2019年12月14日土曜日

ディレプタス属の一種(Dileptus SP.)

細長くて大型の繊毛虫で、ディレプタス属 Dileptus の一種だと思います。


この鼻のような部分(proboscis)にはトキシシストという、ゾウリムシのトリコシストにあたる小器官が多数存在し、獲物の繊毛虫に遭遇した際に放出されてその毒性で相手を麻痺させるのだそうです(こちらに詳しく説明されています→“繊毛虫間戦争”)。
繊毛虫ではありませんが、以前このディレプタスがハネウデワムシを呑み込むのを見たことがあります。

proboscisの基部に見える円い部分が細胞口です。


わずかな時間目を離していた間に、proboscis が消えてのっぺらぼうな頭になっていました。同じく proboscis を持つトラケリウス Trachelius の仲間でも、スライドガラスにマウントして観察を始めると間もなく、泳ぎながら proboscis が溶けるように無くなってしまうことがよくあります。外部のストレスに対する反応なのかも知れません。

倍率を下げてみると、ガラスと糸状藻に挟まれてなかなか抜け出せないようでした。

動画です。


(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)

2019年12月13日金曜日

ホシミドリヒメグモ♂

トベラの葉裏にいたホシミドリヒメグモです。

触肢が膨らんでいるので♂でしょう。長い脚を伸ばしていたのですが、葉を裏返すと引き寄せてしまいました。

透明感のある美しいクモです。


春にはよくこんなふうに雌雄仲良く葉裏に隠れているのを見かけます。

(2019.12.03・学が丘北公園)



2019年12月12日木曜日

アザミウマ幼虫を捕えたハモリダニ

アジサイの葉裏でアザミウマの幼虫を捕えていたハモリダニの一種です。



ハモリダニは体長約1mm、獲物のアザミウマ幼虫は約0.5mm。この日多数見かけたクロトンアザミウマではないかと思います。




(2019.12.03・学が丘北公園)

2019年12月11日水曜日

ヌカカ科の一種(Atrichopogon sp.)

マテバシイの葉の裏を見上げると小さな虫がたくさん。

すべて一種類のヌカカです。

こちらこちらと同じ、Atrichopogon属の一種だと思います。ただしそれらでは平均棍が白いのですが、この個体はで濃色なのでおそらく別種でしょう。他の個体も数匹撮影しましたが、どれも同じような色でした。体長約2.2mm。触角が単純なので♂だと思います。



これは1枚目の写真の中央部をから拡大したものですが、触角の形はすべて♀のように見えます。♂たちは葉裏で越冬する♀を残して死んでしまったんでしょうか。

(2019.12.03・学が丘北公園)


2019年12月10日火曜日

クロトンアザミウマ

アジサイの葉の裏にいたクロトンアザミウマ Heliothrips haemorrhoidalis です。体長約1.5mm。





ここまで5枚すべて同一個体です。触角に付着している粒々は何でしょうか。

これは別個体ですが、やはり同じ粒をくっつけています。

(2019.12.03・学が丘北公園)


2019年12月7日土曜日

ホシヒメヨコバイ

風の強い、寒い日でしたがヌルデの葉を裏返すとホシヒメヨコバイ Limassolla multipunctata の成虫・幼虫がたくさんいました。

翅端まで約3mm、小さくて地味ながら、なかなか美しいヨコバイです。


成虫の斑紋には変異がありますが、これはテネラルかも知れません。

体長約2.4mmの、多分終齢幼虫。成虫には似ない刺だらけの姿です。

別個体ですがこれも多分終齢です。

こちらは翅芽が短く、体長約1.6mm。

更に小さく、約1mm。

約0.8mm。

これくらいで初齢でしょうか。体長約0.5mmです。

同じ個体ですが、複眼が上を向いています。

(2019.12.03・明石公園 学が丘北公園)

2019年12月6日金曜日

ウロコタイヨウチュウの一種(Raphidiophrys ?elegans)

これはウロコタイヨウチュウ(Raphidiophrys)の一種だと思います。細胞同士が連絡橋のような構造でつながり合って立体的な群体を作っています。ネット上の画像を探してみると、主に海外サイトで Raphidiophrys elegans としてこれによく似た画像が多数出てきました。



各細胞は“ブリッジ”を通じて物質のやりとりを行うようです。


(2019.11.25・明石公園 藤見池にて採集)