2021年11月29日月曜日

エピスティリスとエリヒゲムシ

 エピスティリス Epistylis は群体性のツリガネムシで、こちらのようにケンミジンコなどに付着しているものもよく見かけますが、今回のものはこちらの記事と同じようにどこにも付着せずに水中を漂っていました。おそらく同じ種ではないかと思います。いくつかの群体を見ていると、柄に多数のエリヒゲムシ(襟鞭毛虫・エリヒゲムシ目 Choanoflagellida)の一種を付けたものがいました。以前のブログで普通のツリガネムシ(Vorticella sp.)の柄に付いていたものを紹介していますが、今回の方がやや小型のようです。



エピスティリスの群体は各細胞の繊毛の運動によりおおむね柄を先にして移動していきます。

動きを止めたところで倍率を上げて撮影。この写真で見るとエリヒゲムシは長短3本の鞭毛を持っているように見えますが、両側の短いのは中央の鞭毛を取り巻く「襟」の切断面が線状に見えているものです。

鞭毛も細胞本体もかなり高速で振動しています。



「淡水微生物図鑑」のよればエピスティリス属では囲口部の縁の繊毛列は1、ないし2列のみだそうです。

動画です。


(2021.10.11・明石公園 桜堀にて採集)




2021年11月26日金曜日

ケシキスイの一種

 落ち葉の裏にくっついていた小甲虫です。ケシキスイ科だと思いますが、目立った特徴もなく、属の見当もつきません。体長は約2.7mmです。






(2021.11.19・舞子墓園)

2021年11月23日火曜日

リゾソレニアの一種(Rhizosolenia ?robusta)

大型の珪藻ですが、船型というか、ミカンの皮かタマネギの一片のような独特の形をしていて、初めて見た時はもっと大きな珪藻の破片かと思いました。実体顕微鏡暗視野ではきれいな青色に光って見えます。リゾソレニア(ツツガタケイソウ)の一種で、手持ちの図鑑やネット上の画像を調べた限りでは Rhizosolenia robusta という種に一致しますが、近縁の別種なのかもしれません。厚みがあってごく一部にしかピントが合わないので深度合成してみましたが、そのためかえって立体像が想像し難くなったようでもあります。
写真は2つの細胞をそれぞれ暗視野と明視野で撮ったものですが、最初のものは(船の形に例えるなら)船底をスライドガラスにつけた状態、2番目はやや横倒しになった状態ということになります。





(2021.11.16・西舞子海岸にて採集)

2021年11月21日日曜日

ヤスマツコナジラミ

 ヤスマツコナジラミ Pentaleyrodes yasumatsui は以前のブログでも一度出していますが、あまり見ないものなので今回は持ち帰って深度合成撮影をしました。

もともと薄っぺらな体形なので深度合成しても新鮮味はありません。

同じ葉についていた別個体。体長はどちらも1.2~1.3mmの間です。

3匹目の個体の前部。眼は無いようです。

同じく後部。

見つけたのは前回と同じくカゴノキでした。

(2021.11.19・舞子墓園)

2021年11月20日土曜日

サメハダツブノミハムシ

 アカメガシワでは常連のサメハダツブノミハムシ Aphthona strigosa です。気温が下がってきたせいか葉をつまんでも逃げもせずに撮らせてくれました。体長2.5mmくらいです。



眉根に皺を寄せて怒ったような面付です。
ところでこのハムシ、成虫はいくらでも見つかるのですがそれらしい幼虫はまだ見たことがありません。アカメガシワのどのあたりで大きくなるんでしょうかね。

(2021.11.15・明石公園)

2021年11月19日金曜日

ナシケンモンの幼虫

 アカメガシワの葉の上に乗っていた赤い毛虫です。ナシケンモン Viminia rumicis の幼虫だと思いますが、体長が35mmくらいあるので終齢でしょう。周りの葉には食痕もなく、ちょっと不自然な感じがしたのですが、蛹化前の静止状態なのかも知れません。


じっとして動かないので各部のアップを撮っておきました。毛虫の毛や棘は種によって様々で面白いものですが、この毛虫は鋭い棘の間から多数のごく細い羽毛状の毛が生えています。






(2021.11.15・明石公園)

2021年11月17日水曜日

マルトビムシの一種

 落ち葉をひっくり返したりしているとよく見つかる、お尻の両側に白い紋のあるマルトビムシです。濡れ落ち葉の裏にいました。側面から撮れなかったので体長は分かりませんが、画面長辺が約1.4mmです。


(2021.11.15・明石公園)