2020年7月30日木曜日

アシダカグモ

切り株の穴から覗く毛むくじゃらの長い脚。

こわごわ覗き込むと、

やっぱりこの人、アシダカグモ Heteropoda venatoria でした。

撮影倍率から割り出すと体長約27mm。♀のようです。

折角の機会なので脚先のアップでも撮っておこうと、穴の中のクモから見えないようにしながら2、3枚シャッターを切ったところで引っ込んでしまいました。

(2020.07.20・明石公園)


2020年7月29日水曜日

コカブトムシ

いつもの公園で、たまにひょっこり出会うコカブトムシ Eophileurus chinensis chinensis です。体長約20mmの♂で、アベマキの木の根方を歩いていました。






(2020.07.18・明石公園)

2020年7月27日月曜日

テングイラガの幼虫

サクラの葉裏にくっついていたテングイラガ Microleon longipalpis の幼虫です。ただし、現在この名で呼ばれているものには数種が含まれていて、まだ整理されていないそうです。

体長は約7mm。成長すると9mmか10mmになるそうなので、終齢ではないかも知れません。

背面左右の稜線にそって規則正しく刺毛が並んでいます。


顔を覗き込んでみましたが、どこに眼があるのやら、よく分かりません。

刺毛の先端は鋭く尖っていて、これなら軽く触れただけでも突き刺さりそうです。非常に痛いそうですが、幸いまだその経験はありません。

(2020.07.18・明石公園)





2020年7月26日日曜日

ナガコバチ科 Anastatus sp. とキマダラカメムシの卵

この公園でも今話題のクビアカツヤカミキリの被害が出ているんでしょうか、1本のサクラの幹に樹脂製のネットが巻き付けられていて、そのネットにカメムシの卵がくっついていました。そしてその上にはお馴染みのナガコバチが。

卵は、その色や大きさからキマダラカメムシのもので間違いないでしょう。そしてその上にとまっているハチはナガコバチ科 Anastatus 属の一種の♀のようです。

体長は約3mm。昆虫の卵で育つ寄生バチで、産卵のために来たものでしょう。以前、もっと小さなカメムシ卵からこの Anastatus の♂ばかりが羽化してくるのを見たことがありますが、このキマダラカメムシの卵なら♀が育つのに充分な大きさがありそうです。

産卵シーンを期待してしばらく見ていましたがそのような動きは見せず、やがてネットの裏に回ってしまいました。

しばし待ってから弛んだネットをそっと持ち上げて覗き込んでみましたが、やはり何かを待っているようにじっと静止したままです。仕方なく一旦その場を離れ、1時間ほど後に戻ってみるとハチは姿を消していました。すでに産卵を終えていたのか、何らかの理由で産卵できなかったのか、どちらかなのでしょう。

(2020.07.18・明石公園)




2020年7月21日火曜日

イヌビワに集まるイヌビワオナガコバチ

たくさんの実(果嚢)をつけたイヌビワがあったので近づいてよく目を凝らすと、多くの実に1匹から2~3匹のイヌビワオナガコバチ Goniogaster inubiae がとまっていました。

ほんとに小さなハチで、久しぶりに見ると老眼が更に進んだ気にさせられます。

後方にまっすぐ伸びているのは産卵管鞘で、その中ほどから実に向かっている細い糸のようなものが産卵管です。

産卵管がほぼ付け根まで挿入されました。

全身金属光沢を纏った美しい昆虫です。

こちらは別個体で、産卵管を引き抜いたところ。再び鞘に収めるために後脚でしごいています。

手前の葉がレンズにかぶってしまいました。

同じような姿勢ですが、こちらはこれから産卵というところ。

所定の位置に産卵管の先端が刺さると、こちらのように後ずさりしながら挿入していきます。

大顎が二股のフォークのような形です。

(2020.07.18・明石公園)

このハチと、その宿主とされるイヌビワコバチについては以前のブログで何度か取り上げています。主なものは下のとおり。



2020年7月20日月曜日

ゴニウムの一種(Gonium sp.)

水田で採集したゴニウム Gonium の一種です。ユードリナやパンドナと同じくボルボックスの仲間の緑藻類ですが、それらと異なり群体を構成する細胞がすべて同じ平面上に並んでいます。和名はヒラタヒゲマワリ。図鑑やネット上で見られる画像では細胞数16のものがほとんどですが、8、あるいは32個の群体もあるそうです。

