2020年6月27日土曜日

ドクダミの上のチビハナゾウムシ

ドクダミの花のてっぺんに極小のゾウムシ。

この時期、いろんな花の上で見られるチビハナゾウムシ Anthonomus minor です。

周りを見回すと沢山いました。




(2020.06.20・明石公園)



2020年6月25日木曜日

ユードリナの一種(Eudorina sp.)

ユードリナ属(Eudorina、タマヒゲマワリ)は以前のブログにも一度掲載していますが、今回のものの方が細胞・群体ともに小型です。細胞数も前回はすべて32個のように見えましたが今回は(正確には数えにくいのですが)16個のものばかりのようです。もしかしたら別の属なのかも知れません。


群体の長さは30~50μm、細胞の直径は5~8μmくらいです。群体を覆う寒天質の表面に短い糸のようなものが付着しているように見えますが、バクテリアでしょうか。

動画です。


(2020.06.02・明石公園 剛の池にて採集)


2020年6月24日水曜日

ネズミモチツボミトジフシから出てきたコマユバチの一種

昨日の記事の続きです。
イボタミタマバエと思われるタマバエとともにネズミモチツボミトジフシから出てきたコマユバチです。♂が1匹、♀が大小2匹の計3匹ですが、翅脈などからコマユバチ亜科 Braconinae と思われます。タマバエの寄生者だと思いますが、イボタミタマバエに寄生するコマユバチにどのような種が知られているのか、私に調べられる限りでは分かりませんでした。
以下、深度合成画像です。
まず大きい方の♀から。






次は小さい方の♀。



そして♂。





最後に、このハチのものと思われる脱出口です。


(2020.06.12・明石公園にて採集・翌日羽化)


2020年6月23日火曜日

ネズミモチツボミトジフシとイボタミタマバエ?

ネズミモチの花が終わった頃、開かないままで紫色や褐色に変色したの蕾をつけた枝が残っていました。その多くには中から脱出した虫の蛹殻が残されています。こういう状態になった蕾では、以前同じ季節にコガネコバチが産卵しているのを見たことがありますが、この蛹殻はタマバエのもののようです。穴の開いていない蕾も残っているので、まだ出て来るかも知れないと思いひと枝持ち帰って様子を見ることにしました。
帰宅してネズミモチの蕾に出来るゴールについて情報を探してみると、虫えい同好会掲示板の記事が見つかりました(2018.06.15~17・No.3193,3194,3196,3198,3200)。それによればこのネズミモチの蕾に出来たゴールはネズミモチツボミトジフシと呼ばれるもので、イボタミタマバエ Asphondylia sphaera Monzen によって形成されるそうです。また同じネズミモチの実にゴール(ネズミモチミミトジフシ ネズミモチミドリフシ)をつくるのも同じイボタミタマバエということです(同じく2018.04.11~12・No.3030,3031)。
次の日、枝を入れておいたシャーレを覗いてみるとタマバエが1匹、それに小さなハチが3匹出てきていました。イボタミタマバエについては参照できるような画像が見つかりませんが、おそらくこの1匹のタマバエがそうなのだろうと思います。ハチの方はコマユバチで、翅脈からコマユバチ亜科のようです。タマバエの寄生者でしょうか。どちらもまず生きたまま撮影したいと思ったのですが、タマバエがシャーレの中を飛び回り蓋を開ける隙もなさそうなので、容器ごと冷凍庫に放り込んでしまいました。


開かずに変色したネズミモチの蕾と残されたタマバエの蛹殻。

これが1匹だけ出てきたタマバエです。絡み合った脚を拡げてみようとしたのですが、鱗片状の毛がボロボロ落ちてしまうので諦めました。



シャーレの中を暴れまわったせいか、触角が片方、途中で切れています。



最後に、原型を一番よくとどめていた蛹殻です。



長くなったのでコマユバチは次の記事で。

(2020.06.12・明石公園)



2020年6月21日日曜日

オナガアシブトコバチ

久しぶりに見たオナガアシブトコバチ Podagrion nipponicumoですが、トウネズミモチの枝を歩き廻るばかりで立ち止まる気配もなく、撮影は難しそうなのでそのまま採集してしまいました。
カマキリの卵鞘に産卵する寄生バチで、産卵シーンは以前のブログで2度掲載していますが(2010.05.302010.06.24)、最近10年間は見ていません。近所の公園などではカマキリの卵自体最近はだんだん数が減ってきていて、このハチの活動を見る機会もますます遠ざかりそうです。










(2020.06.09・明石公園にて採集)



2020年6月19日金曜日

アマクサキジラミ

クサギの葉裏にとまっていた綺麗な緑色の虫にレンズを向けてみると、昨年9月に初めて見たアマクサキジラミ Cacopsylla amakusensis でした。これは80年も前に記載されて以来数えるほどしか採集例がなく、その幼虫もホストも未確認のままだったのを、2014年にBABAさんがモッコクで繁殖しているのを発見し、その謎が一挙に解決されたといういわくつきの珍種です。

私にとっては2匹目の貴重な成虫だったのですが、1回シャッターを切った後倍率が高すぎることに気づきカメラの調整をしている間に逃げられてしまったのでした。それでも辛うじて特徴的な白い顔面が見えます。尾端の形は♀でしょう。
慌てて周囲を見回すとホストのモッコクが1本、しかし枝が高すぎて何も見えません。そこでもっと手頃な木が数本ある場所へ探しに出かけました。

そして手の届く範囲の新葉を探すと、多くはありませんが幼虫が見つかりました。大量のワックスを出していて、BABAさんの撮影されたものと見比べるとアマクサキジラミの幼虫に間違いなさそうです。

ある種の愛玩犬の巻き毛みたいです。

同じ個体を後ろから。
しかしこの日は他の成虫は見つからず。少し時期が早いのかと思い、3日後に同じ場所を覗いてみました。

数本の木を探し回って見つけた成虫は2匹だけ、うち1匹は撮る前に飛んでいき、残った1匹は♂のようです。


顔面が白くないのはまだ成熟していないからだそうです。

ちらほらと幼虫の姿も。

どの幼虫も長い綿毛のようなワックスと、排泄物の大きな球をお尻に付けています。

今回見た限りでは個体数は多くなさそうですが、こういう珍種がこの場所で繁殖していることが分かったことは嬉しい限りです。

(2020.06.09/12・明石公園)


2020年6月18日木曜日

ウチワヒゲムシ(Phacus.sp)

ウチワヒゲムシ(Phacus属)はミドリムシの仲間の鞭毛虫ですが、細胞はミドリムシのように変形しません。形が扁平なので撮影には好都合なはずですが、活発に泳ぎ始めると追いかけるのは難しく、水の層を薄くして動きを制限するとすぐに弱って鞭毛の動きも止まってしまうので、私には苦手な被写体のひとつです。



動画では鞭毛の動きがよく見えます。


(2020.06.02・明石公園の水溜まりにて採集)