2022年8月28日日曜日

ビロウドチャタテ科の一種(?Echmepteryx sp.)

 モチノキの幹にいたビロウドチャタテ科 Lepidopsidae の一種です。現場では初めて見る種のような気がして念のため採集して帰ったのですが、よく見ると以前のブログに出したものと同じものでした。その時には psocodea さんから、「この種はまだ日本から記録の無い物ですが,割と良くとれています。北米にいる Echmepteryx hageni と同種か,極めて近縁な種と考えています」というコメントをいただいています。その種名で検索すると海外サイトの画像がたくさんでてきますが、確かに写真だけでは見分けがつきません。折角持ち帰ったのでスタック撮影もしてみました。



右の触角そ先が切れています。以下はスタック撮影です。






鱗粉はササの葉かナイフのような形です。

(2022.8.11・明石公園)

2022年8月27日土曜日

カンタン ♂

 クズの葉の裏にいたカンタン Oecanthus longicauda の♂です。こういう虫はできるだけ自然な感じで撮りたいのですが、葉が風で揺れてブレボケを量産してしまいました。掲載写真もこのサイズでは分かりませんが、実はブレています。もちろん、後半の顔のアップは葉を手で押さえて撮ったものです。


体長は約17mm。

触角のお手入れをしています。


前脚脛節に耳(鼓膜器官)が見えます。

(2022.08.27・神戸市西区伊川)

2022年8月21日日曜日

大型のシュードマイクロソラックス

 先日の記事と同じシュードマイクロソラックス(Pseudomicrothorax sp.)です。同じサンプルで見つけましたが、こちらは細胞長が3倍近くある大型種です。丸く盛り上がった背面を上にしていて、1枚目は腹面近くにピントを合わせていますが細胞が不透明で様子がよく分かりません。2枚目以下では背面の隆起線が見えます。4枚目では左下が前端で、右向きに口部があります。





(2022.08.09・明石市大久保町の水田にて採集)

2022年8月19日金曜日

アリグモの若齢幼体

 サクラの葉の裏にいたアリグモの若齢幼体です。体長約2mmで、以前にもほぼ同じ大きさのものを掲載していますが、今のところこれ以下のサイズのものはまだ見ていません。ほとんど目にとまらないくらいの細い糸で編んだシートの下に収まっていました。この場所で見かけるのは普通のアリグモ Myrmarachne japonica ばかりなので、この幼虫も同種だと思います。




(2022.08.03・明石公園)

シュードマイクロソラックス

 シュードマイクロソラックス Pseudomicrothorax(属)という長い名前の付いた繊毛虫の一種です。頭に“Pseud”の付いた学名は和名で言えばニセ〇〇〇とか〇〇〇モドキといったものにあたるようで、この場合も本家の Microthorax 属が存在しますが、いつも頼りの「淡水微生物図鑑」には“Pseud”付きしか載っていません。多分こちらの方がポピュラーなんでしょう。この属はユレモを専門に捕食するそうですが、食事の現場は見られませんでした。写真は長径30µmほどの小型種です。


(2022.08.09・明石市大久保町の水田にて採集)


2022年8月18日木曜日

アオバハゴロモを捕えたヒサマツムシヒキ

* 2022.08.31 タイトル修正 *

タイトルの種名を誤って「サツマムシヒキ」としていたのをご覧いただいた方からご指摘いただき、修正しました。 

アオバハゴロモを捕えて足元の石の上に降りてきたヒサマツムシヒキ Tolmerus hisamatsui です。


薄暗い林の中でよく見かけるムシヒキアブです。

(2022.08.11・明石公園)


2022年8月16日火曜日

遊泳性のツリガネムシ、ハスタテラ(Hastatella sp.)

 これはハスタテラ(Hastatella)の一種で、柄を持たない遊泳性のツリガネムシの仲間です。小さくて1枚ではほとんど全体像が掴めないので6枚並べました。くるくる回転しながら泳ぎ回る1個体を連続で数十枚撮影した中から選んだもので、ある程度形が想像できると思います。円筒形の細胞の周囲に長い棘状の突起を生やしているのが特徴ですが、形態の違う種がいくつもあるようで、種名は分かりません。


(2022.08.09・明石市大久保町の水田にて採集)