2019年11月2日土曜日

ギンナガゴミグモ幼体

アラカシの幹の間に張られたクモの巣です。

手のひらほどのごく小さな円網ですが、いわゆる隠れ帯のような、その出来損ないのような2重の白い円が見えます。外側の円の長径が約40mm。

網の中心にいたのは体長約2.5mmの小さなクモ。中途半端に横向きに定位していますが、ギンナガゴミグモ Cyclosa ginnaga のようです。成体はこちらのように太くてよく目立つ渦巻状の隠れ帯を作りますが、この幼体はまだ練習中なのかも知れません。

(2019.10.27・明石公園)

2019年11月1日金曜日

タバコカスミカメ

キリの幼木の葉の裏に集まった多数のヒメイトカメムシの間に、細長いカスミカメが数匹混じっていました。

調べてみるとタバコカスミカメ Nesidiocoris tenuis で間違いなさそうです。

体長約3.6mm、翅端まで約4.2mm。トマトやナス、タバコなどナス科の作物につく重要害虫だそうですが、一方では近年アザミウマやコナジラミ類に対する生物農薬としての利用が進められているということです。キリの葉にいたのはそれらの餌昆虫を狙ってのことか、それとも近くにナス科の食草があって偶然移ってきただけなのか、よく分かりません。ただ次の写真のように同種と思われる幼虫も複数見かけたので、この植物でも繁殖しているのかも知れません。

体長約3mmの幼虫で、おそらく終齢でしょう。頭上にはヒメイトカメムシの脱皮殻。

こちらはまだ斑紋の現れていない羽化後間もない個体でしょう。

ただ、分岐した太い葉脈の間から動かず、ゆっくりと体を前後させている格好は産卵行動を思わせます。

無理矢理その場から立ち退いてもらったあとの葉面には、小さなお椀型の突起がいくつも見えます。

もしやこれが葉に埋め込まれた卵の先ではないかとも思ったのですが、植物自身が生じさせたものである可能性の方が高いでしょうね。

(2019.10.17・明石公園)

2019年10月31日木曜日

ヨコヅナサシガメ幼虫

エノキの根方で、クチキムシと思われる甲虫を捕えていたヨコヅナサシガメの幼虫です。
このヨコヅナサシガメ、以前のこの時期であれば少し歩きまわっただけでいくつも幼虫の集団が見られたものですが、ここ2~3年でめっきり少なくなってしまいました。


前胸部と後胸部の間に口吻を突き刺しています。

やがて獲物を反転させて、鞘翅の下の腹部から吸血を始めました。

(2019.10.17・明石公園)

2019年10月30日水曜日

女王を運ぶ?シベリアカタアリ

公園の柵に使われている竹の割れ目にシベリアカタアリ Dolichoderus sibiricus が集まっていました。

よく見れば集団の中心には大きなアリが1匹。

大きな腹部と胸部、女王のようです。

これは口移しに何かを与えている、あるいは貰っているところでしょうか。

しばらく見ているうちに全体がゆっくり移動し始めましたが、女王は働きアリに四方から引っ張られてなすすべも無い風情です。

ほとんどの脚や触角が働きアリの大顎に咥えられて、攻撃されているようにしか見えません。

頭の大きさには大きな差はありませんが、

女王の頭頂部には3個の単眼がはっきり見えます。

鋭い歯が並ぶ大顎ですが、噛む力は手加減しているんでしょうか。

30分ばかり見ていましたが、働きアリたちが四方から引っ張る力がちょうど均衡しているのかその間の移動は10cmにも足らず、結局どこへ行こうとしているのか、分からないままその場を離れました。

(2019.10.17・明石公園)

2019年10月29日火曜日

ヒゲナガサシガメ

いつ見ても葉の裏でじっとしているヒゲナガサシガメです。



(2019.10.17・明石公園)

2019年10月28日月曜日

ネッタイヒメクロミバエ

キリの幼木の葉の上を、この仲間がいつもやっているように翅を大きく動かしながら歩いていたミバエです。
ネット画像を探してみると「廊下のむし探検」さんの画像リストtukik さんの「小さきものたちの世界」に同種と思われるものが掲載されていて、ともにケブカミバエ亜科のネッタイヒメクロミバエ Spathulina acroleuca としておられます。この和名・学名で更に検索すると多数の生体や標本の画像が出てきて、翅の斑紋などよく一致するのでこの種で間違いないでしょう。

翅を左右交互に、やや捩りながら前に動かすので正面からは翅の裏側が見えることになります。





腹端を見れば♀ですね。

体長は約3.8mm、翅端まで約5mmです。


(2019.10.09・明石公園)

2019年10月27日日曜日

アオモンツノカメムシ・幼虫の脱皮

昨日の記事の続きです。
アオモンツノカメムシの卵塊や孵化幼虫の集団を見たカクレミノの、別の葉では1齢から2齢への脱皮が進行中でした。

小さな1齢幼虫(特に頭部が小さいので区別できます)と、脱皮したばかりで体色の薄い2齢幼虫、それにすでに前体部が黒っぽくなった2齢幼虫が混在しています。そして画面中央上部に脱皮中の個体が。




脱皮完了。

しばらくするともう1匹、脱皮を始めました。





こちらも無事に出てきました。

(2019.10.09・明石公園)