2022年11月29日火曜日

ゴミグモ♂幼体

 トベラの葉の裏にぶら下がっていたゴミグモ Cyclosa octotuberculata の♂です。以前のブログに出したこちらこちらに比べると小さく(体長約4mm)、腹端の突起もあまり発達していないので幼体でしょう。前にも書いたことですが、このクモの♂が網を張っているのを見たことがありません。一生張らないんでしょうか。





(2022.11.08・明石公園)

ヒゲナガホソクチゾウムシ(含・深度合成)

 イヌビワの葉裏にいたヒゲナガホソクチゾウムシ Pseudopiezotrachelus placidus です。2年前にも出していますが、季節もついていた植物も今回と同じなのはこの種の性質なのか偶然なのか、見る機会が少ないので分かりません。保育社の昆虫図鑑にはフジの蕾に多いとあります。2度目なので持ち帰ってスタック撮影しました。




以下、深度合成画像です。

折りたたまれた脚を整えようと悪戦苦闘するうちゴミが一杯付着してしまって、それがなかなか取れません。





(2022.11.08・明石公園)

2022年11月24日木曜日

明石公園で写真展示

 本日から明石公園パークギャラリー(正面入り口入ってすぐ、サービスセンター1階)にて写真を展示しています。写真仲間との二人展ですが、私は虫の顔写真をA3で20枚ほど並べました。期間は11月30日まで、9:00から16:30まで開いていますが最終日は16:00に閉めます。

上は展示作の一つのオオスズメバチ♂。プリントデータをそのまま縮小したものですが、この1枚のみ深度合成・3D画像で、他は全て通常の生態写真です。多くはすでに当ブログに掲載した写真で、また作者は居たり居なかったりですが、お近くの方は是非覗いてみて下さい。

2022年11月23日水曜日

コガタコガネグモの雌雄

 アラカシのひこばえの枝の間、地上50センチばかりの高さに張られた網の上で、コガタコガネグモ Argiope minuta の雌雄が向かい合っていました。このクモの♂は初めて見た気がしますが、普段見過ごしているだけかも知れません。やがて交接に至るのであれば見届けたい気もしますが、長期戦は必至と思われるのであきらめて引き揚げました。





(2022.11.22・明石公園)

2022年11月21日月曜日

キクキンウワバ

 例年この時期にマサキの枝に産卵に集まるミノウスバを探していて見つけた蛾です。実は見つけたのは一緒に歩いていた虫撮り仲間で、ついでに何とかウワバの仲間だろうと教えて貰ったのでキクキンウワバ Thysanoplusia intermixta という種名もすぐに判明しました。前翅の黄色い部分が光の加減で和名通り金色に輝きます。
因みに探していたミノウスバは何カ所かで見つかりましたが、今年は例年に比べて出現が遅く、数も少ないようです。

前翅長19mmくらい。すでに晩秋ですが、鱗粉の状態を見ると羽化後まだ日が浅いように見えます。

正面から見ると、密生した鱗粉が楯のよう。

前翅の拡大ですが、金色の輝きが写真ではなかなかうまく出ません。

もう少し拡大。

(2022.11.16・明石公園)

2022年11月18日金曜日

産卵中のクヌギカメムシ

 ここ2、3年クヌギカメムシ Urostylis westwoodi の産卵を見ていないとぼやいていたら、虫撮り仲間が産卵現場まで案内してくれました。

アベマキの幹の地上1メートルくらいのところで産卵していました。近くの木でも数匹産卵しているようでしたが、高い場所なので確認できず。

卵が排出されるところを見たいのですが、よく見えません。

産みつけられた卵は年を越して2月頃に孵化するはずなので、また見に来ようと思います。以前に撮影した孵化の様子はこちらこちら、1・2齢幼虫の脱皮の様子はこちらこちらに出しています。

(2022.11.16・明石公園)

2022年11月17日木曜日

ヒメコバチ科の一種(?Chrysocharis sp.)

 体長1.2mmほどの、背面が青緑色に輝くきれいなハチです。ヒメコバチ科 Eulophidae で、こちらこちらと同じ Chrysocharis 属ではないかと思いますが、このように胸部側面が黄色いものは初めてなので、別属なのかも知れません。アカメガシワの葉裏でじっとしていましたが、採集してスタック撮影もしておきました。





以下深度合成。








(2022.11.08・明石公園)

2022年11月16日水曜日

ササキリ♀

 アラカシの葉に乗っていた♀のササキリです。さすがに気温が下がってきたせいか、逃げずに撮らせてくれました。♀は10年前にも一度出していますが、その時のものは茶色っぽい体色で、今回は普通の緑色系です。

長い触角です。

体長約18mm、翅端まで25mm。

正面から撮ろうとすると葉の裏にまわってしまいました。

(2022.11.16・明石公園)

2022年11月14日月曜日

アシブトコバチ科の一種(Epitranus sp.)

 これもアラカシの葉裏にとまっていた、アシブトコバチの一種です。見つけた時後脚を拡げてお尻をぶら下げた独特の姿勢だったので一瞬ゴミかと思いましたが、葉を裏返して撮り始めると普通のハチの形になりました。
以前のブログの2014年10月11日の記事で Epitranus albipennis(ハネジロアシブトコバチ)としたものと同じだろうと思いますが、やはりこの種ではないかとした2012年11月 9日の記事の個体とは、深度合成画像を比べると微妙な違いがあるように見えます。分からなくなってきたのであらためて検索してみると、ベトナムのアシブトコバチ科に関する論文が見つかりました(こちら)。その中に Epitranus albipennis も取り上げられていて、検索表は手に負えないのでとりあえず標本画像で分かる部分だけ比べてみると、先の二つの記事や今回撮影した個体より腹柄がかなり短く、どうも別種のように見えます。実は2014年の記事で E. albipennis だろうと教えて下さったezo-aphidさんのコメントにも「腹柄の長さは、Gaster(腹柄を除く腹部)の長さの1/2ほど」とあったのが画像と合わない気がしていたのですが、測り方の違いくらいに考えていたのでした。いずれにしても以前の記事と今回の種も含めてすべて Epitranus 属であることは確かだと思うので、タイトルは Epitranus sp.としておきます。
ところで、九大のMOKUROKUには Epitranus 属の国内産3種が挙げられています。そのうち E. albipennis(ハネジロ)とE.erythrogaster が先のベトナム産の論文にも登場し、標本画像も掲載されていて、残りの E.shirakii は農業環境技術研究所 標本館所蔵タイプ標本でホロタイプの画像が見られます。以上3種の中で今回撮影した深度合成画像と見比べて腹柄の長さなど一番近そうなのはベトナムの E.erythrogaster ですが、はっきり異なる部分もあって、結局3種のどれとも一致しません。おそらく多数の未記載種が存在するのではないかと思います。

まずは生時の写真。




以下、深度合成画像です。









(2022.11.04・明石公園にて採集)

2022年11月11日金曜日

タマバチの一種

 アラカシの葉裏にいたタマバチの一種です。タマバチ科 Cynipidae だと思いますが、違うかも知れません。カラフルな色をしたものも多いコバチ類と違って、タマバチの仲間は黒一色かせいぜい少し赤っぽいくらいのものがほとんどで体形も変化に乏しく、どうにも掴みどころがありません。これも持ち帰ってスタック撮影しました。




以下深度合成です。



時間がなくて一方向から倍率を変えて撮っただけに終わりました。

(2022.11.04・明石公園)