2019年11月7日木曜日

ヤノイスアブラムシの出産

この時期、コナラの葉の裏でよく見られるヤノイスアブラムシ Neothoracaphis yanonis です。

葉脈に沿って点々と、黄色い粒と黒い粒が散っていますが、黄色いのはやがて有翅成虫になってイスノキに戻る幼虫、黒いのは無翅成虫ということです。

その黒い無翅成虫の中に、ちょうど出産中の個体がいました(画面中央やや下)。成虫と言っても、一緒に写っている有翅幼虫と比べるとかなり小柄です。

母虫は体長約0.55mm、生まれてくる幼虫は約0.45mm。

真っ黒の小さな母虫から、大きさがあまり違わない黄色い幼虫が生まれてくる光景はちょっと不思議です。この大きさの差からすると、一匹の成虫が産む幼虫の数はおそらく多くはないでしょう。このあたりからしばらく動きが止まってしまったのでここで撮影中止。

近くの葉でも出産が進行中でした。

最初のより小さく、成虫の体長は約0.4mm。

こちらの方が進行が早くて、ちょっと目を離した間に生まれた幼虫が歩きまわっていました。体長約0.35mmです。
ヤノイスアブラムシは一次寄主(有性生殖が行われる)のイスノキと二次寄主(単為無生殖が行われる)のコナラの間を往復する移住性のアブラムシです。旧ブログで何度か記事にしているのでここでまとめてリンクしておきます。

2010.05.212013.04.132018.04.19(イスノキのゴールと幹母)
2012.10.21(コナラの幼虫と成虫)
2013.12.04(イスノキの有翅産性虫と無翅卵性虫)
2014.01.15(1月にコナラにいた有翅幼・成虫)

(2019.11.01・学が丘北公園)

2019年11月4日月曜日

クロコノマチョウ 秋型・♂

前回クロコノマチョウを掲載したのは旧ブログで今年の4月のことでしたが、越冬明けでかなり翅の傷んだ個体でした。今回のは綺麗な翅をしています。

これまで何度も撮影していながら雌雄の別など気にしたことが無かったのですが、調べてみるとこれは秋型の♂のようです。

この翅の色や模様は落葉の上では全く目立たず、足元から飛び立つのを見て初めてそこにいたことに気づくのが普通ですが、目立たないことに余程自信があるのか、慎重に動けばかなり接近しても逃げません。

(2019.10.27・明石公園)

2019年11月3日日曜日

ヒトヅノクンショウモ

この日採取したサンプルにはクンショウモが多く含まれていました。細胞の大きさや形にはかなり変化がありますが、すべてヒトヅノクンショウモ Pediastrum simplex のようです。一部はビワクンショウモ P. biwae のようにも見えるのですが、外側細胞の突起が2つづつ対をなす、という特徴が今一つ明瞭ではなく、何とも言えません。




以上4枚は同一倍率で、明視野偏斜照明での撮影です。

このカットのみ微分干渉での撮影ですが、通常明視野照明では見えてこない、外側細胞の突起から伸びる細い毛のようなものが、一部ですがうっすらと確認できます。おそらくすべての細胞から伸びているものだと思いますが、ピントの位置や細胞の向きによって写ったり写らなかったりするようです。位相差ではこちらのようにもっと明瞭に見えてきます。

(2019.10.09・明石公園 桜堀にて採集)

2019年11月2日土曜日

ギンナガゴミグモ幼体

アラカシの幹の間に張られたクモの巣です。

手のひらほどのごく小さな円網ですが、いわゆる隠れ帯のような、その出来損ないのような2重の白い円が見えます。外側の円の長径が約40mm。

網の中心にいたのは体長約2.5mmの小さなクモ。中途半端に横向きに定位していますが、ギンナガゴミグモ Cyclosa ginnaga のようです。成体はこちらのように太くてよく目立つ渦巻状の隠れ帯を作りますが、この幼体はまだ練習中なのかも知れません。

(2019.10.27・明石公園)

2019年11月1日金曜日

タバコカスミカメ

キリの幼木の葉の裏に集まった多数のヒメイトカメムシの間に、細長いカスミカメが数匹混じっていました。

調べてみるとタバコカスミカメ Nesidiocoris tenuis で間違いなさそうです。

体長約3.6mm、翅端まで約4.2mm。トマトやナス、タバコなどナス科の作物につく重要害虫だそうですが、一方では近年アザミウマやコナジラミ類に対する生物農薬としての利用が進められているということです。キリの葉にいたのはそれらの餌昆虫を狙ってのことか、それとも近くにナス科の食草があって偶然移ってきただけなのか、よく分かりません。ただ次の写真のように同種と思われる幼虫も複数見かけたので、この植物でも繁殖しているのかも知れません。

体長約3mmの幼虫で、おそらく終齢でしょう。頭上にはヒメイトカメムシの脱皮殻。

こちらはまだ斑紋の現れていない羽化後間もない個体でしょう。

ただ、分岐した太い葉脈の間から動かず、ゆっくりと体を前後させている格好は産卵行動を思わせます。

無理矢理その場から立ち退いてもらったあとの葉面には、小さなお椀型の突起がいくつも見えます。

もしやこれが葉に埋め込まれた卵の先ではないかとも思ったのですが、植物自身が生じさせたものである可能性の方が高いでしょうね。

(2019.10.17・明石公園)