2025年7月27日日曜日

エノキ伐採木から出てきたヤマトタマムシ

 先月、多数のオナガバチが集まっていたエノキの伐採木です。いくつかに切り分けられた幹の中に、今シーズンのものと思われるヤマトタマムシの脱出口がいくつも開いているものがありました。ひょっとして、と思って探すとちょうど1匹顔を出しています。すでに胸部の半ばまで見えているので大慌てでカメラを構えましたが、体を捩るようにしてもがくばかりでそれ以上出てきません。穴が十分に拡がらないうちに焦って無理に通り抜けようとしたのか、体が引っかかって動けなくなったようです。
慌てることもなかったと、少し落ち着いて改めて周りを見ると、他にまだ2匹、穴から顔を覗かせていました。1匹目と同じ側の幹の外周面と、手前に向いた切断面で、どちらも穴の周囲をせっせと大顎で齧って拡げている最中です。かなり時間がかかりましたが、やがてどちらも無事脱出を果たしました。
それを見届けた後、上の1匹が出てきたのと同じ切断面にチェーンソーの切り残しが薄い板状にかぶさっていたのを折り取ってみると、その下にも大きな穴が開いていて、奥の方に4匹目の顔が見えました。ようやく脱出口をあけて外界が見えたと思えばすぐその前に板が立ち塞がっていて、出るに出られなかったようです。すでに穴の出口は十分すぎるほど拡げられていたので、最初は驚いて奥に引っ込んでいたのが、しばらくすると一気に出てきました。
引っかかって出られなくなっていた1匹目はというと、頭をそっと押してやっても穴の奥に戻ることも出来ない様子です。このまま死んでしまうのも可哀そうなので、ポケットナイフで穴の周りを少し削って拡げてやったのですが、それでもすぐには出きません。結局2匹目3匹目の撮影に夢中になっている間に、気がつくと出てしまった後でした。
1匹目を見つけてから4匹すべての脱出が完了するまで2時間半ほどでした。立ち枯れていたこのエノキが伐採されたのは昨年のことですが、ヤマトタマムシの幼虫期間は2年から3年ということなので、このまま放置されていれば来年も羽化が見られるかもしれません。

これが最初に見つけた1匹。こすでに長時間この状態だったのかも知れません。

何とかしてくれと言っているように見えます。

これは2匹目。

奥の方にピンボケで見えているのが動けなくなった1匹目です。

出てきました。

長い間待った挙句、脱出はあっという間です。

お尻の先に排泄物がぶら下がっています。外界に出るまで我慢していたのかな。体長は約41mm。しばらくあたりを歩き回った後、翅を拡げて飛んでいきました。

幹の切断面から出てきた3匹目。後ろに見える隙間の奥に、4匹目の穴がありました。




無事に出てきて一休み。体長約39mm。

これが、障害物の下から現れた4匹目。驚かせたので奥の方へ引っ込んでいます。前が塞がれているのを何とか回避しようとした跡か、穴の周りがかなり広く齧られていました。

しばらく様子を見ていましたが。

すでに通路は充分拡げられていたので、いきなり出てきました。

体長約40mm。確認できた3匹はどれもほとんど同じ大きさでした。

(2025.07.04・明石公園)


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