2022年7月10日日曜日

ヒロクチバエ科 Rivellia cestoventirs

 見かけも動きもミバエにそっくりの美しいヒロクチバエです。アラカシの幹から流れる樹液を舐めていました。以前のブログに Rivellia sp.として掲載したものと同じですが、その後のネット上の情報をいろいろ参照すると、 R. cestoventirs という種で間違いなさそうです。大小2匹来ていて、小さい方が体長約2.8mm、大きい方が約4.5mmで、雌雄の区別は分かりません。腹部の黒帯や前胸背板の黒紋に少し違いがありますが、個体変異だと思います。
以下1-4枚目が小さい方、5-8枚目が大きい方の個体です。









(2022.06.30・明石公園)


卵を守る?アワダチソウグンバイ

 セイタカアワダチソウの葉の裏で、葉に埋め込むように産み付けられた卵の上でじっとしているアワダチソウグンバイ Corythucha marmorata を見つけました。こんな風にレンズを近付けるとじわじわと遠ざかっていくのが普通ですが、いつまでもその場にとどまっているのを見ると母虫が自分の産んだ卵を保護しているのではないかと想像してしまいます。以前にヒメグンバイがやはり卵を守るようにその上を行きつ戻りつしているのを見たことがありますが、どちらも常に見られる行動ではなく、卵の保護と解釈できるのかどうか分かりません。



(2022.06.30・明石公園)

2022年7月9日土曜日

アトモンマルケシカミキリ

 ササの繁みで見つけた体長5mmほどの小さなカミキリムシです。上翅の縦縞が少し薄れていますが、アトモンマルケシカミキリ Exocentrus lineatus だと思います。普通は枯れ枝などにいるはずですが、お尻から下翅がはみ出ていて、ちょっとくたびれた個体だったのかも知れません。





(2022.06.26・明石公園)

2022年7月8日金曜日

羽化してきた Euplectrus sp. (ヒメコバチ科)

 昨日の記事とは別の木ですが、羽化してきたばかりと思われる Euplectrus 属の一種(ヒメコバチ科)が寄主の残骸の周りに集まっていました。同じくサクラの葉の裏で、寄主も同じリンゴツマキリアツバでしょう。ちょうど10年前(日付まで同じ!)に見たのとほとんど変わりのない光景ですが、Euplectrus の同じ種なのかどうかは分かりません。
その場にいたのは5匹で、中の1、2匹はウロウロと歩き回って触角で盛んに他個体に触れていましたが、この様子も10年前と同じ。雌雄の違いも分かりませんが、交尾行動は見られませんでした。寄主の下には10個前後の蛹が並んでいたようですが、まだこれから羽化してくるのか、あるいはすでに飛び去った個体もいるのかも知れません。







(2022.06.26・明石公園)


2022年7月7日木曜日

ヒメコバチ科 Euplectrus sp. の幼虫

 サクラの葉裏で、ヒメコバチ科 Euplectrus sp. に寄生されていた蛾の幼虫です。すでに吸い尽くされて干からびていますが、こちらと同じリンゴツマキリアツバでしょう。この種名は明石の蛾達のYAMKENさんに教えていただきました。ヒメコバチの幼虫たちは寄主の下に潜り込んで、粗い繭を紡いで蛹化の準備に入っているようですが、まだ6匹ばかり寄主の背中に残っています。他の幼虫よりもかなり小さく見えますが、兄弟に追いつこうとまだ食事を続けているのか、それとも別種の寄生バチということも考えられるでしょうか。撮影後、1時間ほど経ってから覗いた時もまだこの状態のままでした。寄主の体長は約10mmですが、生時よりかなり縮んでいるかもしれません。








(2022.06.17・明石公園)

2022年7月6日水曜日

アシナガオニゾウムシ

 10年も前には公園内のあちこちで見られたアシナガオニゾウムシ Gasterocercus longipes ですが、ここ数年さっぱり姿を見せなくなっていました。それがこの春から時々見かけるようになって、この日は以前から目を付けているエノキの幹に雌雄数匹が集まっていました。

♂を背中に乗せた♀がせっせと樹皮を齧っています。

♂は時々突然♀の背中から降りて後ろに下がりますが、頭はずっと♀に向けていて間もなくまた背中に乗ります。こちらを警戒しているのかと思いましたが、何度も同じことを繰り返すのを見るとそうでもないようです。


この後♀が産卵を始めるのではないかと期待して見ていましたが、いつまでも状況が変わらないのであきらめて引き揚げました。

(2022.06.26・明石公園)

2022年7月5日火曜日

クンショウモの一種(Pediastrum sp.)

 先日出したヒトヅノクンショウモと同じく64細胞のクンショウモですが、これは外周細胞のツノが2本づつあります。また細胞間に隙間もないので、いつもの淡水微生物図鑑に載っている種の中ではサメハダクンショウモ Pediastrum boryanum か和名無しの P. integrum のどちらかになりそうですが、2種の違いがよく分かりません。ただ過去に観察して前者だと思っているもの(こちら)は和名の由来である細胞表面の顆粒がもっと目立っていたので、今回の種は違うような気がします。

いつも完全な形の群体を撮影したいと思うのですが、今回も珪藻のかけらが付着してどうしても取れず、1個の細胞は中身が抜けています。また外周の細胞列が一か所乱れています。

外周細胞の突起から細い粘液糸が伸びています。

(2022.06.30・神戸市西区伊川にて採集)