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2026年10月27日火曜日

ヤドリバエに寄生されたシモフリスズメ幼虫

 生垣のトウネズミモチにいたシモフリスズメ Psilogramma incretum の幼虫です。

葉ではなく枝をせっせと齧っています。

枝を齧り落としたところで、後半身を隠していた葉を取り除きました。驚かせたので頭を縮めていますが、この姿勢で体長は約85mmあり、おそらく終齢でしょう。ただよく見ると、体側に一列に並んだ気孔の他に、白い小さな点が不規則に散らばっています。以前のブログに出した同種の幼虫と同じく、ヤドリバエの寄生を受けていました。

画面中央の大きな楕円形は気孔で、差し渡し1.7mmくらいの大きさです。そのすぐ下に白い袋を潰したようなものが見えますが、これはヤドリバエの卵の殻と思われます。

孵化したヤドリバエ幼虫はすでに寄主の体表から体内に潜り込み、後に空の卵殻が残されているのです。



2枚目の写真から推算すると、このシモフリスズメ幼虫には全身に50~60個の卵が産み付けられていたと思われます。最終的にそのうちどのくらいの数が生き残れるのか分かりませんが、寄主の方が成虫になれないことは確実でしょう。寄主体内で育ったヤドリバエの幼虫が、どの段階で羽化するのか、ネット情報を探していると、「ありんこ日記 AntRoom」というブログの「スズメガに寄生していたヤドリバエ」という記事にたどり着きました。寄主は同じシモフリスズメで幼虫で、ヤドリバエは寄主が蛹になった後、自らもその中で蛹化し、羽化したようです。ただしヤドリバエが同種なのかどうかは分かりません。
ところで、幼虫と違ってシモフリスズメの成虫は見る機会が少ないのですが、十年以上前に撮った交尾中の写真をこちらに出しています。

(2026.10.15・明石公園)

2026年9月24日木曜日

ナガマドキノコバエの一種・雌雄

 アカメガシワの葉の裏で交尾していたナガマドキノコバエです。「観察会」で一緒に散策していた虫仲間が見つけたものを撮らせてもらいました。ナガマドキノコバエはシイタケ栽培の重要害虫として知られていて、以前にこの公園でも繁殖しているのを見たことがあります。しかし個体数は多くないようで、それ以来15年間一度も目にしていませんでした。キノコバエとしては大きい方で、色もきれいなので翅を開いてとまっているとガガンボを小さくしたようにも見えます。以前の投稿では単にナガマドキノコバエとしていましたが、最近の研究で同種が複数種に分けられたらしいので、今回は ナガマドキノコバエの一種( Neoempheria sp.) としました。


右の、やや大きくて腹部が膨れている方が♀だと思います。体長約4.5mmです。



(2026.09.19・明石公園)

2026年8月23日日曜日

アズチグモに捕まったホリカワクシヒゲガガンボ

 よく目立つ色彩のホリカワクシヒゲガガンボが、サクラの枝からぶら下がっていました。


♀のアズチグモに捕えられています。

アズチグモはカニグモの仲間ですが、網も張らずによくこんなに大きな獲物を捕まえるものだと感心しました。

(20263.08.12・明石公園)


2026年8月16日日曜日

ニクバエ科の一種・交尾

 見るからにどこにでもいそうなごく普通のハエですが、交尾中だったので撮っておきました。胸部背面の黒い縦筋が3本なのは大抵ニクバエ科だそうで、翅脈を見ても矛盾はなさそうですが、その先は分かりません。




雌雄両方にピントを合わせたかったのですが、失敗しました。

(2026.08.08・明石公園)

2026年7月15日水曜日

クロスズメ+おまけ

 アカマツの幹にとまっていたスズメガです。同行の虫仲間が見つけたものを撮らせてもらったのですが、色も模様も見事に樹皮に同化していて、目の前で指差して教えられても何を見ているのか認識するまでしばらく視線がさまよいました。調べてみるとこれはクロスズメ Sphinx caliginea で、幼虫はやはりマツ科の植物を食べるそうです。翅の傷みが全くない新鮮な個体で、この日羽化したばかりだったのかも知れません。
帰宅後パソコンで画像を見て、蛾の腹部背面に2匹のヌカカがとまっていることに初めて気がつきました。体液を吸っているのでしょう。種名も分かりませんが腹部がきれいな緑色をしていて、その場で気づいていればぜひアップで撮りたかったのにと、注意力のなさが悔やまれます。


