近所の公園などで目にする虫の数が年を追うごとに減ってきていると感じる昨今ですが、今年も例年通り、いつもの公園のマサキにたくさんのミノウスバが集まっていました。
あちこちの枝で産卵中の♀たち、それに♂もたくさん来ています。
産み付けられた卵は、雌の腹部の毛で覆われていきます。
動きがとても遅いので、見ていてもどうやって毛の覆いが出来ていくのかよく分かりませんが、おそらく♀が産卵しながら前進するのに伴って、長い毛が卵に付着して抜けていくのではないかと思います。♀は産卵後、卵塊を守るようにその場に留まったままやがて死んでしまいますが、こちらのように年が明けてもまだ生きている♀を見たこともあります。
櫛状の触角をもった♂たちが産卵中の♀をめぐって大騒ぎしています。
少し離れた場所で静かに交尾中。
ミノウスバの成虫は口器が退化していて、食事は出来ないそうです。これは♂。
これも♂です。
ミノウスバ Pryeria sinica はちょっと変わった生活サイクルを持った蛾で、例年10月下旬から11月初めにかけて羽化し、マサキやニシキギに産卵、冬を越した卵はまだ寒さの残る3月初め頃には孵化してきます(こちら)。そして5月中旬までには蛹化を完了し、長い夏を蛹のまま休眠して過ごすということです。
(2019.11.13・明石公園)