2020年8月29日土曜日

ウロレプタス(Uroleptus sp.)

細長い繊毛虫で、ウロレプタス(Uroleptus)属の一種だと思います。

右が頭部。後端部は尻尾のように長く伸びています。


腹側には刺毛列が見えます。

動画です。

非常に活発に泳ぐのでかなり追いかけるのに精一杯です。微生物はなるだけ活きのいい内に撮影したいのですが、こういう動きの速いものは少し弱ってくるのを待つか、何らかの方法で動きを押さえないとまともな映像が撮れません。

(2020.07.23・明石公園 桜堀にて採集)


2020年8月28日金曜日

明石で昆虫写真二人展

お知らせが遅くなりましたが、去年に続いて今年も昆虫写真展に参加しています(こちら)。
場所は明石アスピア スマイルギャラリー(アスピア北館3階通路)、
期間は本日8月28日(金)より9月16日(水)、10時から20時(最終日は16時まで)です。



スペースにも限りがあるので、今回の私の展示はカメムシに絞りました。
と言ってもそれほどネタがあるわけでもないので、既にブログに掲載した写真がほとんどです。
出品者が二人だけなのでどちらも不在の場合も多いかと思いますが、お近くに来られる機会があれば覗いていただければ幸いです。(とりあえず明日の午前中は会場に詰める予定です。)

2020年8月25日火曜日

ミンミンゼミの交尾

サンシュユの幹で、1匹のミンミンゼミが中途半端な鳴き方をしながらじりじりと後退りに降りて来るので何だろうと思って見ていると、その先に♀がいました。

向きを変えて♀に近づきますが、残念ながら枝が邪魔になって撮りにくい場所です。

交尾が始まったようです。セミは大きくて沢山いて目立つ割には、交尾を目撃する機会の少ない虫です。

反対側に回って撮影。手前が雌です。

ミンミンゼミの斑紋は結構変異があるようですが、雌雄による違いもあるんでしょうか。

(2020.08.06・明石公園)

2020年8月24日月曜日

ボルボックスの細胞

ボルボックスの群体をたくさん見ていると、球の表面に並ぶ体細胞の形にもいろいろ違いがあることが分かります。細胞の形の違いは種の区別点にもなるようですが、群体の状態や成長段階によっても違ってくるのかも知れません。

その1

これは先日の記事に出した、娘群体の脱出を見た群体です。各細胞は糸のようなもの(細胞質連絡糸と呼ぶようです)で繋がれていますが、細胞間の境界は見えません。

1枚目と同じですが、鞭毛が写るようにピントを少し上にずらせました。各細胞から2本の鞭毛が伸びているのが見えます。

その2

細胞質連絡糸は見えますが不明瞭で、やはり境界は見えません。油滴のようなものが散らばっていて、少し弱っているのかも知れません。

その3

この群体では各細胞は連絡糸で繋がれていますが、細胞の形はアメーバ状で“その1”とはあまり似ていません。またコントラストが弱く見えにくいのですが各細胞の周りが多角形の境界線で仕切られています。連絡糸が細胞に接するあたりに小さな収縮胞もちらほら見えます。

その4

細胞はきれいな球形で、連絡糸は見えません。細胞間の境界は規則正しい蜂の巣状で、境界線上に小さな粒が見えます。

(2020.07.31・明石公園 桜堀にて採集)

2020年8月23日日曜日

ヘクソカズラグンバイとクモに捕えられたホソハネコバチ

先日のナシグンバイ卵に産卵するホソハネコバチや、BABAさんの、アワダチソウグンバイのコロニーにいた♂のホソハネコバチの記事を見て以来、グンバイムシのコロニーが気になります。
この日はヘクソカズラグンバイに寄生されたヘクソカズラの葉を片端からルーペで調べて回りましたが、グンバイの卵はあってもホソハネコバチらしきものは全く見つかりません。

とりあえず、羽化後あまり時間がたっていないと思われるヘクソカズラグンバイ成虫がいたのでそれを撮影。

左右に大きく張り出した翼のような突起が魅力ですが、よく見るとその表面を走る翅脈のような筋のパターンが左右で少し違っています。

ついでに幼虫、体長約1.7mm。

こちらは約0.9mmの若齢幼虫。

この日グンバイに寄生された葉で何度も見かけた、幼体と思われる体長0.9mmほどのクモです。獲物を咥えていますが・・・。

ひょっとして、ホソハネコバチ?

翅には長い総毛。

触角はナシグンバイ卵に産卵していた種によく似ていて、翅の長さも同じくらいです。同種かどうかまでは判断できませんが、ホソハネコバチに間違いないでしょう。
このホソハネコバチが寄生卵を産むためにこの場所にいたとは言い切れませんが、貴重な獲物をクモに横取りされた気分になったのでした。

(2020.08.18・明石公園)


2020年8月22日土曜日

ボルボックス・娘群体の脱出

先日の記事と同じ池で採集したたくさんのボルボックスを眺めていると、ちょうど娘群体が親群体から離れるところを見ることが出来ました。

大小7個の娘群体を持った群体です。

最初の娘群体が出ようとしています。


この後すぐに動画に切り替えました。


動画では最初の状態と、すでに2個目の娘群体が出た後3個目から6個目が出る様子が見られます。

(2020.07.31・明石公園 桜堀にて採集)

2020年8月21日金曜日

カメムシ卵から出て来るナガコバチ科 Anastatus sp.雌雄

昨日の記事の、寄生を受けているらしいカメムシ卵はそのまま持ち帰り、毎日様子を見ていたのですが、15日目の朝、ようやく2個の卵で穿孔作業が始まっていました。

卵塊にくっついていたタマゴクロバチの♀は数日後に死んでしまい、また1個の卵ではなぜか蓋が凹んでしまっています。

しかし穴から顔を覗かせたのは、あのタマゴクロバチではありません。

見覚えのある顔です。

充分な大きさに穴を拡げるにはまだ時間がかかるだろうとのんびり構えていたところ、不意に出てきました。

頭に続いてごく短い時間で全身が出てしまい、倍率を下げるのが間に合わず途中が撮れませんでした。出てきたのはお馴染みの、ナガコバチ科 Anastatus 属の一種、♀です。よく見かける種で、先日別のキマダラカメムシ卵にとまっていたのもおそらく同種でしょう。

その間にもう一つの卵でもだいぶ穴が拡がっていましたが、そこから覗く顔は最初のとは色が違います。

やはり、前触れなくいきなり頭を出してきました。

しかし今回はそこで若干手間取ったので、その間に急いで倍率を下げます。

太い触角はまだ蛹殻に覆われています。

欲を言えば背面からではなく真横から撮りたかったのですが、角度を変える余裕がありません。

出てきたのは♂でした。後脚で翅を伸ばしています。以前、やはりカメムシ卵から出てきたものと同じ種のようです。その時出てきたのは♂ばかりで、それはおそらく寄主の卵が小さかったせいと推測されますが、今回はサイズに余裕があったので雌雄両方の寄生卵が産み付けられたのではないかと思われます。
この11個の卵塊からは翌々日に♀がもう1匹出てきましたが、他は死んでしまったのか、その後ハチもカメムシも出て来ることはありませんでした。

(2020.08.05・自宅にて撮影)