2024年4月27日土曜日

ヤニサシガメ幼虫

 先日出したマツヘリカメムシと同じ場所に、ヤニサシガメ Velinus nodipes の幼虫もいました。

体長は約10mm。この日見つけたのはこの1匹だけでしたが、マツの長い葉が邪魔をしてレンズを近づけるのが難しく、アップが撮れません。

その2日後、すぐ近くの別の木でハエを捕えていた幼虫です。

先の個体に比べると腹部がだいぶ膨れていますが、体長や翅芽の長さが同じくらいなのでおそらく同じ齢でしょう。

食事に夢中になっているせいか、強引に葉をかき分けても逃げずに撮らせてくれました。

(2024.04.12,14・明石公園)


2024年4月26日金曜日

トホシクビボソハムシ

 いつもの虫撮り仲間に場所を教えてもらってトホシクビボソハムシ Lema decempunctata を撮影に行ってきました。現場は住宅地の道端で、ガードレールにそって生えたクコの幼木です。ざっと探すと何組かのペアも含めて10匹程度はいたようですが、写真のひと組以外は撮る前にさっさと逃げてしまいました。以前に海岸の石の下で越冬しているのを見つけたことはありますが(2010年2016年)、活動中のものを見たのはおそらく今回が初めてだと思います。

下の♀で体長約6mm。

撮影出来たたった一組のペアですが、この直後に落下してしまいました。

すでに卵もあちこちに産み付けられていて、こんなふうに乱雑に散らかった卵塊もあれば、

規則正しく整列したものもありました。1個の長さは0.4mmくらいです。

(2024.04.14・明石公園)

2024年4月25日木曜日

アカメガシワの新葉に乗るクロヒラタヨコバイ幼虫

 アカメガシワの新葉の上のクロヒラタヨコバイ Penthimia nitida 幼虫です。珍しくもない最普通種ですが、赤い星状毛の密生した葉の上がお花畑のように見えませんか?




(2024.04.14・明石公園)


2024年4月24日水曜日

ツヤヒメハナカメムシ

 昨日の記事のスイバトビハムシを追いかけていた際に、同じギシギシの葉の上で小さなハナカメムシを見つけました。こちらとよく似ていて、同じヒメハナカメムシ属 Orius だと思います。ただし前回とは体色が違うので別種でしょう。特に頭部の先端が黄色ですが、同属でよく似た4種のうちこの特徴が当てはまるのはツヤヒメハナカメムシ Orius nagaii だけのようです。他の特徴にも矛盾は無いので、おそらくこの種で間違いないでしょう。花を訪れていたらしく、全身花粉まみれでした。体長は約2.3mmです。





(2024.04.12・明石公園)

2024年4月22日月曜日

スイバトビハムシ

 ギシギシの葉で交尾していたスイバトビハムシ Mantura clavareaui のペアです。同じくギシギシの葉につくコガタルリハムシやギシギシクチブトサルゾウムシとともにこの日はたくさん見かけたのですが、よく晴れてかなり気温が上がっていたせいか逃げ足が速く、どうにか撮れたのはこのペアだけでした。今が活動の最盛期のように見えますが、以前対岸の淡路島の海岸で、真冬にもかかわらず元気に動き回っているのを見たことがあります。体長3mm足らずの小さなハムシです。




(2024.04.12・神戸市西区伊川)


2024年4月21日日曜日

キタテハの求愛行動

 河川敷の小道で、足元から飛び立った2匹のチョウがすぐ近くの枯草の茎にとまったのを見ると2匹のキタテハでした。♂が♀に求愛しているようです。同じ情景は以前のブログにも出していますが、♀が翅を立てたままにしているのは交尾拒否の意思表示だそうで。その後の展開は、不用意に近づきすぎて今度は向こう岸まで飛んで行ってしまったので見られずじまいでした。




(2024.04.12・神戸市西区伊川)

2024年4月20日土曜日

マツカレハの中齢幼虫

 マツの葉を食べていたマツカレハ Dendrolimus spectabilis の幼虫です。体色は以前に出した若齢幼虫と同じですが、体長は2倍近い約26mmで、中齢でしょう。きれいな毛虫ですが、黒い毛は毒針毛だそうなので、触ってみる気にはなりません。拡大してみると様々な色や形の毛が入り混じっていることが分かります。それぞれに役目があるんでしょうか。







(2024.04.12・明石公園)


2024年4月18日木曜日

マツヘリカメムシ成虫

 昨年夏にマツヘリカメムシ Leptoglossus occidentalis の成・幼虫を撮影した場所を見に行くと、1本となりのマツに成虫が1匹来ていました。越冬明けの個体でしょう。しきりに球果を吸っていましたが、邪魔な葉をかき分けて口吻を伸ばした顔を撮ろうとすると食事を中止して立ち去ってしまいました。



(2024.04.14・明石公園)

