


2026年8月21日金曜日

ハリブトシリアゲアリと謎の食痕?

 アラカシの枝先の柔らかい新葉に、ハリブトシリアゲアリが集まっています。

葉には何かの食痕のような穴が並んでいます。しかしアリが集まってるからには甘露を出すアブラムシでもいるんだろうと思いましたが、

穴があるだけで、アブラムシもカイガラムシも見当たりません。

こちらの葉でも同様です。

葉表から見た“食痕”ですが、よく見るとただの食痕ではなく何かの産卵痕、あるいは幼虫が葉肉に潜り込んだ跡のようにも見えます。もしかすると、それらの幼虫がアリの好む物質を分泌しているのではないかと、別に根拠もないのですが想像してしまいました。

(2026.08.12・明石公園)




2026年8月9日日曜日

モチノキタネオナガコバチの産卵・♀の羽化を待つ♂

 10年近く続けていたココログからこのブロガーに引っ越して、最初の記事が同じくモチノキタネオナガコバチの産卵でした。ところがそれ以来産卵風景を目にする機会がなく、これが7年ぶりの撮影です。前回の木のすぐそばにあるモチノキで、よく探すと産卵中の♀が何匹も、また♂の姿もちらほら見えましたが、なぜか前回の木では見つかりませんでした。
以前の記事にいただいたコメントによれば、モチノキタネオナガコバチは「5月下旬~6月と8月に年2回羽化し、種子の中で幼虫態で越冬する」ということです。これまでの観察でも5月上旬(2023年)や7月下旬(2015年2019年)に♀の羽化や交尾行動を、また産卵を6月中旬(2010年2014年)と8月上旬(2019年)に見ていますが、それぞれ越冬幼虫から羽化した第1世代と、その子供たちが羽化した第2世代ということでしょう。

お尻から後方に伸びているのは産卵管鞘で、産卵管そのものは果肉に刺さっています。


同じ個体ですが、一度産卵管を抜いてから再び突き刺そうとしています。穿孔位置を決める時はこのように産卵管と鞘が一体になっていますが、やがて穿孔がすすむにつれ鞘が離れて産卵管のみ果肉に入っていきます。

これは別個体。産卵管はほぼ目いっぱい果肉に挿入されています。同属でクロガネモチやナナメノキなどの果実に寄生するニッポンオナガコバチと外見が非常によく似ていますが、やや大型で、♀の産卵管がはるかに長いことで見分けられます。寄主の果実が大きい分、長い産卵管が必要なんでしょう。

これは♂で、間もなく羽化してきそうな♀を待っているようです。この♂は中くらいの大きさですが、ニッポンオナガコバチの♂と同様、この種のオスも大型になるほど暗色部が多くなる傾向があります。


♀は表皮の直下まで進んできていて、顔を出すタイミングを見計らっているところでしょう。

先が齧り取られたような果実に産卵していますが、幼虫は無事に育つんでしょうか。

(2026.07.30・明石公園)

2026年8月4日火曜日

カメムシ卵とタマゴクロバチ

 いつもの公園で樹の葉を見上げて歩いていると、葉裏に産み付けられたカメムシの卵塊を時々目にします。そしてさらに近づいてよく見るとその上に小さな寄生バチがとまっていることがあります。この夏にもそんな情景を何度か見たので下に並べてみました。
この手のカメムシ卵に寄生するハチとしてはこれまでにナガコバチコガネコバチも観察していますが、今回はすべてタマゴクロバチ(ハラビロクロバチ科)の仲間でした。どれも卵塊の上でじっとしていたり周囲を歩き回るだけで産卵する様子は見られません。おそらくこれらのハチは産卵に来た♀ではなく、すでに寄生された卵から出てくる♀を待ち受ける♂ではないかと思います。ただ、下の写真にあるように、孵化直前のカメムシ幼虫が入っている卵やハチに比べて小さすぎる卵に乗っていたり、また以前にはタマゴクロバチが乗っているカメムシ卵を持ち帰ったところその卵からナガコバチが羽化してきたということもありました。この人たちでも案外誤った行動をとることも多いのかも知れません。以前に見たタマゴクロバチの♀の羽化と交尾の様子はこちらに出しています。

