2022年3月6日日曜日

ヒスチオバランチウム(Histiobalantium sp.)

 卵型で扁平な繊毛虫で、いつもの「淡水微生物図鑑」で調べるとヒスチオバランチウム Histiobalantium で良さそうです。シャーレに入れた状態で実体顕微鏡で見ていると、長い間静止していた後に急に泳ぎ始めるという動作を繰り返していました。

背中側を向けています。ウズオビムシを食べているようです。

細胞を取り巻く繊毛には長短2種。

反転して腹側を向けました。

長い繊毛に覆われた細胞口が見えます。

ウズオビムシが通りかかりましたが無反応。満腹状態なのかもしれません。

動画です。


(2022.02.01・明石公園の水溜まりにて採集)

2022年3月5日土曜日

アナムネカクホソカタムシ

 引き続き伐採木の樹皮下で見つけた虫。体長2mm足らずの小さな甲虫で、あやうく見落とすところでした。科の見当もつかないので、保育社の甲虫図鑑の頁を順に捲っていってカクホソカタムシ科のアナムネカクホソカタムシ Thyroderus porcatus にたどり着きました。カクホソカタムシ科 Cerylonidae は日本に8属15種に数種の未記載種、とあります。現在ではもっと増えているのかも知れませんが、こんな科の存在も知りませんでした。




触角の球桿に長い毛が生えています。

前胸背板に深い窪みが2対あるのが和名の由来でしょう。

裏返しました。前胸背板の裏側には触角を収める広い空間があります。

形が面白いので持ち帰ってスタック撮影。冷凍庫に放り込むと脚も触角も縮こまってしまい、小さなゴミもたくさん付いていますが、展足もゴミ取りも手に負えそうにないのでそのままです。






(2022.02.24・学が丘北公園)

2022年3月4日金曜日

ツチトビムシ科の一種

 前回の記事のハネカクシと同じ伐採木の樹皮下にたくさんいたツチトビムシ科 Isotomidae の一種です。体長は最大で1mmくらいですが、それで成虫なのかどうか分かりません。以下、撮影倍率はすべて同じです。







(2022.02.24・学が丘北公園)

2022年3月3日木曜日

ハネカクシ科 Lispinus 属の一種

 腐朽した伐採木の樹皮下にいたハネカクシですが、以前のブログに Lispinus sp.として掲載したものと同じ種だと思います。その記事のコメントにも書いたように、保育社の甲虫図鑑ではチビホソハネカクシ L.impressicollis の説明におおむね一致するものの、2.5-3mmとある体長を撮影した個体ではかなり上回り、決められませんでした。今回の個体も体長は約3.5mmで、やはりチビホソとするには大き過ぎます。






(2022.02.24・学が丘北公園)

2022年3月2日水曜日

カラヌスの一種

 カイアシ類のカラヌス目(Calanoida)の一種です。先日のコリケウスと同様、動きの止まった時を見計らってピントをずらしながら連写モードし、深度合成しました。


腹側を上に向けています。



(2022.02.15・西舞子海岸にて採集)

2022年3月1日火曜日

ナガコバチ科 Mesocomys sp. つづき(深度合成)

 昨日の記事の Mesocomys sp.を採集して帰り、深度合成しました。
いつものようにしばらく冷凍庫に放り込んだのですが、ご覧のように頭部から腹端にかけて体が背方に反り返ってしまいました。これはナガコバチ科特有の現象のようで、他の小型のハチ類では見たことがありません。外骨格や筋肉の構造に違いがあるんでしょう。元に戻す方法も知らないので、そのまま撮影しました。











(2022.01.22・明石公園にて採集)

2022年2月28日月曜日

ナガコバチ科 Mesocomys sp.

久しぶりに見つけた美しいナガコバチです。 以前のブログに出したこちらに似ていて、同種かも知れません。BABAさんのところにもよく似たものが掲載されていて、研究者の方からの「Mesocomys 属で恐らくM. albitarsis」というコメントが紹介されています。同じく卵寄生でよく似たAnastatus 属とは「中胸盾板(mesoscutum)の溝がAnastatusがV字型をしているのに対して、MesocomysはU字型をしていることから見分けられます」ということです。下の画像でもその特徴が確認できるので、Mesocomys 属として間違いないでしょう。

トウネズミモチの葉裏にいました。


美しいハチなので採集してスタック撮影しましたが、長くなるので次の記事で。

(2022.01.22・明石公園)