2021年6月29日火曜日

ネズミモチの虫こぶ(?)に産卵するヒメコバチとコマユバチ

ネズミモチの花序で産卵していたコマユバチとヒメコバチです。ネズミモチの蕾や実にはイボタミタマバエが寄生してゴールを作るので、どちらもその寄生者ではないかと考えています。


歩き回りながらあちこちで針を突き刺していました。

花が終わったばかりの子房に産卵しているようですが、この子房にはすでにイボタミタマバエの卵が産みこまれているのかも知れません。

次はヒメコバチの一種

やはり同じような場所に産卵管を刺しています。これも同じタマバエに寄生する種でしょうか。

周りの枝が邪魔になってうまく撮れません。



体長約2.3mm。よく似たヒメコバチはこれまでに何度も撮ったような気がしますが・・・。

中胸背板の中央に1本、小盾板に1対ある縦線がはっきりと見えるので Tetrastichinae 亜科に間違いないと思いますが、その他に中胸背板の後半に横溝が走っていて、この特徴はこれまで撮影にした、これとよく似た種の中には見当たりません。

(2021.06.21・明石公園)

2021年6月28日月曜日

ヒメグンバイの幼虫たち

10日程前に見たアベマキで、たくさんの葉にヒメグンバイ Uhlerites debilis の産卵跡があったのを憶えていたので孵化の様子が見られないかと覗いてみましたが、すでにほとんど生れた後だったようでどの葉の裏にも大小の幼虫が集まっているばかりでした。


一番大きなもので4齢くらいでしょうか。

脱皮中のもいました。3齢→4齢かな。(以下撮影倍率は同じです。)


もっと小さいのも脱皮していました。2齢→3齢くらいでしょうか。

さらに小さいのも。1齢→2齢?

グンバイカスミカメ Stethoconus japonicus の若齢幼虫もいました。体長は約1.1mm。グンバイ専門の捕食者です。今回は食事風景は見られませんでした。

(2021.06.21・明石公園)

2021年6月27日日曜日

緑藻類3種(デスモデスムス、セレナストルム、レンマーマンニア)

 デスモデスムス

従来セネデスムス Scenedesmus 属(イカダモ)に含められていたのですが、最近になってこの属が分割され、ここに出したようなタイプの種はデスモデスムス Desmodesmus 属に移されたそうです。トゲイカダモという和名が付けられています。






レンマーマンニア


これも最近までクルキゲニア Crucigenia 属とされていたものですが、現在ではレンマーマンニア Lemmermannia 属に移されています。三角形の細胞が集まって群体を作っていますが、私にはユニット折り紙で作った箱のように見えます。海外サイトの画像で多数見られる Lemmermannia tetrapedia という種ではないかと思います。





セレナストルム


ムレミカヅキモという和名の付けられたセレナストルム Selenastrum 属です。三日月形の細胞が2個づつ一組になって、円弧の外側で互いにくっついています。



(2021.05.23・姫路市 姫山公園の池にて採集)


2021年6月25日金曜日

 一昨年、昨年に続き明石での昆虫写真展に参加します(こちら)。
場所は前2回と同じ明石アスピア スマイルギャラリー(アスピア北館3階通路)、
期間は明日6月26日(土)より7月15日(木)、10時から20時(6月中は10時から18時)、
ただし初日は13時から、最終日は16時までの展示です。



私の展示は今回はハチでまとめました。ブログをご覧いただいている方にはあまり目新しいものはありませんが、お近くに立ち寄られる機会でもあればついでに覗いていただければ幸いです。例によって出品者不在の場合が多いと思いますが、とりあえず土・日の13~17時の間は会場にいるつもりです。

2021年6月24日木曜日

ミドリヒメカゲロウ

 桜の葉裏にミドリヒメカゲロウ Notiobiella subolivacea がいました。珍しい種でもないんでしょうがこれまでほとんどご縁が無くて、この前撮影したのは10年以上前のフィルムカメラ時代でした。

体長約7mm、前翅長6.5mmくらいです。

赤い目玉の顔をアップで撮りたかったのですが、逃げられました。

(2021.06.21・明石公園)

2021年6月23日水曜日

産卵中のキマダラカメムシ

桜の木の下をいつものよう頭上を見上げながら歩いていると、産卵中のキマダラカメムシ Erthesina fullo が見つかりました。ここ数年の間にこのあたりでも最普通種になったキマダラですが、産卵を見るのは初めてです。この種の1回の産卵数は12個が標準のようですが、発見時にはすでに11個の卵が並んでいて、撮影している間に最後の1個を産みつけて立ち去ってしまいました。





この種に限らず、葉の裏などに産み付けられたカメムシ卵はコバチ類に寄生される確率がかなり高いようです。これらの卵は無事孵化できるんでしょうか。昨年撮った孵化幼虫の写真はこちらに出しています。

(2021.06.21・明石公園)

2021年6月22日火曜日

マルカメムシ卵に産卵するカメムシタマゴトビコバチ?(?Ooencyrtus nezarae)

 昨日の孵化幼虫と同じ場所で、クズの茎に産み付けられたマルカメムの卵塊で産卵しているトビコバチがいました。以前のブログに出したものとおそらく同種で、カメムシタマゴトビコバチ Ooencyrtus nezarae ではないかと思っています。しばらく見ていましたが同じ卵の同じ場所に何度も産卵管を突き刺し、その間には刺点に口をつけて、寄主体液摂取(以前BABAさんが記事にしておられます)らしき行動を繰り返していました。


体長は約0.7mm。





産卵管を突き刺すのとそこからしみ出る体液を吸う(?)という行動を交互に何度も繰り返していました。


余談ですが、8年前の記事の写真を撮った一週間後、同じ場所で再度産卵風景を見ています。


これも同じカメムシタマゴトビコバチのようですが、卵と比較しても分かるようにはるかに大型で、とても同じマルカメムシ卵で育ったものとは思えません。他のもっと大型のカメムシ卵から羽化したものでしょう。この寄生バチは多種のカメムシ卵をホストとしているらしいので、おそらく寄主卵のサイズによって羽化してきた成虫の大きさにも変化が大きいのではないかと推測されます。

(2021.06.09/最後の1枚のみ 2013.09.06・明石公園)