2021年9月19日日曜日

泳ぐパラディレプタス(Paradileptus sp.)

これはパラディレプタスの一種(Paradileptus sp.)で、以前にこのブログでも出していますが、細胞前端が象の鼻のように長く伸びた大型の繊毛虫です。動きも活発で、広い水中では回転しながら自在に泳ぎ回るのを実体顕微鏡で見ることができますが、それをスライドガラスにとってカバーガラスの下に閉じ込めると速やかに弱ってしまうことが多く、あまり長く撮影を続けられません。細胞を圧迫しないように2枚のガラスの間隔を充分とっていてもやがて動きが遅くなり、なぜか長い鼻も水に溶けるように消失してしまうのです。そこで今回はカバーガラスの下に厚さ1mmほど(細胞全長の2倍以上)の空間を作り、低倍率でその遊泳を撮影してみました。5、6個体を一緒に封入しましたが、動きが速いので画面に入るのもピントが合うのも運次第です。


(2021.08.31・明石公園 桜堀にて採集)

2021年9月18日土曜日

カタビロアメンボ科の一種・幼虫

 プランクトン採集が目的で掬ってきた池の水をシャーレに入れて実体顕微鏡で覗いていると、時々水面を滑るように動く小さな虫が目にとまりました。池などで水を採集すると水面にいる微小なトビムシ類が入ってくることは多いのですが、よく見るとこれはカメムシ類です。体長約0.7mmと0.6mm足らずの大小2匹がいました。調べてみるとカタビロアメンボ科 Veliidae のようで、この仲間は成虫でも体長が2mm以下のものが多いそうです。種名は分かりません。

まず大きい方から。

水面にお尻を着けて脚の手入れをしています。

背景で虹のように見えるのはシャーレの縁です。

今度は爪先立ち(?)になって後脚で体をしごいています。



口吻のお手入れも。

これは小さい方の個体です。

やはりしきりに各部のお手入れに励んでいました。

(2021.09.15・明石公園の池にて採集)

2021年9月17日金曜日

ミミズクの抜け殻

 コナラの葉の裏にミミズク Ledra auditura の抜け殻がくっついていました。このあたりでは滅多に見つからない虫で、ここ2、3年は生きたものを見た記憶がありません。せめて脱け殻でもと思って撮っておきました。長さ16mmくらいです。







(2021.09.10・舞子墓園)

2021年9月15日水曜日

カクレミノに産卵するアオモンツノカメムシ

 例年秋のはじめ頃にカクレミノで産卵するアオモンツノカメムシ Elasmostethus nubilus ですが、この日たくさん見た卵塊はほとんどが孵化していて、すでにこのあたりでの産卵の最盛期は過ぎてしまったようです。それでも探すと産卵中の母虫が何匹か見つかりました。


産卵は普通このように葉裏で行われますが、時々葉表に産み付けられた卵塊も見かけます。


1個産み終えたところです。腹端から排出された卵は粘着性のある物質で葉面に固定されるようです。

次の卵が出てきました。



1個産み付ける度にしばらくの間後脚で卵を優しく叩くような、撫でまわすような動作を続けるのは確実に葉面に据え付けるためなのでしょうが、見ていていじらしくなります。

(2021.09.10・明石公園)


2021年9月14日火曜日

ミナミトゲヘリカメムシ若齢幼虫

 足元のヤツデの葉を何の気なしに裏返してみると、脚の長いクモのようなカメムシの幼虫が3匹いました。ミナミトゲヘリカメムシ Paradasynus spinosus のようです。若齢で、腹部がやせているので初齢かも知れません。逃げ足の速い連中で、中の1匹をしつこく追い回してどうにか撮影できたのが下の写真です。

体長は約3.5mm。

触角は体長の1.5倍ほどの長さがあります。


口吻も長いですね。

(2021.09.10・舞子墓園)

2021年9月13日月曜日

ヒラフシアリとアブラムシ

 アベマキの葉の裏で、1匹のアブラムシの周りに数匹のアリが集まっていました。アリはヒラフシアリ Technomyrmex gibbosus ですが、アブラムシはピンボケでよく分かりません。アリたちは最初眠ったようにじっとしていましたが、やがて動き出して甘露の催促を始めました。






(2021.09.10・舞子墓園)

2021年9月12日日曜日

ミジンコの死骸を食べるコレプス(Coleps sp.)

 コレプス(Coleps・和名はタルガタゾウリムシ、またはヨロイミズケムシ)の一種がミジンコの死骸を食べに来ていました。今回は動画だけです。

食物がコレプスの細胞内に取り込まれる様子が見られます。

(2021.07.28・明石公園 藤見池にて採集)