2021年12月24日金曜日

タイワンツヤカスミカメ?

 これは以前のブログに「カワヤナギツヤカスミカメ?」として載せたのと同じものです。図鑑の写真とは斑紋に違いがあるので当時から疑問は持っていたのですが、やがて複数のサイトで関西圏で近年多くなってきたツヤカスミカメ属の未知種として取り上げらるようになり、aclerisさんの記事でタイワンツヤカスミカメ Deraeocoris apicatus という、最近の移入種であるらしいことを知りました。今回久しぶりに撮影したので、ついでに以前の記事も修正しておきます。



モッコクの幹でじっとしていたのですが、撮り始めると歩きだしました。翅端まで約5mmです。

(2021.12.09・明石公園)


2021年12月23日木曜日

お知らせ(新種のハナカメムシ)

6月9日の記事で「ハナカメムシ類の幼虫 (?Anthocoris sp.)」として掲載していた種に関して、最近新種記載された Temnostethus mirificus (仮称:コバネシロモンハナカメムシ)という種の成虫であることを、ある方から教えていただきました。これまでに栃木・千葉・愛知の3か所から見つかっているそうです。元の記事を修正しておきましたので詳しくはそちらをご覧ください。

ついでに写真も1枚。

2021年12月22日水曜日

プレオドリナ 細胞分裂・精子束・娘群体

 12月15日の記事の続きです。
シャーレに入れたまま一晩置いたプレオドリナ(Pleodorina sp.)を翌日検鏡してみると、さらに多くの群体で細胞分裂が進行していました。分裂の様々な段階の生殖細胞から脱出を待つばかりの娘群体まで、それに有性生殖に関わる精子束(精子の集合体)らしきものが見られます。この仲間は充分な栄養がある時には無性生殖で増殖し、栄養不足の条件では有性生殖に移行するそうです。無性生殖では群体内の生殖細胞が分裂して娘群体を形成し、有性生殖時には生殖細胞は雌性配偶子と雄性配偶子(精子束)に分化するということですが、見ているものがどのような段階にあるのか、勉強不足でよく分かりません。精子束が生じているのはやはり採集後丸一日以上シャーレの中に放置したおかげで栄養条件が悪化したことによるのかも知れません。

2個、4個に分裂している生殖細胞。左下の小さな細胞は非生殖細胞。

さらに分裂が進んだ生殖細胞と精子束(多数の鞭毛が見える)。

この群体ではすでに娘群体が成熟しています。

親群体から脱出する娘群体。ねぜか最後の段階で離れきれず、いつまでも繋がったまま回っていました。

この群体では成熟した娘群体と精子束が混在しています。

こちらでは生殖細胞はすべて精子束になったようです。

生まれて間もない娘群体。

この段階では群体内の細胞の大きさにほとんど差がありません。

泳いでいた精子束。かなりの速さです。

動画です。1分35秒あたりで精子束が群体を離れて泳ぎ出すのが見られます。


(2021.11.24・明石公園 桜堀にて採集・翌日撮影)

2021年12月18日土曜日

フジホソガ

 アラカシの幹にとまっていたフジホソガ Psydrocercops wisteriae です。以前のブログでも一度掲載していて、やはり12月の撮影でした。2月にも撮っているので、成虫で越冬するんでしょう。食草のフジの上ではまだ見たことがありません。頭端から翅端まで約4.3mmです。





(2021.12.09・明石公園)

2021年12月15日水曜日

プレオドリナ・娘群体の脱出

 前回の記事から約一か月半後、同じ池ではやはり多数のプレオドリナ(Pleodorina sp.)が採集できました。ただ今回は分裂中の細胞や脱出間近の娘群体を持った群体も多く、親群体から娘群体が出ていく場面も見られました。

画面中央や右上の群体では生殖細胞の分裂が進んでいて、画面下方では生まれたばかりの娘群体も見えます。

この群体ではすでに娘群体が成熟しています。


小さな栄養細胞は分裂しません。

娘群体の細胞にも眼点が見えます。

すでに大半の娘群体が脱出した後の群体。
脱出の場面は次の動画で。


撮影中に都合4個の娘群体が脱出しましたが、次はこいつだろうとピントを合わせて待っていると別のところから出てきたりして、なかなか上手く撮れません。

(2021.11.24・明石公園 桜堀にて採集)

2021年12月13日月曜日

プレオドリナ(Pleodorina sp.)

2か月も前に撮影したものですが、以前のブログで一度出している、ボルボックスの仲間のプレオドリナ Pleodorina です。よく似たユードリナなどと違ってあまり多いものではないという印象があったので、いつも採集している池で大量に採れたのにちょっと驚きました。

ユードリナと違って、群体を構成する細胞には大きさが異なる2種類があります。

鞭毛が見えるように露出オーバーで撮りました。

小型の栄養細胞は分裂せず、大型の生殖細胞から新たな群体が生じます。

たくさんの中に、ちょうど分裂中の細胞を持った群体を見つけました。

生殖細胞が4個から16個に分裂しています。

動画です。
ワムシ類その他も登場します。


(2021.10.11・明石公園 桜堀にて採集)

2021年12月12日日曜日

タマゴコバチの一種・♂の羽化

 昨日の記事の続きで、二日後に撮影した♂の羽化の様子です。

蛾の卵殻の横腹に穴を開けて顔を出しました。

長い毛の生えた触角で♂だと分かります。

先に羽化した♂が調べに来ましたが、すぐに立ち去りました。


お祭り騒ぎの♀の羽化と違って静かな登場です。


タマゴコバチ科 Trichogrammatidae の一種です。

動画は別の♂です。


(2021.11.28・自宅)