2022年2月2日水曜日

クビキリギス越冬中

 生垣に吹き寄せられたアオギリの葉を拡げてみると、中から鮮やかな緑色の大きな虫が現れてびっくりしました。クビキリギス Euconocephalus varius です。成虫で冬を越すんですね。初めて見ました。尖った頭の先から翅の先まで約70mmです。



(2022.01.27・舞子墓園)

2022年2月1日火曜日

泳ぐソライロラッパムシ

 初登場のソライロラッパムシ Stentor coeruleus です。シャーレの中で泳いでいるのを見つけスライドガラスにとったのですが、いつまでも泳ぎ続けて、ラッパの口を大きく開いた姿は見られませんでした。







動画です。


(2022.01.13・明石公園の池にて採集)

2022年1月31日月曜日

クロモンキスイ

 アキニレの樹皮下から出てきた体長約2mmの小甲虫。キスイムシ科のクロモンキスイ Cryptophagus decoratus だと思います。




(2022.01.25・明石公園)

2022年1月30日日曜日

ケヤキ樹皮下の黄色いハダニ

 冬場にケヤキの樹皮下でよく見かけるハダニです。同種と思われるものがフッカーSさんの東京23区の虫2に掲載されていて、トウヨウハダニ属(アケハダニ属、Eotetranychus)の一種ではないかとされています。体長は0.30~0.33mmくらいです。







(2022.01.25・明石公園)

2022年1月29日土曜日

イクビホソアトキリゴミムシ

 これはイクビホソアトキリゴミムシ Dromius quadricollis だと思います。ムクノキの樹皮下にいました。保育社の甲虫図鑑で挙げられている、前頭複眼近くの縦じわ、前胸背板の上反部、その側縁中央部と後角近くの剛毛、第3間室翅端の孔点などが写真からも確認できます。樹上性のゴミムシのようです。





前胸背板側縁中央部と後角近くの剛毛が見えます。兵庫県のアトキリゴミムシ類 (2)(「きべりはむし」36)によればこの特徴は同属のキタホソアトキリゴミムシとフトヒゲホソアトキリゴミムシにも見られるということですが、県内では両種とも比較的稀だそうです。

(2022.01.22・明石公園)

2022年1月28日金曜日

アラカシで出産するイスノフシアブラムシ

 アラカシのひこばえで、しばらく見かけなかったイスノスシアブラムシ Nipponaphis distyliicola のコロニーを見つけました。

しかしよく見ると、多くの無翅成虫は死んだり寄生バチの脱出口が開いていたり、また脱落した後も多く元気そうな個体は多くありません。

それでも探すと出産中のものがいました。真冬に出産とは意外な気がしますが、以前には12月末3月初めにも見ているので珍しいことではないようです。



小さな体には不釣り合いに太くて長い口吻が見えます。お尻の先の白い塊は卵殻の名残でしょう。

2枚目から30分ほどかかって無事着地しました。
イスノフシアブラムシは春に有翅虫が現れてイスノキに移住しますが、それとは別に一部の系統は周年アラカシで繁殖を続けるそうです。春にアラカシで見た幼虫たちはこちら、また有翅虫と思われるものはこちらに出しています。

(2022.01.22・明石公園)

2022年1月27日木曜日

フロントニアの収縮胞と放射状水管

何度も登場しているフロントニア(Frontonia,クチサケミズケムシ)の一種です。

自分の体長ほどもあるミカヅキモを二つも飲み込んでいます。赤くて丸いのはナベカムリの仲間でしょうか。

背側には一つの収縮胞 contractile vacuole とその周囲に伸びる放射状水管 radial canal が見えます。教科書に載っているゾウリムシの図で二つのヒマワリの花のように描かれているのと同じものですが、フロントニアでは一つだけです。

放射状水管はゾウリムシの図では花芯を取り巻く花弁のように見える部分ですが、フロントニアでは細長くタコの脚のように細長くのたくって伸びています。

収縮胞は閉じるときにいくつかに分裂するように見えます。

放射状水管を含む収縮胞系は細胞内から余分な水を回収して排出し、細胞内の浸透圧を調整する機能を担っているそうです。しかしそんなことを知らなくても、見ていてとても面白い構造であることには間違いありません。

これは腹側で、裂け目のような細胞口が見えます。

動画も撮りましたが、さかんに動きまわるので残念ながら収縮胞や水管の消長はよく分かりません。代わりに、飲み込んだミカヅキモを排出するところが見られます。


(2022.01.13・明石公園 桜堀にて採集)