2024年4月16日火曜日

シマトビケラ科の一種

 河川敷を歩いていると、多数のトビケラが飛び交っていました。ときどきあたりの雑草や灌木の枝、さらにはこちらの体にまでとまるのですが、ほとんどがカメラを向ける間もなくすぐにまた飛び立ってしまい、どうにか撮影できたのが下の2匹だけでした。
翅の斑紋などの特徴はコガタシマトビケラ Cheumatopsyche brevilineata によく似ていますが、この仲間は成虫での同定は難しいようなので、シマトビケラ科 Hydropsychidae の一種としておきます。

アキニレの枝にとまった個体です。翅端まで約9.5mm。手前の枝が邪魔をしてこれ以上近づけませんでした。

この人はギシギシの葉の裏でじっとしていました。大きさは1匹目とほぼ同じ。

小さなマルトビムシと睨めっこ?。


トビケラ目は毛翅目。系統的にはチョウ・ガの鱗翅目と近縁だそうです。

おもむろに動き出したと思うと、葉面を舐めるような動作をはじめました。

大あごは退化しているので、葉面のわずかな栄養分でも吸収しているんでしょうか。

(2024.04.12・神戸市西区伊川)


2024年4月14日日曜日

交尾中のムシクソハムシ

 タイトルはムシクソハムシ Chlamisus spilotus としましたが、この公園には同属の酷似種であるツツジコブハムシ C. laticollis もいるので、そちらの方かもしれません。ヤエムグラの茎で交尾していたのですが、近くにアベマキがあるのでムシクソの可能性が高いと考えただけで、腹面の特徴を確認しないと確かなことは分かりません。
この虫の交尾は昨年の春に初めて見たのですが、今回もその時と同じ虫仲間が見つけたのを撮らせてもらいました。前回は余計な♂が1匹まとわりついて三つどもえの状態でしたが、今回は人間以外に邪魔は入りませんでした。




(2024.04.10・明石公園)


2024年4月13日土曜日

芝生の上で群飛していたウスチャコガネ

 いつもの公園を虫仲間3人で歩いていると、大きなユリノキの周りを囲む環状の芝生の上を、多数の黒っぽい虫が飛び回っているのが見えました。膝より下くらいの高さを、形がよく見分けられないくらいの速さで飛んでいて、ざっと数十匹はいたようです。この時期なのでハバチの仲間が頭に浮かびましたが、地面に降りたのを見ればウスチャコガネ Phyllopertha diversa でした。飛び回りながらときどき10匹前後の個体が地上に降りて絡まりあった団子状になりますが、どうやら1匹の♀に群がる♂たちのようです。その騒ぎの最中に、♀らしき個体が地面に潜っていくのも見えて、おそらく地中に産卵するためだろうと思われますが、写真に収めるには動きが速すぎました。
初めて見る光景でしたが、調べてみるとウスチャコガネは芝草の重要害虫で、春にはこのような群飛がよく見られるということです。その生態についてはこんな資料も見つかりました。やはり群飛の際に交尾した♀は地中に産卵するそうです。

地面で群れる♂たち。この中に♀がいるんでしょう。


写真ではあまり状況が分かりませんが・・・。

地中に潜り込む♀(?)

一休みする♂。

どの♂も触角を目いっぱい拡げていました。



(2024.04.10・明石公園)

2024年4月11日木曜日

トラフシジミ

 虫仲間数人といつもの公園を散策していて見つけたトラフシジミ Rapala arata です。見覚えはあるのですが名前は思い出せず、虫仲間に教えてもらいました。長年こんなブログをやっていてもチョウやトンボには普段からどうもあまり関心がわかず、目の前にいれば一応は撮るという程度で、どこにでもいるような普通種でも図鑑を見なければ名前も分からないというのもいつものことです。この場所で見ることは少ないということなので、皆さんと同じように撮らせてもらいました。一応過去の記事を調べてみると、14年前のちょうどこの時期に、当時の仕事場の近くで撮ったものを出していました。


(2024.04.10・明石公園)


2024年4月6日土曜日

ヤナギハムシ

 虫撮り仲間が、河川敷のヤナギにヤナギハムシ Chrysomela vigintipunctata が来ているというので現場に案内してもらいました。手元の図鑑などでは普通種とされてますが、このあたりの平地ではこれまで見たことのない種です。ハムシが来ているヤナギはまだ幹の細い若い木とすぐ近くのさらに小さな幼木で、新葉が開き始めた枝のところどころに、多くは雌雄のペアでとまっていました。多くの同類のように枝に触れただけでポロリと落ちるということがないのはいいのですが、枝は細くて揺れるし足場も悪いしで、あまり満足なカットは撮れませんでした。



以上3組のペアですが、上翅の黒紋にそれぞれ微妙な違いがあります。

(2024.04.02・神戸市西区伊川)