2019年11月10日日曜日

キイロテントウ

シンジュの枝を見上げると、キイロテントウの蛹や成虫がたくさん。

いろいろな植物に発生するうどん粉病菌などの菌類を食べるテントウムシですが、このあたりでは特にクワやシンジュ、ハナミズキなどで見かけることが多いようです。

ちょうど羽化のシーズンだったようで、ほとんどの成虫はまだ蛹の抜け殻にしがみついています。



個の蛹は羽化間近でしょう、赤い複眼が少し不気味です。

蛹化前の幼虫もいました。卵や1齢幼虫はこちらに出しています。

(2019.11.01・学が丘北公園)

2019年11月8日金曜日

糞を背負ったキノコバエ科幼虫


落葉の間にいた、自分の糞を背負った双翅目幼虫です。どこかで見たはずだと思い帰宅して調べてみると、やっぱりBABAさんのところにありました。そこでは ezo-aphid さんとともに詳細に調べられた結果キノコバエ科 Epicypta sp. とされています。幼虫の体型はよく似ていて、同属かも知れません。

湿った落ち葉にくっついた、何かの糞のようなものを見ていると、

動き出しました。

自分の糞を背負ったウジムシのようです。全体の長さは約2.5mm。下から小さな頭が覗いています。

逆光で見ると体の下の部分が透けています。

ときどき頭を持ち上げるのですが、薄暗い場所でなかなかピントとタイミングが合いません。

一対の角のようなものは何でしょうか。

落葉の先でそっと裏返してみました。

糞の覆いから身を乗り出すようにして起き直ろうとしています。

脚はありません。

なんとか起き直ったのですが糞のお家が落ち葉にくっついてついてこず、結局裸になってしまいました。

ずんぐりとした体型で、体長もやはり約2.5mmです。

皮膚の下の気管がよく見えます。

これでお終い。たくさん食べて早くお家を再建してくれればいいんですが。

(2019.11.01・学が丘北公園)

2019年11月7日木曜日

ヤノイスアブラムシの出産

この時期、コナラの葉の裏でよく見られるヤノイスアブラムシ Neothoracaphis yanonis です。

葉脈に沿って点々と、黄色い粒と黒い粒が散っていますが、黄色いのはやがて有翅成虫になってイスノキに戻る幼虫、黒いのは無翅成虫ということです。

その黒い無翅成虫の中に、ちょうど出産中の個体がいました(画面中央やや下)。成虫と言っても、一緒に写っている有翅幼虫と比べるとかなり小柄です。

母虫は体長約0.55mm、生まれてくる幼虫は約0.45mm。

真っ黒の小さな母虫から、大きさがあまり違わない黄色い幼虫が生まれてくる光景はちょっと不思議です。この大きさの差からすると、一匹の成虫が産む幼虫の数はおそらく多くはないでしょう。このあたりからしばらく動きが止まってしまったのでここで撮影中止。

近くの葉でも出産が進行中でした。

最初のより小さく、成虫の体長は約0.4mm。

こちらの方が進行が早くて、ちょっと目を離した間に生まれた幼虫が歩きまわっていました。体長約0.35mmです。
ヤノイスアブラムシは一次寄主(有性生殖が行われる)のイスノキと二次寄主(単為無生殖が行われる)のコナラの間を往復する移住性のアブラムシです。旧ブログで何度か記事にしているのでここでまとめてリンクしておきます。

2010.05.212013.04.132018.04.19(イスノキのゴールと幹母)
2012.10.21(コナラの幼虫と成虫)
2013.12.04(イスノキの有翅産性虫と無翅卵性虫)
2014.01.15(1月にコナラにいた有翅幼・成虫)

(2019.11.01・学が丘北公園)

2019年11月4日月曜日

クロコノマチョウ 秋型・♂

前回クロコノマチョウを掲載したのは旧ブログで今年の4月のことでしたが、越冬明けでかなり翅の傷んだ個体でした。今回のは綺麗な翅をしています。

これまで何度も撮影していながら雌雄の別など気にしたことが無かったのですが、調べてみるとこれは秋型の♂のようです。

この翅の色や模様は落葉の上では全く目立たず、足元から飛び立つのを見て初めてそこにいたことに気づくのが普通ですが、目立たないことに余程自信があるのか、慎重に動けばかなり接近しても逃げません。

(2019.10.27・明石公園)

2019年11月3日日曜日

ヒトヅノクンショウモ

この日採取したサンプルにはクンショウモが多く含まれていました。細胞の大きさや形にはかなり変化がありますが、すべてヒトヅノクンショウモ Pediastrum simplex のようです。一部はビワクンショウモ P. biwae のようにも見えるのですが、外側細胞の突起が2つづつ対をなす、という特徴が今一つ明瞭ではなく、何とも言えません。




以上4枚は同一倍率で、明視野偏斜照明での撮影です。

このカットのみ微分干渉での撮影ですが、通常明視野照明では見えてこない、外側細胞の突起から伸びる細い毛のようなものが、一部ですがうっすらと確認できます。おそらくすべての細胞から伸びているものだと思いますが、ピントの位置や細胞の向きによって写ったり写らなかったりするようです。位相差ではこちらのようにもっと明瞭に見えてきます。

(2019.10.09・明石公園 桜堀にて採集)