2019年9月7日土曜日

エキスハエトリ幼体

ムクノキの樹皮下で小さな甲虫を捕えていたエキスハエトリLaufeia aeneaです。体長が2mmくらいしかないので幼体でしょう。


このハエトリグモは植物の枝葉よりも樹幹や石の上を好むようで、近くの石垣でもよく探すと沢山いました。ただどれも2mm前後の幼体ばかりで、しかもこの体色ですからじっとしているとほとんど目にとまりません。

成体と比べると毛が疎らです。

獲物は体長1.2mmほどの甲虫です。触角の球稈を見るとケシキスイの仲間でしょうか。


(2019.08.09・明石公園)

2019年9月6日金曜日

アマクサキジラミ

いつもの公園でカリンの木に括りつけられた樹名板を持ち上げて見ると、その裏に鮮やかな緑色をした小さな虫が1匹、くっついていました。一見して初見のキジラミと分かりましたが、少々場所が悪く、満足に撮れないうちに逃げられてしまいました。
その時はカリンにつく種かと思い周囲の同じ木を探してみましたが見つかりません。帰宅して、たしか以前BABAさんのところで見たような、と思って調べてみると5年前の記事に登場していました。
モッコクについていた成虫や幼虫を撮影されたものですが、その記事を見た研究者の方が驚いてメールを寄せられたそうです。それによるとこれはアマクサキジラミ Cacopsylla amakusensis (Kuwayama, 1939) という種で、BABAさんが姫路市で発見される以前には山口県や九州、沖縄などからの数えるほどの採集例しかなく、ホストも不明で幼虫も見つかっていなかったという稀種だそうです(詳しくはBABAさんの記事をご覧ください)。
ホストがモッコクと分かったので、その二日後、もう一度探しに出かけました。この公園にはモッコクの木は多いのでどこかで見つかるだろうと期待したのですが、1匹も見つかりません。すでに時期が遅すぎたのか、そもそもこの公園では繁殖していなくて、私が見つけたのは偶然飛来した1匹だったのかも知れませんが、結論は来年まで持ち越しです。



体長は約4mmです。

(2019.08.09・明石公園)

2019年9月5日木曜日

不明幼虫

昨日の記事のマルトビムシを追いかけている時、同じ切り株の上を初めて見るタイプの幼虫が歩いているのを見つけました。最初クサカゲロウ類かと思ったのですが、触角や大顎などがどうもそれらしくありません。何者でしょうか。

体長は2.5mmくらい。全身が木屑のような、茶色の粉のようなものに覆われていて、その間から長い毛が伸びています。一見どちらが前なのかも分かりませんが、一方から2本の触角らしきものが突き出していて、辛うじて頭部の位置が知られます。

非常にピントの合わせづらい被写体で、なんとか正面から撮ることは出来たのですが、目鼻立ちがさっぱり掴めません。

ゴミの間から大顎らしきものが覗いています。

これは別個体。

ゴミに覆われていない部分に白っぽい地肌が見えています。

小さな個眼が辛うじて写っています。

(2019.08.07・摩耶山)

2019年9月4日水曜日

マルトビムシの一種

このマルトビムシは、以前同じ場所で撮ったもの(こちらのその3)と同種だと思います。

腐朽の進んだ切り株の上を歩いていました。

暗いファインダーの視野で、触角の先の白がよく目立ちます。

せっせと菌糸を食べているように見えます。

体長は前回のものより小さく、約1.2mm。

こちらは前回とほぼ同じで約1.8mm。体色もやや黒っぽいようです。

これは1mm足らずの小型個体。

足元に転がっているのは糞でしょうか。

(2019.08.07・摩耶山)

2019年9月3日火曜日

ヤケヤスデ科の一種(改題)

*2019.09.05 追記*


BITTZUさんから「多分ヤケヤスデ Oxidus gracilis かなと思うのですが、関東では側庇 (各胴節の横に張り出している部分です)が薄黄色いものしか見ていないのであまり自信がありません。ヤケヤスデ科なのは間違いないです。」とコメントをいただきましたので、タイトルを「オビヤスデの一種」から「ヤケヤスデ科の一種」に変更しました。また、やはり上が♂下が♀で、これは求愛行動と見られ、個体によっては1カ月以上に及ぶという報告もあるそうです。詳しくは下のBITTZUさんのコメントをご覧ください。

これはオビヤスデ目の一種だと思います。切り株の上を歩いていました。

交尾行動だと思いますが、やはり上が♂でしょうか。

体長は約18mm。


上の♂(?)は左の触角を失っています。

2匹の顔を上手く画面に収めたいのですが、難しい。


交尾器は体の前の方にあるので、後端部の形は昆虫と違って雌雄同じですね。


(2019.08.07・摩耶山)

2019年9月2日月曜日

ウバタマムシ

マツと思われる切り株の上で、ウバタマムシがじっとしていました。

どうやら足元に見える穴から出てきたばかりのようです。カメラを近づけても全く身動きしません。

じっとしている間にと、顔面のアップを。

体中に、脱出の際のものと思われる細かな木屑が付いています。

複眼です。これは中央部の表面にピントを合わせたもの。

こちらはもっと奥の方にピントを合わせたもので、本来なら中央のレンズに近い部分はもっとボケるはずなんですが、妙にピントが合ったように見えます。複眼の光学的な構造が関係しているのだろうと思いますが、ちょっと不思議です。

(2019.08.07・摩耶山)

2019年9月1日日曜日

クロホシテントウゴミムシダマシ 幼虫と成虫

樹種はよく分かりませんが、滑らかな幹の上をクロホシテントウゴミムシダマシの成虫や幼虫がゆっくり歩きまわっていました。成虫は以前にも出しているので、今回は幼虫を中心に。

体長約3mmの幼虫。色合いが成虫と同じです。

眼は数個の個眼が集まっているようですが、やや大きくて茶色いのが1個と小さな黒いのが2~3個あって、全部が個眼なのかどうかよく分かりません。そのすぐ前にとても短い触角がついています。

こちらは樹皮の割れ目でじっとしていましたが、お尻の先の塊は糞でしょうか。

これは体長2mmくらいの小さな幼虫。

上と同じくらいの大きさの別個体。若齢の方が黒色部が多いようです。

この成虫は羽化の際に事故でもあったのか、片方の翅が凹んでいます。

別の成虫の上翅。

(2019.08.07・摩耶山)