12月15日の記事の続きです。
シャーレに入れたまま一晩置いたプレオドリナ(Pleodorina sp.)を翌日検鏡してみると、さらに多くの群体で細胞分裂が進行していました。分裂の様々な段階の生殖細胞から脱出を待つばかりの娘群体まで、それに有性生殖に関わる精子束(精子の集合体)らしきものが見られます。この仲間は充分な栄養がある時には無性生殖で増殖し、栄養不足の条件では有性生殖に移行するそうです。無性生殖では群体内の生殖細胞が分裂して娘群体を形成し、有性生殖時には生殖細胞は雌性配偶子と雄性配偶子(精子束)に分化するということですが、見ているものがどのような段階にあるのか、勉強不足でよく分かりません。精子束が生じているのはやはり採集後丸一日以上シャーレの中に放置したおかげで栄養条件が悪化したことによるのかも知れません。
2個、4個に分裂している生殖細胞。左下の小さな細胞は非生殖細胞。
さらに分裂が進んだ生殖細胞と精子束(多数の鞭毛が見える)。
この群体ではすでに娘群体が成熟しています。
親群体から脱出する娘群体。ねぜか最後の段階で離れきれず、いつまでも繋がったまま回っていました。
この群体では成熟した娘群体と精子束が混在しています。
こちらでは生殖細胞はすべて精子束になったようです。
生まれて間もない娘群体。
この段階では群体内の細胞の大きさにほとんど差がありません。
泳いでいた精子束。かなりの速さです。
動画です。1分35秒あたりで精子束が群体を離れて泳ぎ出すのが見られます。
(2021.11.24・明石公園 桜堀にて採集・翌日撮影)