2024年2月27日火曜日

クサカゲロウ類の幼虫(+深度合成)

 アラカシの葉の裏でじっとしていたクサカゲロウ類の幼虫です。背中にカムフラージュのゴミを背負っていない裸の姿ですが、スズキクサカゲロウの幼虫のようにそれが常態なのかどうかは分かりません。体長は大あごをのぞいて約6mmです。




体側に並ぶ突起とそこに生えた多数の長い毛は、やはり本来はゴミを背負うタイプなのではないかと思わせます。背負う習性のないスズキクサカゲロウの幼虫ではこれらがあまり発達していません。


捕えて帰って深度合成撮影をしました。

冷凍殺虫のせいで体が前後に縮んでしまいました。

これは腹面。

頭部の背面。千葉大学の日本産クサカゲロウ図鑑に掲載されている多数の頭部画像の中から斑紋が似ているものを探してみましたが、よく一致するものは見つかりませんでした。おそらくこういう特徴には個体変異が多いのだろうと思います。

頭部腹面。

頭部背面やや前方から。

前の画像の一部拡大です。
アミメカゲロウ目の幼虫では、大顎と小顎が合体して管を作り、これを獲物に突き刺して体液を吸う吸うという仕組みになっているそうです。


体側の突起。

(2024.02.13・明石公園)



2024年2月15日木曜日

ユスリカの触角

 ♂のユスリカの触角です。
いつもの公園で虫仲間と枝を叩いていた時に落ちてきたのを持ち帰り、スタック撮影したものです。まず最初にこの豪勢な触角のアップを撮り、そのあとで全身像を、という予定だったのですがミスをして、標本を潰してしまいました。したがって種名も分かりませんが、体長1cmほどもある大型種だったのでオオユスリカかアカムシユスリカあたりかも知れません。


(2024.01.30・明石公園にて採集)

2024年2月14日水曜日

海辺で越冬するヒメマダラナガカメムシ

 昨年も同じ時期に同じものを出していますが、海岸に落ちていた木片の裏にいたヒメマダラナガカメムシ Graptostethus servus です。同じ場所に5~6匹集まっていたのですが、朝からよく晴れて気温も上がってきていたので、明るい光があたると速やかに解散してしまいました。写真に写っているのはその片割れです。






(2024.02.07・明石市藤江海岸)


2024年2月8日木曜日

ミナミマキバサシガメ

 近所の海岸で越冬昆虫探しをしてきました。結果は少々期待外れでしたが、その中でも一番の収穫がこのミナミマキバサシガメ Nabis kinbergii です。枯草の間に転がった石の裏にくっついていました。同属のハネナガマキバサシガメ N. stenoferus に酷似するとのことですが、体型や革質部の翅室の形から前者と判断してよいと思います。翅端まで約9mmです。






(2024.02.07・明石市藤江海岸)


2024年1月29日月曜日

越冬中のヨツボシヒョウタンナガカメムシ

 暖かい季節にはエノコログサなどイネ科の穂によく集まっているヨツボシヒョウタンナガカメムシ Gyndes pallicornis です。これもアオギリの葉の中で越冬していました。夏場に見るものより体色が茶色っぽい気がしますが、個体変異かも知れません。体長は約6mmです。





(2024.01.26・舞子墓園)

2024年1月27日土曜日

シロヘリクチブトカメムシ

 アオギリの落ち葉の間から出てきた初見のカメムシです。前胸背の鋭い側角が目立つのでツノカメムシ類かと思いましたが、帰宅して調べるとクチブトカメムシ科のシロヘリクチブトカメムシ Andrallus spinidens でした。日本原色カメムシ図鑑第3巻によると、かつて国内では九州南部以南に生息するとされていたが、近年急速に分布を拡大して、現在では茨城県や埼玉県でも見つかっているとのこと。翅端まで約13mm、なかなか格好の良いカメムシです。






こうして写真を並べてみると、ずっと隠していた触角を最後の後ろ姿では伸ばしているのが分かります。撮影時に気づいていれば、触覚の見える全体像を撮りなおしていたところですが、後の祭り。注意不足が悔やまれます

(2024.01.26・舞子墓園)

2024年1月26日金曜日

ホソバヒメカゲロウ

 これはヒメカゲロウ科のホソバヒメカゲロウ Micromus linearis だと思います。アオギリの落ち葉の間に隠れていました。その名の通りこの仲間としては細長い翅と、翅脈上に破線状に並ぶ黒点が特徴です。体長約4mm、翅端まで約6.5mm。か弱そうに見えますが、顔つきはいかにも捕食性です。






(2024.01.26・舞子墓園)