2020年2月8日土曜日

羽化直後のカシトガリキジラミ

先日、幼虫がヒメコバチに産卵されている現場を見たカシトガリキジラミですが、その約2週間後、同じ場所で羽化したばかりの成虫を見つけました。
以前にもこのキジラミの羽化するところ羽化直後の成虫を見たことがありますが、いずれも3月後半で、こんな真冬に羽化してくるものがいるとは思いませんでした。これも記録的な暖冬のおかげでしょうか。

腹端を見ると♂のようです。



これは近くで見つけた別個体。やはり♂です。他にも羽化直後らしき成虫を何匹か見ましたが、どれも♂のようでした。

(2020.02.07・明石公園)


2020年2月7日金曜日

不明動物プランクトン

ずいぶん以前から同じようなものを何度も見ているのですが、どういう分類群に属するものなのか、未だに見当がつきません。体全体は無色透明で、平べったい鰭状の器官を振り動かして泳ぎ回るという点で以前のブログに掲載したこちらに似ていますが、全体の形はかなり違っていて、同じ仲間なのかどうかもよく分かりません。淡路島のuni2さんが運営しておられる、単細胞生物から哺乳類、さらに植物全体までカバーする恐るべきサイト「淡路島の生き物たち3」にはよく似た生き物が掲載されていますが、やはり所属は確認されていないようです。










(2019.12.26・西舞子海岸にて採集)


2020年2月5日水曜日

クリマコスフェニアの一種(Climacosphenia sp.)

再び海の珪藻です。
これはクリマコスフェニア属 Climacosphenia の一種だと思います。以前に掲載したものは多数の細胞が放射状に集まった群体でしたが、同じ種ではないようです。

これは帯面(殻環面)から見た状態ですが、殻面観は丸みを帯びた棍棒状だそうです。顆粒状の葉緑体が多数見えます。

拡大すると非常に細かな条線が見えてきます。

(2019.12.26・西舞子海岸にて採集)

2020年2月4日火曜日

アブラゼミの卵?

ハイイロチビフサヤスデのたむろするケヤキの樹皮下に産み付けられていた虫卵。
ネット上に多数アップされているアブラゼミの卵によく似ています。セミの産卵場所と言えば枯れ木枯れ枝と思っていたのでこんな場所に産卵するものだろうかと疑問を感じたのですが、こういう生木の樹皮下に産卵することも珍しくないそうです。
ただこの場所ではアブラよりクマゼミの方が多いし、両者の卵の外見の違いもよく分からないので、タイトルには疑問符をつけておきます。




(2020.01.21・明石公園)


2020年2月3日月曜日

ステファノピクシスの一種(Stephanopyxis sp.)

引き続き海の珪藻です。
これはステファノピクシス属 Stephanopyxis の一種でしょう。7細胞の群体です。以前のブログでも同じタイトルで出していますが、それよりも細胞の直径が大きく、直径に対する高さが小さく、そして円筒の外周(帯面)の網目模様が中央部(上下両殻が接する部分)で最も小さく、離れるにしたがって大きくなっています。細胞の大きさはあまりあてににはなりませんが、殻面の部位による網目の大きさの変化は種によって違うようです。前回出したものでは場所によらずほぼ同大ですから、今回のものは別種だと考えられます。



細胞の中心軸付近にピントを合わせています。

細胞同士は殻の縁から伸びた刺で繋がっています。

網目模様は六角の蜂の巣状。茶色の粒々は葉緑体です。

(2019.12.26・西舞子海岸にて採集)


2020年2月2日日曜日

コアミケイソウの一種(Coscinodiscus sp.)と粘液糸

これはおそらくコアミケイソウ Coscinodiscus の一種で、近所の海岸でネットを曳くとごく普通に採れるものです。以前のブログに出したもの(こちら)もおそらく同じものだと思いますが、殻の周縁部から放射状に伸びる細くて長い刺を持っていて、これが前々からの疑問なのでした。
手持ちの図鑑類にはその存在について全く触れられていなくて、ネット上を探してもこの構造の確認できる画像が見つかりません。生きている細胞であれば実体顕微鏡でも簡単に見えるものなので不思議に思っていたのですが、今回改めて調べてみてようやく、珪藻の世界というサイトの被殻構造というページにその説明を見つけました。
それによればこの刺のようなものは中心珪藻に見られる有基突起という、殻外側に突出する中空の突起から放出される粘液糸で、プランクトン性の種類はそれによって浮遊性を高めているのだそうです(正確にはリンク先をご覧ください)。これまでひょっとしたら自分はものすごく珍しい種を見ているのかと思っていたのですが、そういう訳でもなかったようです。それにしても、このような明確な特徴を捉えた画像が見つからないのはなぜなんでしょうね。





次は同じ日に見つけたやや小型の別種ですが、やはり同様の粘液糸が見えます。



(2019.12.26・西舞子海岸にて採集)




2020年1月31日金曜日

ハナノミダマシ科の幼虫

ケヤキの幹の、五百円玉くらいの大きさの樹皮を剥がしてみると、こんな幼虫が出てきました。

体長は4mmくらいですが、お尻の先に妙なものをくっつけているように見えます。
頭部を見ると甲虫らしいので保育社の原色日本甲虫図鑑の第1巻で探してみると、よく似たものが出ていました。ハナノミダマシの一種 Scraptia sp.とあります。属はともかくとして、同じハナノミダマシ科 Scraptiidae の一種であることは間違いなさそうです。

その線でネットを検索してみると、害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)で取り上げられているのが見つかりました。その記事へコメントが寄せた方がポーランドの研究者による論文を紹介されていて、そこにはこの幼虫が外的な刺激に応じてその「尾」を自切し、またその後再生もするということが書かれているそうです。



(2020.01.21・明石公園)