1枚目の切部分拡大です。すでにたっぷり吸ったのかはち切れそうなお腹をしています。きれいな緑色は蛾の体液でしょうか。

(2026.07.12・三木山森林公園)


2026年6月23日火曜日

ホリカワクシヒゲガガンボ ♂

 先月♀を出したばかりですが、今度は♂のホリカワクシヒゲガガンボ Ctenophora bifasipennis です。何の木だったか忘れましたが、幹の低い場所にとまっているのを虫仲間に教えてもらいました。羽化後時間が経っていないのか、先の♀に比べると体色が薄いようです。


上向きのお尻を伸ばすと体長20mmくらいだと思います。櫛状の触角と、太い腹端で♂だと分かります。




櫛の歯にはさらに細かい毛が多数生えています。

(2026.06.14・明石公園)


2026年5月30日土曜日

キアシキンシギアブ・♂

 2週間前のものですが、小川の辺のクワの葉にとまっていた♂のキアシキンシギアブ Chrysopilus ditissimis です。

3年前の記事とほとんど同じ構図ですが、今回はカメラとストロボの角度を少し変えて、翅が赤紫色に光るところを撮ってみました。

逃げないのでついでに横からも。

顔面も撮っておきました。
調べてみると Blogger に引っ越してから♂ばかり出していました。以前のブログに出した♀と比べると、顔面はずいぶん違います。

(2026.05.14・明石公園)


2026年5月24日日曜日

不明のハエ

 イヌビワの葉にとまっていた黒いハエですが、所属が分かりません。翅脈はだいたい見えるので科名くらいは絞れるかと思いましたが、手に負えませんでした。複眼が大きいので♂でしょうか。翅端まで約4.7mmです。




(2026.05.16・明石公園)

2026年5月22日金曜日

ホリカワクシヒゲガガンボ ♀

 落ち葉の積もった林の中で、鮮やかな黄と黒のホリカワクシヒゲガガンボ Ctenophora bifasipennis が2匹、足元を歩いていくのが目に入りました。気づかぬうちに交尾中のペアを驚かせたのかと思いましたが、見るとどちらも♀です。そのうち1匹が、地面近くに伸びていたアラカシのひこばえの葉によじ登ってとまりました。きれいな個体で、2匹とも飛ばなかったところを見るとこのあたりで羽化したばかりだったのかも知れません。幼虫は朽木で育つそうですが、以前に何度か、木の洞に樹液や水が溜まって泥状になったような場所に産卵するのを見たことがあります(こちらとこちら)。よく似た種にベッコウガガンボがいます。


この姿勢で頭端から腹端まで約22mm、お尻をまっすぐ伸ばせば25mmくらいでしょうか。

和名の「クシヒゲ」とは♂の触角のことで、♀の触角は短く単純です。

(2026.05.16)


2026年5月11日月曜日

ウスグロムシヒキのペア

 歩いている足元から何かが逃げ出してすぐ近くにとまったので見に行くと、2匹のムシヒキアブが重なっていました。同種のようなので最初は共食いか、と思いましたがよく見ると交尾中です。この公園ではほとんど見た覚えのない種でしたが、以前のブログを調べてみると同種と思われるものを“ウスグロムシヒキ?”(Eutolmus rufibarbis)として出していました。やはり今回と同様頭を同じ方向に向けて交尾中のペアで、この姿勢はこの種の特徴なのかも知れません。
しょっちゅう干上がる浅い池の近くの砂の多い草地でしたが、近くを探すと別のペアも見つかり、腹端を地面か枯葉につけて産卵しているように見える♀もいました。長い間見ていなかった種が一度にたくさん見つかるというのも不思議なものです。出現時期がよほど短いのかと思えば、以前に撮影したのは7月の中旬だったのでそうでもなさそうです。






これは近くにいた別のペアです。

(2026.04.25・明石公園)






2026年3月5日木曜日

シリボソハナレメイエバエ属の一種?(?Pygophora sp.)

