2019年11月21日木曜日

トゲアリ女王

コナラの幹を歩いていたトゲアリ Polyrhachis lamellidens の女王です。
トゲアリは女王が単身でクロオオアリやムネアカオオアリの巣に侵入してそれを乗っ取ることが知られています。この公園ではトゲアリの巣はまだ見たことがありませんが、今回と同じように歩きまわる女王は以前にも撮影しています。


追いかけていると、突然立ち止まってこんな姿勢をとりました。

しばらくの間この姿勢でじっとしていましたが、間もなくまた歩き始め、そのまま手の届かないところへ行ってしまいそうだったのでフィルムケースに採集しました。メタリックに輝くこのアリを、一度じっくり深度合成で撮影してみたかったのです。

で、自宅に持ち帰り冷凍殺虫。体を丸めて縮こまってしまいましたが、これをきれいに展足して整える技術もないのでそのまま撮影しています。





深度合成処理には以前からずっとフリーソフトのCombine ZM、ZPのお世話になっていたのですが、脚や触角の重なり合った部分の処理を上手くこなせない場合が多いので、このたび思い切って評判の高い Zerene Stacker を導入しました。それでもすべておまかせと言うわけにはいかず、レタッチ作業も大変ですが、ゴミ取りなど標本の扱いや撮影・照明も含めて、これからぼちぼち練習しようと思っています。

(2019.11.13・明石公園)

2019年11月20日水曜日

ヒゲナガヤチバエ

公園内の小川べりを歩いていると、足元の草むらからたくさんこのハエが飛び出してきました。ヤチバエ科のヒゲナガヤチバエ Sepedon sauteri です。
いくらでも出て来るのですが、どれも動きが活発でなかなか近寄れず、アップは撮れませんでした。

必ず頭を下に向けて草にとまります。


体長約14mm。顔面写真はこちらにあります。

(2019.11.13・明石公園)

2019年11月19日火曜日

ニホンヒメグモ

根元から数本に分かれたエノキの幹の間に、クモの巣に引っ掛かった枯れ葉が1枚。

もちろん、ニホンヒメグモ Parasteatoda japonica の巣ですね。

横から覗き込むと、いました。

獲物はワラジムシとイダテンチャタテ。

♀のようですが、卵嚢や子グモは見えません。

真下から。
このクモの♀が卵嚢や孵化したばかりの子グモを守っている様子はこちらに出しています。

(2019.11.13・明石公園)

2019年11月18日月曜日

コガネグモ科幼体

アラカシの幹に小さな網を張っていた小さなクモです。


体長は約3mmです。コガタコガネグモではないかと思いますが、参考にできる幼体の画像がほとんどないので確かではありません。




脚の爪は縦糸に掛かっています。

(2019.11.13・明石公園)

2019年11月16日土曜日

シロカネイソウロウグモ

ジョロウグモの網の上にいたシロカネイソウロウグモ Argyrodes bonadea です。
体長は約3mmで、♀の生体のようです。体長2mm以下の幼体は冬場に木の葉の裏でよく見ていたのですが、実際に他種の網の上にいる生体を撮影したのはこれが初めてです。多分数が少ないわけではなく、気付かなかっただけなんでしょう。
それにしても、網の上の小さなクモを撮るのは難しいですね。






(2019.11.13・明石公園)

2019年11月14日木曜日

ウロコアシナガグモ♂

シャリンバイの葉の裏のウロコアシナガグモです。


体長約4.4mm。腹部の金色がかった光沢と頭胸部の透明感が美しいクモです。

大顎と触肢。

(2019.11.08・明石公園)

2019年11月13日水曜日

スリコラ属の一種(Thuricola sp.)

ロリカ(コップ状の殻)に2個の娘細胞が収まったツリガネムシの仲間で、先月このブログにバジニコラ属の一種?(?Vaginicola sp.)として掲載したものによく似ています。しかしこちらの方が大型で、さらにロリカの内部に、細胞が収縮した際に閉まる弁(valve)を持っています。
同じようにロリカに入った繊毛虫で旧ブログに掲載したピキシコラ属(Pyxicola sp.)もオペルキュルム operculum と呼ばれる、収縮時に閉まる蓋のようなものを持っていますが、これは細胞の一部が変化した構造で、スリコラの弁とは全く異なります。最後の動画で、この弁の動きがよく分かると思います。

2個の娘細胞がちょうど上下に位置していて、同時にピントを合わせることが出来ません。

矢印で示したのが弁(valve)です。

上の細胞にピントを合わせています。円い収縮胞や細長い核が見えていて、弁も確認できます。

収縮した細胞が弁(ピントが合っていませんが)を押し開けながら伸び始めたところ。

動画です。

周りをウロウロするワムシに驚いて収縮した後、細胞が伸びてくる様子が見られます。

(2019.10.10・明石公園 桜堀にて採集)