2023年1月22日日曜日

Neanastaus albitarsis(ナガコバチ科)

 お気に入りの美しいナガコバチ、Neanastaus albitarsis です。お馴染みの種ではありますがいつもお目にかかるのは越冬中の個体ばかりで、暖かい季節の活動中の姿はまだ一度しか見ていません(こちら)。今回もヤツデの葉裏で見つけたのですが、その場で撮影した後、採集してスタック画像も撮りました。国内で記録されている Neanastaus 属はこの albitarsis ただ1種とされていましたが、未記載種も存在するようで、近所の公園でも一度撮影しています(こちら)。











(2023.01.04・垂水区松が丘公園)

2023年1月19日木曜日

ハイイロリンガ

 ネズミモチの枝を見上げて歩いているとこの ハイイロリンガ Gabala argentata が見つかりました。普通種だと思いますが、撮影するのは十数年ぶりです。成虫で越冬するようで、前回見たのも11月でした。葉をつまんでも逃げないので、今回はあちこちアップも撮っておきました。



顔の前に突き出しているのは下唇髭ですが、この蛾はこんなふうに左右ずらせているのが普通のようです。




(2023.01.11・舞子墓園)


2023年1月18日水曜日

オビケイソウの一種(深度合成)

 これは以前の記事でヌサガタケイソウの一種?として出したものと同じ種だと思いますが、あらためて調べてみるとヌサガタケイソウ(Tabellaria 属)ではなくオビケイソウ(Fragilaria 属)の仲間のようです。一見平べったく見えますが、細胞の中央付近が結構膨らんでいて、1枚撮りではたとえ表面だけでも全体にピントを合わせることができません。カバーガラスで押さえるとすぐに被殻が破れて内容物が流れ出してしまいます。で、今回は深度合成をしてみました。1枚目と3枚目は偏斜照明、2枚目は微分干渉です。前回の一枚撮りに比べると比較内部の様子がよく分かると思いますが、反面全体にざらついたような荒れた感じになって、あまりすっきりした画像とは言えません。深度合成は難しいですね。




(2023.01.13・明石公園剛の池にて採集)

2023年1月15日日曜日

幹を上るオオワラジカイガラムシ?幼虫

 何か面白い虫でもおらんかとモッコクの幹をじぃっと眺めていると、下の方から小さな虫が上ってくるのに気づきました。ワラジカイガラムシの仲間のようです。よく探すと同じ幹や、近くの別のモッコクで何匹も見つかりました。体長は1.7mm前後で、中には右往左往する奴もいますがおおむね上へ上へとひたすら上っていきます。いずれどこかに落ち着いて吸汁を始めるんだろうと思いましたが、手の届く高さに枝が出ていないので行先は見届けられませんでした。
庭木・樹木類に寄生するカイガラムシの種類と生態」(河合省三)のオオワラジカイガラムシ Drosicha corpulenta の項を見ると、「樹皮の割目、落葉の下等で綿塊状の卵のうを形成して産卵」し、「卵は12月上~下旬にふ化」とあります。かなり多種の樹木に寄生するそうなので、この幼虫たちも同種かも知れません。一応木の根元の辺りで発生源を探してみましたが、つきとめられませんでした。
ここまで書いた後で以前の記事を探してみると、ちょうど10年前にも同じものを撮っていました。目新しいものにはなかなか出会えません。




(2023.01.11・舞子墓園)

2023年1月13日金曜日

アミメクサカゲロウ

 この冬初めてのアミメクサカゲロウ Apochrysa matsumurae です。例年この季節、常緑樹の葉の裏で越冬している姿がごく普通に見られたものですが、ここしばらく目にしていませんでした。最近、以前は普通種だと思っていた虫に、気がつけばなかなかお目にかかれなくなっているということが多くなりました。

カクレミノの葉裏にいました。傍らの白いものはクモの卵嚢でしょう。



(2023.01.08・明石公園)

2023年1月12日木曜日

葉裏で羽化したケチャタテの一種

 ネズミモチの葉の裏でケチャタテの一種が羽化していました。以前のブログにも12月1月にこの仲間が羽化する様子を出していますが、チャタテに限らずこういう小さな虫は寒い冬の間も平気で活動しているものが多い気がします。

見つけた時にはすでに脱皮殻から離れて翅が伸び始めていました。


1枚目から約5分後。

さらに15分後。翅が伸びきるにはまだまだ時間がかかりそうなのでここで切り上げました。

(2023.01.05・明石公園)

2023年1月11日水曜日

キノコバエ科の一種(Mycetophila SP.)

 ツバキの幹にとまっていたキノコバエの一種です。この仲間は以前のココログにいろいろ出しているのでその中から探してみると、こちらの深度合成画像が出てきました。翅脈や翅の斑紋、脚や胸部・腹部の色もよく一致するので、おそらく同種でしょう。当時MNDの翅脈図を参照して Mycetophila か Epicypta 属あたりと見当をつけていましたが、今回あらためて海外サイトの標本画像などと比較してみると、当時のezo-aphidさんのお見立て通り Mycetophila の方が正解のようです。

体長約3.7mm。体のわりに立派な脚、特に巨大な基節が目立ちます。


翅の中央やや前よりと後端近くに黒紋が見えますが、海外サイトの画像を見ると Mycetophila 属の多くに同様の斑紋があるようです。



(2023.01.05・明石公園)