 ひと月も前に撮ったハエです。サザンカの花の中にいて思うような角度から撮ることが出来ず、所属調べも難しそうなので放置していたものですが、しばらく更新も出来ていないので重い腰を上げて調べてみました。まず全体の印象は以前のブログに出したホソハナレメイエバエ属の一種(イエバエ科ハナレメイエバエ亜科)に似ています。その線で調べてみると、おなじみのそらさんのところと、やはりよく参考にさせていただいている“廊下のむし”さんのところで紹介されているシリボソハナレメイエバエ属にいくつかの特徴が一致することが分かりました。花弁や葯が邪魔をして写真では確認できない部分もありますが、見える部分だけから判断するとこの属である可能性が高いと思っています。
と、ここまで書き終わった後、投稿する前にもう一度検索してみると4年前の自分の記事が見つかりました。しかも今回よりかなり詳細な写真を撮っています。自分の迂闊さが嫌になりますが、4年ぶりなのでそのまま出しておきます。

いつものようにストロボ撮影ですが、花弁からの反射光のせいで本来の体色が出ていないかも知れません。

翅にピントの合ったのも1枚。

“廊下のむし”さんの記事にもある通り、眼の奇麗なハエです。

最後にもう少し撮りやすい場所まで出てきてもらおうと葉っぱの先でそっとつついてみると、やっぱりそのまま飛んで行ってしまいました。

(2026.02.02・明石公園)

2026年1月23日金曜日

クスノキミバエ(Bactrocera hyalina)

 これもアオギリの落ち葉です。一見してミスジミバエ Bactrocera scutellata、しかし何か違うような、と思えば、和名の由来でもある胸部背面の3本線のうち中央の一本がありません。それに両側の線もかなり短小です。さらに脚の色も薄く、翅の前縁に沿って暗色になるはずの領域もほとんど色がついていません。しかしそれらの違いを除くとやはりお馴染みのミスジミバエによく似ています。
それでは同属別種か、と考えてネット情報を漁っているとこちらの報文が見つかりました。おとなり韓国で従来から知られていた Bactrocera 属2種と、同属で新たに確認された1種についてのレヴューです。従来からの2種はお馴染みのミスジミバエとカボチャミバエ B. depressa ですが、3種目の B. hyalina の標本写真を見ると胸背の縦線が両側の1対しかないことや翅の前縁の色が薄いことなど、今回撮影したものによく一致することが分かりました。それ以外の識別点を英語の記述から翻訳ツールを頼りに抜き出して見ると、上額眼縁剛毛(frontal setae )が2対のみ(ミスジやカボチャは3対)、小楯板端剛毛は1対のみ(ミスジやカボチャは2対)、翅には狭くてかすかな前縁帯(costal band)が辛うじて確認できる、とあります。他に、脚は後腿節(hind femur)が褐色である他はほぼ全体が淡黄色、と説明されていますが、添付された標本画像を見るとこれはおそらく後脛節(hind tibia)の誤りでしょう。以上の特徴は下の画像からも確認できるので、これは Bactrocera hyalina (ミバエ科・ミバエ亜科)として間違いないのではないかと思います。ネット上には日本語の情報がほとんど出てこないのですが、学名で検索していると、双翅目談話会会誌 「はなあぶ」No.56 (2023年11 月発行)の目次に「靱公園(大阪市西区)で見つかったクスノキミバエBactrocera hyalina」というタイトルがありました。本を見ていないので内容は分かりませんが、大阪でも確認されているようです。またこれでようやく和名を知ることが出来ました。
いつ頃のデータかよく分かりませんが、こちらによると本種は九州や中部・北陸から報告されているようです。またこちらの台湾の報文を見ると、台湾・タイ・中国でも記録があり、ホストとしてクスノキ科とモクレン科が挙げられています。

見つけた時高倍率レンズをつけていて、交換も面倒だったので画面一杯になってしまいました。前縁帯(翅の前縁に沿った帯状の着色部分)はごくかすかです。体長は約6mm。

上の写真からの一部拡大。小楯板端剛毛は1対のみです。





上額眼縁剛毛は2対です。

以下は比較のために、2024年1月の記事に使用したミスジミバエの画像から拡大したものです。

小楯板端剛毛は2対あります。

上額眼縁剛毛は3対です。

(2026.01.12・舞子墓園)