ビワの葉の裏で。卵はキマダラカメムシのものでしょうか。21個のうち1個だけ、カメムシ幼虫が無事に孵化した形跡があります(卵殻の蓋を開ける際に使われる、鳥の嘴のような“破砕器”が見えます)が、周囲が帯状に黒ずんいるのはすでに内部で寄生バチが育っているようです。黄色いのは寄生を免れた卵なのかどうか、よく分かりません。

上と同じです。

この卵はクサギカメムシでしょうか。やはりすでに寄生されているように見えます。

この卵塊では、1個だけちょっと黒ずんでいるように見えますが、他の卵では孵化前のカメムシ幼虫の顔が透けて見えます。とすればこのハチは何を待っているんでしょうか。

上と同じ。

この手の卵の場合、正常にカメムシ幼虫が孵化する際には円い“蓋”を開けて出てきますが、寄生バチは卵殻を噛み破って出てきます。この卵塊ではすでに3匹の寄生バチが出てきたようで、残り卵殻の内部に黒く見えるのも羽化直前のハチでしょう。

こちらの卵はハチにたいして小さ過ぎるように見えますが・・・。

上に同じ。ハチは左の触角を失っています。

(2026.06.14~07.18・明石公園)


2026年7月23日木曜日

クロオオアリを捕えたアオオビハエトリ

 アベマキの幹で、アオオビハエトリがクロオオアリを捕えていました。好んでアリを獲物にするハエトリグモですが、実際の狩りの瞬間は未だ見たことがありません。アリの行列の周りを何匹もうろついていることがありますが、ハンターとしては非常に慎重というか臆病というか、たくさんの獲物を前にして攻撃に仕掛けるどころか時々行列から離れたアリが近づいてくると慌てて後退する始末です。相手も強力な捕食者なので、正面攻撃は避けて隙を見せるのを気長に待つ戦法でしょう。それがこんなに大きいアリをどうやって捕らえたのか想像がつきませんが、何枚か撮っているうちに通りかかった別のクロオオアリに驚いて獲物を落としてしまいました。




(2026.07.14・明石公園)

2026年7月21日火曜日

♀を待つ?シリアゲコバチの♂たち

 ここ数年、毎夏シリアゲコバチの産卵を確認しているアラカシに、この日は大小2匹の♂が来ていました。♀の羽化を待っているのではないかと思います。小さい方はじっと幹にとまっていましたが、大きい方は周囲を飛び回るばかりでほとんどとまらないのでアップを撮れたのは小さい方だけでした。♀が脱出してくる場面を見たいものですが、それがいつになるか予想もつきません。過去に一度だけ、羽化直後らしき♀の背中に♂が乗っているのを撮影したことがありますが(こちら)、20年以上前の話です。

どちらも♂ですが、ずいぶん大きさが違うものです。

小さい方の♂で、体長は約7.5mm。

同じ個体です。

これはおまけ。同じ木で今年の6月初めに産卵していた♀です。産卵管を抜いた後、後脚でしごいているところ。

(♂/2026.07.14、♀/06.04・明石公園)


2026年7月18日土曜日

アカマツの幹で産卵するコマユバチの一種

 この見た目はコマユバチで間違いないと思いますが、翅脈を確認できなかったのでひょっとしたらヒメバチかも知れません。アカマツの樹皮に産卵管を突き刺していました。黒い体にオレンジと白の混じった美しいハチです。樹皮の下に潜む寄主は何でしょうか。



(2026.07.12・三木山森林公園)


2026年6月16日火曜日

オオモンクロバチ科 Lagynodes kushinada(フシグロラギノバチ)

