大きな葉をつけたキリの幼木を見に行くと、予想通りヒメイトカメムシ Metacanthus pulchellus がたくさん集まっていました。成虫・幼虫ともにほとんどは裏側にいるのですが、少数は葉の上にも出ていて、粘着性の毛に捕えられて死んだり動けなくなったりした小昆虫に口吻を刺しているものが高い割合で見られます。モチツツジカスミカメと似た習性で、粘毛の上を不自由なく歩き回れるのは不思議ですが、大変臆病でカメラを近づけると立ち去ってしまうことが多く、たくさん見かけるわりに満足には撮れませんでした。
2021年11月4日木曜日
キリの葉の上のヒメイトカメムシ
2021年11月3日水曜日
ハラビロクロバチ科の一種
木の葉の裏で見つけた小さなハチですが、足早に走り回ってどうにも撮影できないので捕えて帰りSTACK撮影しました。ハラビロクロバチ科(Platygastridae)の一種だと思いますが、属は分かりません。以前に撮影した Trimorus sp. と同様第1腹節の背面に瘤のような突起があります。♀のようで、体長は1.6mmくらいです。
2021年11月2日火曜日
ハネオレバエ科の一種(Psila sp.)
数年ぶりに見たトラ柄のハネオレバエです。クスノキの葉裏にいました。
過去に撮影したのはいずれも11月で、他のサイトで見られる画像もほぼその頃に撮られているので、出現時期は晩秋に限られているようです。以前のブログに掲載した時点では Psila 属の未記載種だったらしいのですが、その後名前が付いたのかどうかは聞いていません。過去の経験では刺激に鈍感なハエという印象があったのですが、今回も葉を裏返しても逃げずに撮影させてくれました。体長約4.8mmです。
2021年11月1日月曜日
ウスモンミドリカスミカメ
花の終わったチチコグサの花序にいたウスモンミドリカスミカメ Taylorilygus apicalis です。
2021年10月30日土曜日
クワの葉で産卵していたクモガタテントウとラブルベニア
背丈くらいに伸びたクワの幼木の葉をめくってみると、クモガタテントウ Psyllobora vigintimaculata が産卵中でした。
ナナミノキのニッポンオナガコバチ
毎年いつもの公園のクロガネモチで観察しているニッポンオナガコバチ Macrodasyceras japonicum ですが、今回初めて同じ公園内のナナミノキの実に♂が集まっているのを見つけました。実はまだ黄色いのですが、すでにハチが出たらしい穴の開いているものもあって、この♂たちは一足先に羽化して♀の誕生を待っているようです。
このハチの宿主植物としては北隆館の大図鑑にもナナミノキとウメモドキが挙げられていて、この公園内にも数本のナナミノキがあるのですが、どれも低い位置の枝がほとんどなく、これまでよく見る機会がありませんでした。今回も頭より高い位置の枝を引っ張り下ろして撮影しています。
ナナミノキでのニッポンオナガコバチについてはそよかぜさんが詳しく観察されています。その中で、クロガネモチの実から羽化してきた個体よりもナナミノキから出てきたものの方が明らかに大型で、また♂の背面の色が明るいということに注意されています。確かにこの日見た♂は大きな個体が多く、また撮影できた2個体はどちらも胸部背面が明るい色をしているようです。
これまでに見てきた限りではこのハチの♀がクロガネモチの実から羽化してくるのは11月中旬から12月上旬くらいで、そよかぜさんの観察も考え合わせるとナナミノキではそれより半月から1か月ばかり早いようです。どちらの場合でも羽化した♀はそのまま冬を越した後に産卵するものと考えられますが、9月はじめにクロガネモチに産卵に集まる♀個体は明らかに小型で、また時期も離れすぎているので、越冬する♀とは世代が違うものと思っています。それでは越冬♀はいつどこで産卵するのでしょうか。他の宿主として知られているウメモドキやソヨゴとも考えられますが、ハンマーさんが11月上旬にウメモドキで、またBABAさんは11月中旬にソヨゴで♀の羽化を観察されていて(いずれも兵庫県内)、時期はクロガネモチやナナミノキと大差ありません。つまりそれらの実に産卵したのはやはり越冬明けの♀ではなく、その次の世代でしょう。越冬♀はおそらく春から初夏にかけて未知の宿主植物に産卵し、次世代は夏頃に羽化してくるのではないかと想像しています。
ニッポンオナガコバチに関する過去の主な投稿はこちらの記事の末尾にリンクをまとめています。