2020年1月5日日曜日

ハナビワムシの孵化

昨日のハナビワムシの一種(Collotheca sp.)の続きです。
このワムシはいつ見ても卵を1個持っているように思うのですが、ちょうど孵化直前らしき卵を持った個体を見つけました。


生まれようとしている子どもが卵殻の中でしきりに動いていて、2個の眼点も見えます。

残念ながら、ちょっと目を離している間に殻から出てしまいました。まだ完全に卵殻から抜け出したわけではなく、この写真では分かりませんが、最後の動画でまだお尻のあたりに残っている卵殻が見えます。頭部の繊毛を盛んに動かしていますが、この繊毛がやがて成体の長い剛毛に変化するんでしょうか。

孵化した子どもはしばらくの間親の鞘の中に留まっていましたが、やがて外界へ泳ぎ出しました。この時点では成体にはあまり似ていませんが、いずれ適当な場所を見つけて固着生活を始めるのでしょう。


(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)


2020年1月4日土曜日

ハナビワムシの一種(Collotheca sp.)

以前のブログでも一度紹介したハナビワムシの一種(Collotheca sp.)で、前回と同じ種だと思います。固着性のワムシで、糸状藻の切れ端にくっついていました。
「日本淡水プランクトン検索図説」に記載されている種の中では体長は約400μm、頭冠が5裂片に分かれている、などの特徴から Collotheca ornata に該当しそうですが、他にも似た種があるのかも知れません。


各裂片から放射状に伸びる剛毛(繊毛と呼ばれる場合もあるようですが)は静止状態ではほとんど動きません。


スライドガラスの端をペン軸で軽く叩くと、驚いて寒天質の鞘の中に引っ込みます。

体を伸ばし始めたところ。

剛毛と言ってもその動きを見ているとごく柔らかなもののようですが、頭冠を拡げた時にそれが針のように真直ぐに伸びるのが非常に不思議に思えます。


(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)


2020年1月1日水曜日

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます


子年と言ってもネズミの写真もないので、昨年の記事の中からお気に入りの1枚、Neanastaus albitarsis の産卵です。

今年もよろしくお願いいたします。

2019年12月31日火曜日

朽木の双翅目幼虫

朽木樹皮下にいた、体長3mmほどの双翅目の一種の幼虫です。
最近入手した「日本産土壌動物検索図説」(1991年版)での絵合わせではアシナガバエ科あたりではないかと思いますが、自信は全くありません。






一年の締めくくりとしては冴えない記事になってしまいましたが、そらさんも嘆いておられるように、私の身近で目にする虫もここ数年でめっきり少なくなった気がしています。もう一つのテーマであるプランクトンも近所の海での採集では種数・個体数ともに10年前とは比較にならないほど貧しくなってしまいました(瀬戸内海特有の現象かも知れませんが)。
とは言え、しつこく探していると時々は意外な発見もあるもので、そこが生き物を相手にする面白さだと思っています。来年もよろしくお願いいたします。

(2019.12.21・学が丘北公園)

2019年12月30日月曜日

ディセマトストマ(Disematosutoma sp.)

以前のブログにも一度登場した大型の繊毛虫、ディセマトストマ(Disematosutoma sp.)です。






(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)

2019年12月29日日曜日

ラクダムシの幼虫

冬場に樹皮の下で普通に見つかりますが、成虫にはなかなかお目にかかれない、ラクダムシの幼虫です。

体長約11mm。ケヤキの樹皮下にいました。





(2019.12.21・学が丘北公園)


2019年12月28日土曜日

オソイダニ科(Cunaxidae)の一種

朽ちかけた伐採木の樹皮下から出てきたオソイダニ科(Cunaxidae)の一種です。以前のブログに出したものとほとんど違いが無さそうで、同種ではないかと思います。体長は長い顎体部も含めて約0.8mmです。
「日本ダニ類図鑑」を見ると、オオカマオソイダニ Cunaxa taurus (Kramer)という種と顎体部や触肢の形、2対の非常に長い感覚毛(後部感覚毛の方が長い)、体長など一致する部分が多いようです。この和名は同図鑑(1980年発行)で初めて与えられた新称ということですが、その同じ和名で検索すると、松山市産ダニ類目録(2012)では Armascirus hastatus Shiba 1986 という学名が当てられていて、これらが同じ種を指すのかどうか分かりません。

なかなか格好の良いダニです。

2対の、非常に長い感覚毛。


長く伸びた顎体部と、頭上に振り上げた鎌のような触肢。


最後に、樹皮の下に消えていきました。

次は同じ場所で見つけた、同じオソイダニ科と見られる小型のダニです。
ひょっとすると同種の幼体かとも思いますが、成体であれば別種でしょう。

やはり2対の長い感覚毛が見えます。

長く尖った額体部と角のように前方に突き出した触肢。昔の恐竜ファンはトリケラトプス、と思ってしまいます。体長は、額体部の先までで約0.4mm。



(2019.12.21・学が丘北公園)