顕微鏡では普段横方向からばかり見ているワムシ類ですが、カバーガラスの下に充分な空間をとってやると頭を上に向け、繊毛冠 (corona)がカバーガラスに接した状態で泳ぎ始めることがあります。今回はその繊毛の動きを狙ってみました。
まず最初はツボワムシを暗視野で。多数の個体を一緒に泳がせ、カバーガラスの下面にピントを合わせて探すと、あちこちで深いところから不意に浮上してきて花のように繊毛冠を開くのが見られます。以下、静止画はすべて
ストロボ撮影です。
繊毛が青く見えるのは構造色でしょう。
次は微分干渉で。
同じく、ピント位置を少し奥に移動したもの。
さらに奥へ。多数の繊毛の規則正しく同期して波打つように動くので、全体が回転しているような錯覚を起こさせます。輪盤とも呼ばれる所以ですね。
これがお馴染みの姿ですね。ツボワムシ Brachionus calyciflorus だと思います。
去年の夏に掲載したものと違って、被甲後部の突起(側突起、後方側刺)を持たないタイプのようです。
動画です。
冒頭が暗視野、続いて明視野、微分干渉です。
これは一緒にいたコガタツボワムシ Brachionus angularis です。
少し奥へピントを移動。右側に突き出しているのは背触手、左奥にぼやけているのは卵です。
名前通りツボワムシより小柄です。動画は
こちらにあります。
最後はドロワムシ(Synchaeta)の一種。黒いのは眼点です。
やや手前にピントを移動。
もう少し。