 イノコヅチの葉の上を歩いていく微小なアリに見えたのが、ルーペで確認すると Lagynodes 属の無翅の♀でした。この仲間のハチを見るのはまだフィルムカメラを使っていた1997年以来です。当時はどうやら無翅のハチらしいというくらいしか分からなかったのですが、以前のブログを始めて間もない頃にその写真を掲載したところ複数の方からオオモンクロバチ科 Lagynodes 属だと教えていただきました。約30年ぶりの再会ですが、前回のような斑紋が全くないので同属別種のようです。葉の上を逃げ回ってじっくり撮影できないので、深度合成撮影のために持ち帰ろうと容器を出しかけた途端に葉から落ちて見失ってしまいました。体長約1.4mmです。
前回の記事の時点では種名を推測できるような資料が見つかりませんでしたが、今回改めて調べてみると、昨年発表されたばかりの次の論文が出てきました。日本産 Lagynodes 属の再検討ということで、既に知られていた1種に加えて5種が新種として記載されています。
Taxonomic Notes on the Genus Lagynodes Förster, 1840 (Hymenoptera: Ceraphronoidea: Megaspilidae) from Japan, with Descriptions of Five New Species
Mamoru TERAYAMA, Hiromi FUKAGAWA, Satoshi KUBOTA
こちらからダウンロードできます。)
細かな点は省きますが、今回撮影した画像をこの論文の検索表や標本画像に照らして検討すると、形態や色彩、体長などの特徴が Lagynodes kushinada によく一致します。ただ、存在するはずの単眼が写真からは確認できないのですが、論文掲載の標本写真でもほぼ見えないので仕方がないでしょう。新種記載された5種のうちの一つで、ホロタイプは東京の公園の草むらで採集されたものだそうです。♂は知られていないようですが、この論文に記載された6種のうち本種を含めて5種の♂は未確認、残りの1種は♀が未確認とのこと。Lagynodes 属はほとんどが地下性と考えられているそうなので、研究も簡単には進まないのでしょう。次の機会があれば是非採集しておこうと思いますが、私のように目視だけに頼って虫探しをしていたのでは30年に一度というのがいいところかも知れません。
ここまで書いた後で、こんな記事を見つけました。新種5種を含め日本産 Lagynodes 属の6種すべてに和名がつけられているようで、L. kushinada はフシグロラギノバチとなっています。他にも学名の由来など、論文著者へのインタビューも交えて面白い話題が紹介されているので興味のある方は是非ご一読下さい。






(2026.06.11・明石公園)


2026年6月4日木曜日

クワナケクダアブラムシの幼虫たち

 これはアベマキの枝に群がっていたアブラムシですが、以前のブログにも出したクワナケクダアブラムシ Greenidea kuwanai の幼虫だと思います。この公園では同じ Greenidea 属のニホンケクダアブラムシ G. nipponica や和名無しの G. nigra を確認していますが、それらの種名や特徴はすべて研究者の杉本さんに教えていただきました。その杉本さんからいただいたコメントによれば、クワナケクダアブラムシを外見で近似種と区別する特徴は、まず脛節の色は基部が濃く、先端に向かって淡色になること、もう一つは幼虫角状管の間にある硬化板の形が「富士山型」(尾片側が裾野、頭部側が山頂)を呈していることで、今回の写真でもそれらの特徴は見てとれます。幼虫たちには甘露を求めてアミメアリが集まっていましたが、成虫は見られませんでした。






(2026.05.24・明石公園)


2026年5月29日金曜日

ハエヤドリクロバチ科 Spilomicrus sp.

 ハエヤドリクロバチの仲間は、以前はこの公園でも冬場の葉裏探しなどでよく見つかったものですが、他の多くの虫と同様最近はあまり見かけなくなってしまいました。これはイタドリの花外蜜腺に来ていたもので、以前のブログに出したもの(こちら)とほとんど違いが認められず、また撮影時期も同じ5月だったので同種か、少なくとも同属だろうと思います。その記事には専門家の kurobachi さんから“ハエヤドリクロバチ科 Spilomicrus 属と思われます”とのコメントをいただいています。体長は約3.5mmで、しつこく撮影を続けても逃げもせず、何度か体の向きを変えながら蜜を吸っていました。






(2026.05.24・明石公園)