これはあまり動かずにいてくれた16細胞の群体です。外側を向いた眼点や、中心付近にあるピレノイドがよく見えます。以下、倍率はすべて同じです。

上と同じで、少しピントをずらせて撮影。鞭毛や収縮胞が確認できますが、内側の細胞には鞭毛が無いように見えます。

こちらはやや小型で、激しく動きまわっていました。

外周の細胞列に隙間が、と思って数えてみると細胞が15個しかありません。大量に行き交うミドリムシの間で交通事故にでも会ったのでしょうか。

やはり、内側の細胞には鞭毛が見えません。

動画は、3~5枚目の群体を撮ったものです。


(2020.6.26・神戸市西区の水田にて採集)


2020年7月19日日曜日

ニホンヒメグモ雌雄

クワの葉の間に巣網をかけていたニホンヒメグモの♀。上の方には小柄な♂が待機しています。

網にかかっている獲物は今が最盛期の羽アリですが、種類はよく分かりません。

♀です。

顔を撮りたいのですが網が邪魔でアングルが選べません。

♂も向こうを向いてしまいました。巣網の上のクモを撮るのは難しいですね。

(2020.07.18・明石公園)




2020年7月18日土曜日

パンドリナの一種(Pandorina sp.)

先日水田で採ってきた緑色の水の中にはパンドリナ Pandorina の一種も数多く見られました。カタマリヒゲマワリとかクワノミモという和名も付いていますが、ボルボックス(オオヒゲマワリ)やユードリナ(タマヒゲマワリ)と同じオオヒゲマワリ目の一員で8、または16個の細胞が楕円形の群体を作っています。細胞数や群体の大きさはユードリナに近いのですが各細胞が互いに離れず密着しているという違いがあります。
今回の写真や動画に登場する群体の大きさや形が様々なのは成長段階の違いによるものだと思いますが、複数の種が混在しているのかどうかは分かりません。

群体を構成する各細胞は、球形に近くて互いの接触面の小さいものからきっちり詰め込まれて完全に密着したように見えるものまで連続的な段階があるようです。やはり成長段階の違いによるものでしょうか。

元気な群体はくるくる回転しながら動きまわっています。

二つの赤い眼点のせいで何かの顔のように見えますが、この眼点は群体中の一部の細胞にしかないようです。

収縮胞やピレノイドが見えます。

細胞間の隙間の多い群体画面で一番上の細胞はすでに分裂しているように見えます。

鞭毛は各細胞から2本づつ。

カバーガラスでやや押さえつけた状態です。

動画です。
ミドリムシが周りを泳ぎ回って煩いですが・・・。


(2020.06.26・神戸市西区の水田にて採集)






2020年7月16日木曜日

赤いミドリムシ(Euglena ?sanguinea)

昨日の記事の続きですが、大量に泳ぎ回っている緑色のミドリムシの中に、それよりやや大きくて赤っぽい色をした種がちらほら見られました。
手元の図鑑やネット情報を探すと赤色のミドリムシとしてユーグレナ・サンギネアEuglena sanguinea という種が紹介されていて、今回見たものもこの種だろうと思いますが、赤色の種は他にも数種存在するようなので断定は出来ません。この赤い色はこれらの種が細胞内に持っているヘマトクロームという色素の顆粒に由来するものだそうです。


活発に泳ぎ回るので高倍率での撮影は出来ませんでした。


(2020.06.26・神戸市西区の水田にて採集)


2020年7月15日水曜日

水田のミドリムシ(Euglena sp.)

田植えの終わった近所の田んぼで、水面に張った緑色の膜のようなものを掬ってきて顕微鏡で眺めてみると、予想通り夥しい数のミドリムシが泳いでいました。

ミドリムシが自由に動き回れるように水の層を厚めにとっているのですが、そうすると明るく照明された視野に向かって周りからどんどん集まってくるので、重なり合って見苦しい画面になってしまいます。

明視野の方がすっきり見えるようです。

次の動画では大多数の、全体が緑色のタイプの他にやや小型で後半部が赤いものや、さらに小型で動きの非常に速いもの、それにユードリナやパンドリナも顔を出します。


次は薄めにマウントして少し動きの落ち着いたところを撮ったものです。



動画では鞭毛の動きがよく見えます。

こんなに忙しく鞭毛を打ち振るのは何のためなんでしょうか。

(2020.06.26・神戸市西区の水田にて採集)






2020年7月14日火曜日

ギンシャチホコ幼虫と寄生バチの繭

コナラの葉裏にガの幼虫がぶら下がっていました。

その足元には繭らしきものが。

どうやらコマユバチか何かに寄生されていたのが、すでに御用済みになってぶら下がっていたようです。

体長7mmくらいの、ギンシャチホコの若齢幼虫です。この場所では昨年の6月にも孵化したばかりの1齢幼虫を見ています。まだ生きていて一見外傷も無いように見えますが、これ以上の成長は多分望めないんでしょうね。

ハチの幼虫は繭を紡いでいる最中だったようですが、色が薄くて形がよく分かりません。

(2020.07.02・舞子墓園)