2020年10月5日月曜日

プラタナスグンバイ幼虫(深度合成)

 先日出した成虫と一緒に採集してきた若齢幼虫です。体長約0.8mmで、2齢くらいでしょうか。







(2020.09.22・神戸市垂水区にて採集)


2020年10月3日土曜日

プラタナスグンバイ(深度合成)

 しばらく更新が滞っていますが、生きております。
我が団地内に数本あるプラタナスの木では毎年プラタナスグンバイ Corythucha ciliata が繁栄を謳歌しているのですが、ご近所の目が気になって未だ撮影を試みたことがありません。それが先日、カシノナガキクイムシを採集して帰ってきた時にふと思い立って数匹フィルムケースに放り込み、ついでに深度合成撮影をしてみました。
同じ外来種で同属のアワダチソウグンバイ C. marmorata に形がよく似ています。アワダチソウは1999年に兵庫県で、プラタナスは2001年に愛知県で最初に確認されたそうですが、少なくとも神戸や明石では両種とも今や最普通種になってしまいました。







(2020.09.22・神戸市垂水区にて採集)

2020年9月26日土曜日

カシノナガキクイムシ

 細長い甲虫が2匹、コナラの根方を歩きまわっていました。
この公園では数年前からナラ枯れが発生し、たくさんの立派なコナラの木が被害に会って伐採され、今でも園内各所に燻蒸処理された後の残骸が積み上げられています。
このナラ枯れを齎す張本人であるカシノナガキクイムシ Platypus quercivorus はまだ見ていなかったので、この2匹がそれではないかと思って採集して帰りましたが、深度合成画像を撮影して図鑑やネット情報で確認したところこれに間違いないようです。2匹とも♀でした。

採集時には2匹とも土埃にまみれ、かなり時間をかけて掃除をしたつもりですがゴミがたくさん残ってしまいました。

腹面です。この個体は残念ながら中脚の附節が左右とも欠損しています。

1枚目の写真の部分拡大ですが、前胸背板に数個の円い穴が見えます。これはマイカンギア(菌嚢)と呼ばれる器官で♀だけに見られ、この穴で共生菌を運ぶと言われています。その共生菌がこの虫の食糧であり、ナラ枯れを引き起こす要因にもなるそうです。

同じ個体です。

同時に採集したもう一匹は、なぜか翅を拡げた状態で死んでいました。



最後はナラ枯れによる伐採が始まった頃の公園内の様子(2016.02.05)です。

この時の被害で、二抱えもありそうな大木も含めて公園内のコナラはほとんど一掃されてしまいました。それから約4年、ナラ枯れは近所の他の公園でも見られますがこれほどの大規模な被害には至っていないようです。

上と同じ日、コナラの幹に開いた虫孔。

(2020.09.22・学が丘北公園にて採集)

2020年9月23日水曜日

オオハリアリ

 モチノキの幹を足早に上る細長い体型のアリが、なんとなく見慣れない種のような気がしたので採集して帰ったのですが、冷凍庫から取り出してよくみれば珍しくもないオオハリアリ Pachycondyla chinensis でした。


(2020.09.15・明石公園にて採集)

2020年9月22日火曜日

ヘクソカズラグンバイ初齢幼虫

 ヘクソカズラの葉の裏を歩くヘクソカズラグンバイ Dulinius conchatus の幼虫。体長約0.4mmくらいで、多分初齢でしょう。周囲にニョキニョキ生えた太い毛(トライコームと呼ぶそうです)に足を取られながらよちよち歩く様子はちょっと微笑ましい感じがします。




小さな体のわりに立派な口吻が目立ちます。やっぱり命の綱ですもんね。

(2020.09.01・明石公園)

2020年9月20日日曜日

ミジンムシ科の一種

 ヤツデの葉の裏にいたミジンムシ科の一種です。レンズを近づけるとすぐに歩きはじめたので、見失わないうちに採集しました。生時の体長は約1.2mmです。
ネット上でいくつかの画像が見られるチャイロミジンムシ Alloparmulus rugosus によく似ていて、保育社の甲虫図鑑の説明にもいくつかの特徴が一致しますが、なにしろ小さなもので確認できない部分も多く、ここではミジンムシ科の一種としておきます。




以下は深度合成画像ですが、冷凍殺虫で腹部と頭部が鞘翅と前胸背板の下に引っ込んでしまいました。




(2020.09.15・明石公園)

2020年9月19日土曜日

目撃情報・明石公園でゾウカブトsp.

今回は管理人自身の観察ではありませんが、面白い情報をいただいたのでここで紹介します。
教えて下さったのは神戸市垂水区在住のM.I.さん。以下その記録です。

2020年5月26日、明石公園内でゾウカブトの仲間(アクタエオンゾウカブト?)を目撃した。放虫と思われるが下半身が大きく損傷しており、恐らく放虫後に鳥類などの捕食動物に襲われたのではと考える。まだ生きており、桜の樹木上を登っていた。ゾウカブト類の放虫はあまり多くないのではないかと思う、とのことです。

以下、M.I.さんが撮影された写真です。




随分以前から外国産の昆虫、特にカブト・クワガタ類の野外への放虫による生態系への悪影響が懸念されていますが、いつもの公園でこんなことが起こっているということには驚きました。