2025年7月22日火曜日

ナシグンバイの卵を吸うホソヒョウタンカスミカメ

 いつものように木の葉を見上げて歩いていると、ヒョタンカスミカメの仲間らしき影が見えました。サクラの葉の裏で、近づいてみるとナシグンバイの卵を吸っているようです。低倍率で2~3枚撮っておいてから、逃げられるのを覚悟で葉をつまむと案の定離れていきましたが、あまり遠くにも行かず、手を離してしばらく見ているとまた戻ってきます。捨てて行くには惜しい食料なのでしょう。同じことを二、三度繰り返すと慣れてしまったのか、最後には逃げずにゆっくり撮影させてくれました。見つけた時にはすぐそばにナシグンバイも1匹いて、これらの卵の母虫ではないかと思うのですが、撮影しているうちに姿が消えていました。
ナシグンバイの卵は葉肉に埋め込むように産み付けられていて、表面に出た部分が噴火口のように見えています。それを覆うタールのように黒っぽい物質はおそらく母虫の排泄物でしょう。そして中央の円く凹んだ部分が孵化の際に幼虫が押し開ける蓋になっています。カメムシはその蓋の部分を避けて噴火口の麓のあたりに口吻を突き刺していました。
ヒョウタンカスミカメ類は多くが捕食性で、農業害虫の有力な天敵として期待もされているようです。このあたりでも何種見ていますが、今回の個体は4年前にも出したホソヒョウタンカスミカメ Pilophorus erraticus でした。体長は約4mmです。






(2025.07.04・明石公園)

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