2020年1月13日月曜日

フタマタツノモ Ceratium furca

昨日のイカリツノモと同じ渦鞭毛藻類・ケラチウム属のフタマタツノモ Ceratium furca です。やはりイカリツノモと同様、近年の研究で Ceratium 属から新属 Tripos 属に移すことが提唱されていて、その場合の学名は Tripos furca となります。

イカリツノモよりも小型で細身なせいかカバーガラスの下でも活発に泳いでくれました。



動画です。

後方に長く伸びて鞭のように振られているのが縦鞭毛、ちょっと分かりにくいですが横溝の中でチラチラ動いているのが横鞭毛です。

(2019.12.24・西舞子海岸にて採集)

2020年1月12日日曜日

イカリツノモ Ceratium tripos

これは以前のブログにツノオビムシの一種(Ceratium sp.)として掲載したのと同じものですが、図鑑やネット画像との絵合わせではイカリツノモ Ceratium tripos として良さそうです。ただこの Ceratium 属は近年の研究で多くの種が別の属に移されたとのことで、このイカリツノモにも Tripos muelleri という学名が与えられているようです(生きもの好きの語る自然誌参照)。ただしタイトルには旧来の学名を掲げておきました。

右上に縦鞭毛が伸びているのがどうにか確認できます。

細胞の真ん中を横切る溝(横溝)を横鞭毛が取り巻いているのですが、静止画ではなかなか確認できません。最後の動画で、ところどころその動きが見えると思います。

裏側になったのでぼんやりしていますが、画面上方に向かって大きく口を開けているのが縦溝です。

動画では縦・横の鞭毛の動きが見えますが、横鞭毛はちょっとわかりにくいかも知れません。シャーレに入れて実体顕微鏡で観察すると、鞭毛の運動でゆっくりと前進するのが見られます。

(2019.12.24・西舞子海岸にて採集)


2020年1月10日金曜日

アナトックリカラムシ Codonellopsis ostenfeldi

引き続き近所の海岸で採集したプランクトンです。
昨日のカメガタカラムシと同じ有鐘目の繊毛虫で、やはり砂粒を付着させた殻に入っていますが、その殻から透明の長い首が伸びていて、その部分に小さな円形の穴が多数空いています。アナトックリカラムシ Codonellopsis ostenfeldi だと思います。

殻の開口部から繊毛を拡げて活発に泳ぎます。

ちょっと見えにくいですが、殻の「首」の部分に円い穴がいくつも空いています。

しばらく追いかけているとやがて動きを止め、殻の中に引っ込んでしまいました。


(2019.12.24・西舞子海岸にて採集)


2020年1月9日木曜日

カメガタカラムシ属の一種(Stenosemella sp.)

海のプランクトンです。
これは以前のブログで「スナカラムシ属の一種?(?Tintinnopsis sp.)」としていたものと同じ種だと思いますが、その後日本海洋プランクトン図鑑など調べていくと殻の形がスナカラムシ属ではなくカメガタカラムシ属 Stenosemella に当てはまることが分かりました。その中でも大きさなどの特徴からカメガタカラムシ Stenosemella nivalis が近そうですが、とりあえずタイトルは属名までとしておきます。

ビンガタカラムシなどと同じ、殻に収まった繊毛虫の一種で、殻には砂粒を付着させています。



今回は、比較的長時間元気に泳ぎ回ってくれたので動画も撮ることが出来ました。


(2019.12.24・西舞子海岸にて採集)

2020年1月8日水曜日

コレプス(Coleps sp.)

以前のブログでも一度動画だけ出していますが、鎧を纏った繊毛虫、コレプス(Coleps sp.)です。



細胞の右半分がやや細く、色も薄いのは分裂後あまり時間が経過していないせいだと思います。


(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)


2020年1月6日月曜日

ヒメコバチ科 Tetrastichinae 亜科の一種

木の葉の裏にとまっていたものを採集してきたヒメコバチで、 Tetrastichinae 亜科の一種の♂だと思います。これによく似たヒメコバチは冬場に越冬中のものがよく見つかりますが、一体何種類くらいいるのか見当もつきません。今回のものは、これまでに掲載したものの中ではこちらに近いようですが、前胸背板の膨らみが小さいようで、雌雄の違いによるののか、あるいは別種かも知れません。






(2019.12.03・学が丘北公園にて採集)



2020年1月5日日曜日

ハナビワムシの孵化

昨日のハナビワムシの一種(Collotheca sp.)の続きです。
このワムシはいつ見ても卵を1個持っているように思うのですが、ちょうど孵化直前らしき卵を持った個体を見つけました。


生まれようとしている子どもが卵殻の中でしきりに動いていて、2個の眼点も見えます。

残念ながら、ちょっと目を離している間に殻から出てしまいました。まだ完全に卵殻から抜け出したわけではなく、この写真では分かりませんが、最後の動画でまだお尻のあたりに残っている卵殻が見えます。頭部の繊毛を盛んに動かしていますが、この繊毛がやがて成体の長い剛毛に変化するんでしょうか。

孵化した子どもはしばらくの間親の鞘の中に留まっていましたが、やがて外界へ泳ぎ出しました。この時点では成体にはあまり似ていませんが、いずれ適当な場所を見つけて固着生活を始めるのでしょう。


(2019.11.25・明石公園 桜堀にて採集)