2019年9月3日火曜日

ヤケヤスデ科の一種(改題)

*2019.09.05 追記*


BITTZUさんから「多分ヤケヤスデ Oxidus gracilis かなと思うのですが、関東では側庇 (各胴節の横に張り出している部分です)が薄黄色いものしか見ていないのであまり自信がありません。ヤケヤスデ科なのは間違いないです。」とコメントをいただきましたので、タイトルを「オビヤスデの一種」から「ヤケヤスデ科の一種」に変更しました。また、やはり上が♂下が♀で、これは求愛行動と見られ、個体によっては1カ月以上に及ぶという報告もあるそうです。詳しくは下のBITTZUさんのコメントをご覧ください。

これはオビヤスデ目の一種だと思います。切り株の上を歩いていました。

交尾行動だと思いますが、やはり上が♂でしょうか。

体長は約18mm。


上の♂(?)は左の触角を失っています。

2匹の顔を上手く画面に収めたいのですが、難しい。


交尾器は体の前の方にあるので、後端部の形は昆虫と違って雌雄同じですね。


(2019.08.07・摩耶山)

9 件のコメント:

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  2. おちゃたてむしさん、こんばんは。

    多分ヤケヤスデ Oxidus gracilis かなと思うのですが、関東では側庇 (各胴節の横に張り出している部分です)が薄黄色いものしか見ていないのであまり自信がありません。ヤケヤスデ科なのは間違いないです。他のヤケヤスデ属(リュウキュウヤケヤスデ、マサキヤケヤスデ)は南西諸島から記録があります。やや似ているアカヤスデ属は側庇が発達しないものが多く、側庇が発達するとされるオビアカヤスデ Nedyopus cingulatus は存在そのものが疑われています。雄の第7胴節腹面にある生殖肢を見ればおおよそ検討はつくと思います。オビヤスデ目では雄の第7胴節の前の歩肢が生殖肢へと特殊化しています。


    上が雄で下が雌です。村上 (1962)によればヤケヤスデの繁殖には5月頃と9月頃の2回ピークがあり(ヤケヤスデは年1化であり、両者は別系統?)、雌雄相重なる姿は求愛行動とみられ個体によっては1ヶ月に及ぶものもあるそうです。
    https://ci.nii.ac.jp/naid/110003363858

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  3. BITTZUさん、いつもありがとうございます。
    ヤケヤスデOxidus gracilisで画像を探すと、おっしゃるように側庇の黄色っぽいものがほとんどですね。地方変異なんでしょうか。でも科まで分かっただけでも有難いです。
    以前お勧めいただいた日本産土壌動物検索図の1991年版の古本がamazonで安く出ていたので買いました。本当は第2版がいいんでしょうが高くて手が出ません。とりあえず素人には十分なので、ぼちぼち勉強したいと思います。これからもよろしくお願いします。

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  4. 以前本屋で1991年版をちらっと見たのですが、ヤスデの検索自体はそんなに変わりがなかったかと思います。分類体系はやはり変更があります。

    文献に関してはこちらをご覧ください。
    https://smallneighbors.blogspot.com/2019/08/blog-post.html

    基本的には70~80%のエタノール(DNAを見る場合は99%)に液浸した後、第7胴節を他の胴節から取り外します。その後、第7胴節から生殖肢を取り外して観察します。胴節は分類に重要ではないので、生殖肢が壊れないようにすることを最も優先します。生殖肢の取り外し方もそのうちブログに書ければよいのですが。

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  5. ブログ記事を拝見しました。文献を集める方法について具体的に解説されているのは素晴らしいと思います。そこでも言及しておられるように他の分類群を調べている方にとっても大いに参考になることでしょう。ヤスデを採集・解剖して調べるところまでは私には無理ですが、面白くまた美しい生き物なので今後も注意して見ていきたいと思います。ありがとうございました。

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  6. 話が終わる流れを断ち切って申し訳ないのですが、一応生殖肢の取り外しについて書いてみました。そんなに難しくはないのでぜひ試してみてください。
    https://smallneighbors.blogspot.com/2019/09/blog-post.html

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  7. こちらこそ、私には無理です、と言い切ってしまって申し訳ありません。虫道楽は野外で写真を撮るだけにしておいてそれ以上深入りはしないようにと決めているのですが、せっかく撮ったものは可能な限り同定しておきたいとも思います。生殖肢の取り外し方法についての記事を拝読すると、とても分かりやすく書かれているので自分にもやれば出来そうな気もします。今のところ、いつか機会があれば、というあたりでご勘弁ください。

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  8. こちらこそ無理強いするような言い方で申し訳ありません。ヤスデに興味を持ってくれる人が少ないものですから、つい熱が入ってしまいました。おちゃたてむしさんの撮影機材なら生きたまま生殖肢も撮れそうな気がします。外見が似ていても別種のことがあるので、僕はいつもなるべく現地でも生殖肢を撮影するようにしています。では、これからの記事も楽しみにしています。

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  9. ありがとうございます。これからもヤスデ類には注意したいと思いますので、よろしくお願いします。

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