2023年2月26日日曜日

ヨツモンヒメテントウ

 ヨツモンヒメテントウ Nephus yotsumon は、ほんの10年も前には冬場の樹皮下で珍しくない虫の一つだと思っていましたが、ここ数年は全く目にしていませんでした。この日、川沿いのケヤキの樹皮を捲って見つけたのが久しぶりの1匹です。
ところでこのテントウムシ、未だに活動中の姿を見たことがありません。ネット上の画像もほとんどが越冬中のもので、他の季節はどこでどうしているのか、幼虫はどんな姿をしているのか、知らないことばかりです。





(2023.02.25・神戸市西区伊川)

2023年2月25日土曜日

ヒロオビジョウカイモドキ?若齢幼虫

 これはジョウカイモドキ科の一種の幼虫です。同種と思われる幼虫は以前のブログにも二度、どちらも5月に撮影したものを出していますが(こちらこちら)、今回はそれらよりやや小さく(体長約2.7mm)、若齢のようです。ケヤキの樹皮下にいました。
保育社の甲虫図鑑(Ⅰ)には同科のヒメジョウカイモドキとツマキアオジョウカイモドキの幼虫が図示されていますが、この公園で見かけるのはヒロオビジョウカイモドキ Intybia histrio 一種のみなので、写真の幼虫もこの種だろうと考えています。






(2023.02.22・明石公園)

2023年2月24日金曜日

ネコハグモ♂

 ケヤキの樹皮の裏にネコハグモ Dictyna felis が隠れていました。葉の上にテント状の網を張る小さなクモですが、この公園ではそう多くありません。触肢が膨らんでいるので♂でしょう。越冬しているのは初めて見ましたが、以前のブログに卵嚢を守る♀交接の場面を出しています。

体長は2.5mmほどで、♀よりひと回り小型です。

毛並みの美しいクモです。

顔を撮ろうとしたのですが、大きな触肢に隠れて見えません。

そのうち歩きはじめました。

(2023.02.22・明石公園)

2023年2月23日木曜日

Entedon nomizonis(ヒメコバチ科)♀・深度合成

 以前のブログに何度か登場しているヒメコバチ、Entedon nomizonis Kamijo, 1988 の♀です。冬場に木の葉の裏で越冬するコバチ類も、ほんの10年も前に比べても激減しているのですが、なぜかこの冬、このヒメコバチだけは度々お目にかかりました。ただし冬に見つかるのは♀ばかりで、♂は越冬しないのではないかと思っています。過去に一度だけ撮影したのは6月でした。
深度合成画像は以前にも一度出していますが、美しいハチなので再度撮影を試みました。前回とはカメラやレンズに照明、合成ソフトも変わっているので、多少ましな仕上がりになっていると思います。


採集時には気づかなかったのですが、片方の前翅が破れていました。









(2023.01.08・明石公園にて採集)

2023年2月22日水曜日

ハマベキクイゾウムシ

 先日掲載したカメムシ類と同じ場所です。浜辺に転がっていた、腐朽の進んだ材木を裏返して探すと見つかりました。体長3mmほどの小さなゾウムシで、以前のブログにも一度掲載したハマベキクイゾウムシ Dryotribus mimeticus だと思います。海岸部に多いのでこの和名がついたようですが、内陸部で見つかることも珍しくないらしく、前回の個体も明石公園で撮影したものでした。今回は和名通りの環境で、同じ材木に3匹ばかりついていました。写真1~3枚目と3~5枚目は別個体です。





裏返してお腹を見せてもらいました。

(2023.02.17・明石市 望海浜)

2023年2月19日日曜日

モモブトトビイロサシガメ幼虫

 海岸で見つけたカメムシの続きは、モモブトトビイロサシガメ Oncocephalus femoratus の幼虫です。以前、対岸の淡路島の浜辺の石の下でたくさんの成虫・幼虫が越冬しているのを見ていますが、この日はこの幼虫1匹だけでした。活動中の姿はまだ見たことがありません。






(2023.02.17・明石市 望海浜)

2023年2月18日土曜日

オオモンシロナガカメムシ

 昨日の記事に続いて、同じ海岸で見つけたカメムシです。やはり砂の上に落ちていた板切れの下から出てきました。オオモンシロナガカメムシ Metochus abbreviatus です。




これは別個体。同じ木切れの裏に3匹くっついていたのですが、3匹目は撮る前に姿を消していました。

(2023.02.17・明石市 望海浜)

2023年2月17日金曜日

ヒメマダラナガカメムシ越冬中

 いつもの公園でせっせと木の葉を捲って歩いても目新しい虫も見つからないので場所を変え、近くの海岸で砂浜に散らばった石ころや木切れを運試しのつもりで裏返してまわりました。
これは板切れの裏にくっついていたヒメマダラナガカメムシです。主にヒルガオ類につくそうで、いつもの公園で見かけることはまずありませんが、浜辺や河川敷には多いようです。以前にも対岸の淡路島の海岸で、石の下で越冬しているのを見つけたことがありました。きれいなカメムシですが色彩変異の大きい種で、たとえばこちらと比べると、知らなければ同じ種とは思えません。




(2023.02.17・明石市 望海浜)

2023年2月13日月曜日

サヤツナギ (Dinobryon ?sertularia)

 サヤツナギ(Dinobryon)は好きな微生物の一つですが、プレパラートに封入すると短時間で動きを止めて間もなく死んでしまうということが多く、扱いにくい生き物でもあります。今回はサンプル中に大量の群体が含まれていたので、何度か試しているうちに比較的活きのよい状態のものを撮影することが出来ました。ロリカ(殻)の形から以前のブログに出したものと同じ、D. sertularia という種だと思います。「淡水微生物図鑑」によればディノブリオンな中でもっとも遭遇する頻度が高い種だそうですが、以前には同じ場所でロリカにくびれのあるD. divergens (ヒダサヤツナギ)と思われる種も採集しています。



眼点や、長短2本の鞭毛が見てとれます。


動画です。



(2023.01.13・明石公園 剛の池にて採集)

2023年2月12日日曜日

クヌギカメムシの孵化

 3月並みに気温が上がるという予報が出ていたので、昨年秋にクヌギカメムシの産卵を見たアベマキを見に行きました。

幹の周囲を探すと10個以上の卵塊が見つかりましたが、そのうちのいくつかではすでに幼虫が孵化してきていて、卵殻を蔽うゼリーに口吻を差し込んでいました。

この緑色のゼリーは孵化幼虫の最初の食べ物で、やがて吸いつくされると透明の卵殻が現れるはずです。

孵化が始まったばかりの卵塊も見つかりました。

樹皮の割れ目の中なので、なかなか良い角度から撮れません。

以前のブログにもう少しましな写真を出しています。

まだ孵化の始まっていない卵塊もたくさんありました。

(2023.02.11・明石公園)

2023年2月11日土曜日

ツヤアオカメムシ

 雨上がり、アキニレの幹でめくれた樹皮の下からのぞいていたツヤアオカメムシ Glaucias subpunctatus です。



(2023.02.11・明石公園)