2020年8月8日土曜日

アラムネクチカクシゾウムシ

昨日に続いてゾウムシ。今回のものは多分初めて撮影した種で、アラムネクチカクシゾウムシ Monaulax rugicollis で合っていると思います。ナシの害虫だそうですが、サクラの葉の縁につかまっていました。体長は約6.7mmです。



その名のとおり口吻が隠れて見えません。


複眼も半分隠れています。

保育社の甲虫図鑑には、「前胸背板は縦長の点刻を網目状に装う」とあります。

(2020.07.28・明石公園)









2020年8月7日金曜日

三度目のクワノコブコブゾウムシ

アラカシの幹に、顔をうずめるようにしてしがみついていた真っ黒なゾウムシ。あまりに色が違うので最初分かりませんでしたが、以前のブログで二度(2015.05.232018.07.26)掲載しているクワノコブコブゾウムシ Styanax kuwanoi のようです。
稀種とされていますが、この公園ではそこそこ繁栄しているのかも知れません。

体長は約7.7mm。以前見た個体はどちらも茶色っぽい鱗片に覆われていましたが、この個体には鱗片ほとんどなく全身黒光りしています。この写真では見えにくいですが左前・中脚の跗節が失われています。

上翅の基部に近い方には顕著な瘤。

前胸背板は大仏さんの頭のようです。

幹にしがみついたまま顔を見せてくれないので、引きはがして近くの切り株に移してやると歩きはじめました。

太短い吻も特徴の一つ。

裏返して腹面も撮らせてもらいました。

(2020.07.18・明石公園)


2020年8月6日木曜日

ヨツモンホソチャタテ

久しぶりに見たヨツモンホソチャタテ Graphopsocus cruciatus です。特徴的な模様のチャタテですが、近所の公園巡りではあまり多くは見かけません。桜の葉裏にいました。

体長約2.9mm、翅端まで3.9mm。大きなお腹をしているので産卵間近の雌かも知れません。
頭上に縦横に糸を張り巡らせていますが、非常に細くて肉眼では気づかないくらいです。

(2020.07.20・明石公園)

2020年8月5日水曜日

ネズミモチの実に産卵するコマユバチの一種

ネズミモチの実にとまるコマユバチがいました。
よく探すと周囲を何匹も飛び回っていて、時々実の上にとまるのですがすぐにまた飛び立ってしまいます。おそらく産卵のために集まっていると思われ、実際に産卵管を実に突き刺している個体もちらほら見つかりますが、かなり敏感でなかなか撮らせてくれません。
このコマユバチは6月のはじめにネズミモチの蕾につくられたゴール(ネズミモチツボミトジフシ)から羽化してきたものと同じコマユバチ亜科 Braconinae の一種のようで、同じゴールから羽化してきたタマバエ(おそらくイボタミタマバエ Asphondylia sphaera)に寄生するのだろうと思っています。イボタミタマバエはネズミモチの蕾と同様実にもゴール(ネズミモチミミドリフシ)を作ることが知られていて、コマユバチが産卵している実はおそらくすでにタマバエが寄生しているんでしょう。このコマユバチはどちらのゴールにも寄生するということかも知れません。





(2020.07.20・明石公園)




2020年8月3日月曜日

アラカシの枯れ枝に産卵するムツボシタマムシ

久しぶりにムツボシタマムシの産卵行動を見ることが出来ました。

体長約8mmと、この種としても小さめの個体です。一見地味ですが、見る角度によって金色に見えたり緑金色に見えたりする上翅の紋はたしかにタマムシの仲間だと思わせます。

アラカシの枯れ枝で、腹端から伸ばした産卵管で樹皮を探るようにしながら足早に歩き廻っていましたが、途中何度か立ち止まり、しばらく時間をかけて産卵しているようでした。





(2020.07.20・明石公園)


2020年8月2日日曜日

雄を捕えたシオヤアブ雌

アラカシの幹に獲物を抱えたシオヤアブがとまっているので見に行くと、同種の♂を捕えた♀でした。

こういう場面は以前にも見たことがありますが、この逆、つまり♂が♀を獲物にするということはあるんでしょうか。

(2020.07.20・明石公園)

2020年8月1日土曜日

ナベカムリ3種(Arcella spp.)

水田で採ってきた水の中にいたナベカムリ(Arcella)の仲間です。

その1

殻の形がきれいな円形ではなく、70X80μmほどの少しいびつな楕円形です。こういう厚みのあるサンプルを検鏡する際には、押しつぶさないようにカバーガラスの下に適当な下駄を履かせて間隔を保っているのですが、このナベカムリは開口部を下に向けてスライドガラス上を這っているので、仮足にピントを合わせるためには作動距離の小さな高倍率の対物レンズが使えません。

殻の色が薄いので内部の様子がよく見えます。開口部の周囲の緑色の粒は取り込んだ餌(小型のミドリムシ?)でしょうか。


その2

これは開口部を上に向けてカバーガラスにくっついています。遠慮がちに仮足を伸ばしますがあまり動いてくれませんでした。殻は円形で直径約70μm。規則正しい網目模様が見えます。


その3

殻形約80μm。「その2」と似ていますが、殻は網目ではなく皺状の模様に覆われているので別種でしょう。これもカバーガラスの下面を、盛んに仮足を出して這っていました。


(2020.06.26・神戸市西区の水田にて採集)