2021年6月1日火曜日

クンショウモ3種

 同じ場所で採集した3種のクンショウモです。

1. Lacunastrum gracillimum

この形のクンショウモはいつもお世話になっている「淡水微生物図鑑」(2010年)ではフタヅノクンショウモ Pediastrum duplex の一変種 var.gracillimum にあたるのですが、その後出版された「プランクトンハンドブック 淡水編」(20018年)を見ると別属のラクナストルム属 Lacunastrum とされています。どういうことかとネット情報を探すとこの gracillimum は最近になって変種から種に昇格し、新設された Lacunastrum属 に移されたようです。

こちらは16細胞の群体で、外周の細胞の形がちょっと違いますが、同種だと思います。

2. サメハダクンショウモ Pediastrum boryanum 


どちらも同じ群体を撮ったものですが、2枚目は細胞表面にピントを合わせていて、細かな顆粒で覆われていることが分かります。

3. Stauridium tetras 



この種も以前はフタヅノクンショウモ属 Pediastrum の1種 P.tetras とされていたのが新属に移されて Stauridium tetras となりました。1・3枚目が8細胞、2枚目が16細胞ですが、3枚目の群体だけ細胞がかなり大型です。上記プランクトンハンドブックでは Stauridium属 にキレコミクンショウモという和名が与えられています。

(2021.05.23・姫路市 姫山公園の池にて採集)

2021年5月31日月曜日

ヒゲナガヒロクチバエ

毎年この季節になると姿を見せる大型のハエで、ヒゲナガヒロクチバエ Lamprophthalma japonica だと思います。以前のブログにも一度掲載していて、その時は参考にした「一寸のハエにも五分の大和魂・改」の画像に見られる翅の斑紋が見えないことから別種ではないかと考えたのですが、どうやら個体変異のようです。いつ見ても非常に動きの鈍いハエで、今回もとまっているイヌビワの葉をつまんで顔のアップを撮る間、逃げもせずじっとしていてくれました。体長は約11mmです。






(2021.05.26・明石公園)

2021年5月30日日曜日

コナラの葉を綴るアカバキリガ幼虫

 コナラの葉にせっせと糸をかけている芋虫がいました。いつもお世話になっている、YAMKENの明石の蛾達にあたってみると、アカバキリガ Orthosia carnipennis の幼虫のようです。葉を丸めて蛹化の準備に入っているところと見えるのでこれで終齢だと思ったのですが、YAMKENさんの記事によれば終齢では頭部が赤くなるらしく、この個体は亜終齢のようです。多分、無事に葉巻の中に落ち着いてから赤くなるんでしょうね。

芋虫がこういう仕事をしている時はちょっとでも枝葉に触れると固まってしまうので、風で揺れていたりすると撮影には結構難儀します。



ひとしきり糸を掛けた後奥の方へ移動していきます。

葉柄に近いあたりにも既に糸が張られていて、その作業を再開したようです。短時間見ていただけですが、おそらく2か所で交互に作業をして徐々に葉の両端を引き寄せていくのではないかと思います。

(2021.5.14・舞子墓園)

2021年5月29日土曜日

アメーバ(Amoeba ?proteus)

大型のアメーバです。おそらく以前のブログに出したものと同じ種で、どちらもAmoeba proteus だと思っていますが、実は多種との見分け方がよく分かりません。前回はDIC撮影だったので今回は位相差で。




中央の小判型で黒っぽいのが核だと思いますが、その左下の丸いのは何でしょうか。

動画です。


(2021.05.07・明石公園 藤見池にて採集)

2021年5月28日金曜日

ヒメマルカツオブシムシ

ピラカンサの花の上で交尾していたヒメマルカツオブシムシ Anthrenus verbasci です。




体格差の大きなカップルです。

(2021.05.15・明石公園)

2021年5月27日木曜日

獲物を捕えたアシナガバエの一種

イスノキでお馴染みのカタビロコバチを追いかけていた時、目の前の葉にアシナガバエ(Dolichopodidae)が飛んで来てとまったので見ると何か口に咥えています。慌ててカメラを向けましたが、予想通りストロボ一発で視界から消えてしまいました。

獲物は何かの幼虫でしょう。アシナガバエの仲間はストロボの閃光に敏感で、いつもならプレ発光で 飛んでしまい写真には何も写っていないということが多いのですが、今回は獲物が重かったのか一瞬飛ぶのが遅れたようです。

(2021.05.15・明石公園)

2021年5月26日水曜日

ゾウミジンコの筏

 いつもプランクトンを採集している池でときどき、特に春と秋に多いようですが、ゾウミジンコ(Bosmina sp.)が大量に発生することがあります。そんな時に採ってきた水をシャーレに入れてしばらく置いておくと、多数のゾウミジンコたちが水面に浮かび、お互いにくっつき合って筏のような状態になることがあります。平べったい体を寝かせるような姿勢で浮かんでいて、䚡脚をせっせと動かしているのを見ると水中の酸素が足りなくなっているのかも知れません。あるいは水温の上昇が原因でしょうか。シカクミジンコの仲間(Alona sp.)が仲間入りしていることもありますが、普通のミジンコ(Daphnia)がこんなふうに浮かんでいるのは見たことがありません。水をかき混ぜてやると水中に戻って泳ぎ始めますが、しばらく放置するとまた元のように浮かんでいます。自然状態でもこんな行動を見せることがあるのかどうか興味がありますが、何しろ小さいものなので見つけるのは難しそうです。





動画です。


(2021.05.11・明石公園 桜堀にて採集)