昨日の記事の、寄生を受けているらしいカメムシ卵はそのまま持ち帰り、毎日様子を見ていたのですが、15日目の朝、ようやく2個の卵で穿孔作業が始まっていました。
卵塊にくっついていたタマゴクロバチの♀は数日後に死んでしまい、また1個の卵ではなぜか蓋が凹んでしまっています。
しかし穴から顔を覗かせたのは、あのタマゴクロバチではありません。
見覚えのある顔です。
充分な大きさに穴を拡げるにはまだ時間がかかるだろうとのんびり構えていたところ、不意に出てきました。
頭に続いてごく短い時間で全身が出てしまい、倍率を下げるのが間に合わず途中が撮れませんでした。出てきたのはお馴染みの、ナガコバチ科 Anastatus 属の一種、♀です。よく見かける種で、先日
別のキマダラカメムシ卵にとまっていたのもおそらく同種でしょう。
その間にもう一つの卵でもだいぶ穴が拡がっていましたが、そこから覗く顔は最初のとは色が違います。
やはり、前触れなくいきなり頭を出してきました。
しかし今回はそこで若干手間取ったので、その間に急いで倍率を下げます。
太い触角はまだ蛹殻に覆われています。
欲を言えば背面からではなく真横から撮りたかったのですが、角度を変える余裕がありません。
出てきたのは♂でした。後脚で翅を伸ばしています。
以前、やはりカメムシ卵から出てきたものと同じ種のようです。その時出てきたのは♂ばかりで、それはおそらく寄主の卵が小さかったせいと推測されますが、今回はサイズに余裕があったので雌雄両方の寄生卵が産み付けられたのではないかと思われます。
この11個の卵塊からは翌々日に♀がもう1匹出てきましたが、他は死んでしまったのか、その後ハチもカメムシも出て来ることはありませんでした。
(2020.08.05・自宅にて撮影)